グリーンコーヒー事業でWellnessの輪を広げたい!【岩川 信治郎 / 保健師・看護師】

岩川 信治郎(保健師・看護師)

県庁の保健師、デイサービス職員を経て、現在の精神科病院に就職。救急病棟の看護師として働きつつ、グリーンコーヒー事業で起業。実績を伸ばし続け、医療職以外の働き方を提唱している。

記事の見どころ
  • 岩川さんは自身の境遇と実体験をきっかけに、看護師を目指した。
  • 病棟勤務の傍ら、グリーンコーヒー事業で実績を伸ばし、活躍の場を広げている。
  • 事業の根幹には、心身共に、そして社会的にも健康になってほしいという、岩川さんの強い想いがあった。

看護師を目指したきっかけを教えてください

岩川 信治郎

結構厳しい医療の実際を知ったのと、地元に帰って貢献したいと思いました。

私は鹿児島県屋久島で生まれ育ちました。本当に自然が豊かで、地元のおじいちゃんやおばあちゃんが温かく、アットホームな雰囲気の場所です。しかし、島内ならではの厳しい医療の実情に直面しました

それは、後輩が交通事故にあってしまった時のことです。私たちの地域では医療機関が少なく、自宅から遠くに病院が1つしかありません。本土だったら助かっていたかもしれないですが、残念ながら亡くなってしまった経験をしました。

また私には「地元に帰り、地域に貢献したい」という想いがあります。大好きな地元だからこそ大切にし、そこで暮らす方々には幸せになっていただきたいです。それを可能にするのが医療だと感じました。だからこそ、医療の道へ進むことを決めたのです。

しかし、高校生の頃まで、病院にかかる機会がほとんどありませんでした。そのため、看護師の仕事自体のイメージが、一般的な方が持つような医療ドラマの中のイメージしかなかったんです。そこで、実習に行ってすごく現場の大変さというか空気を知り、大変だなという印象を持ちました。

複数のキャリアを経て感じたことを聞かせてください

岩川 信治郎

定年まで看護師で働くっていうのは少し違うかなと感じてました。

私は地域医療や病気の予防に関わりたいと思っていたため、初めは宮崎県の保健師として入庁しました。庁内では、看護職というより行政職員の一員という立ち位置だったため、病院とは仕事の仕方や雰囲気が全然違うという印象を受けましたね。 

その後、異動をきっかけに「現場で働きたい」と思い、リハビリもできるデイサービスに転職しました。そこでは、リハビリやお風呂・トイレ介助など、ダイレクトに患者さんと接することがすごく楽しかったですね。

デイサービスは定時で上がれる仕事だったため、週に数回ジムのトレーナーとしても働いていました。それでも、給与面が保健所で働いている時と比べると、低くなってしまっている現状がありました。

そのため、もう少し経済面でしっかりと続けられる仕事をしないといけないと思い、精神科に転職しました。介護施設の現場で、不穏になった患者さんの対応で困った経験もあり、精神看護にはもともと興味がありました。

やっぱり男性も多いという職場環境的なものも考えて、転職先に選びましたね。今働いている精神科病院の所属部署は救急病棟で、働き始めて6年くらいになります。

しかし、社会人になる時から定年まで看護師で働くというのは少し違うかなと感じていました副業はずっとやりたいという気持ちはありましたね。気になった講座やセミナーとか見つけて、手当たり次第参加するとか、看護師以外の道もずっと模索してた感じですね。

今の事業を始めたきっかけと内容を教えてください

岩川 信治郎

グリーンコーヒーの起業塾に出会ったんです。

2020年の夏頃、グリーンコーヒーを扱っていた社長さんと出会いました。その事業は、体にいいグリーンコーヒーの販売です。それが、すごく素敵で、やってみたいと思ったことが、今の事業を始めたきっかけです。

初めてイベントに出店をした時は、自分で作ったものを売るという経験が初めてだったので、かなり刺激的でした。今は私が大元の役割で、いろんな方に教えながら卸業をする形をとっています。

キッチンカーも購入し、出店できるイベント数が増えたことで、徐々に売り上げも立ってきました。その他にも、小売はネットショップでの出店と、商品を置いてもらえる店舗をいくつかみつけて委託販売を始めました。そこから認知度が少しずつ広がっていき、徐々にリピートさんがついてくれるようになりました。

また、移動販売のコンサルでは、アルバイトさんに体験しながらやり方を覚えてもらっています。さらに、食品衛生責任者の資格を取って、ある程度慣れた時点で一任しています。

今、これらの事業を始めて4年くらい経ちました。今後、取引先を増やす活動をすれば、この事業を本業にできるなと感じています。結構時間はかかった気がしますが、もう少し頑張れば到達できるところまできたので、もう一踏ん張りだと思ってます。

事業に詰まっている想いを教えてください

岩川 信治郎

看護師として働きながら、新しい業種でも働けることを伝えたいです。

看護師、保健師としてのバックグラウンドがある私が、この事業に取り組み、様々な想いを抱くようになりました。もちろん健康にいいコーヒーを通して心身共に健康になっていただきたいという想いがあります。そこからさらに、お客さんに対して健康的な生活習慣も獲得していただきたいという想いが強くなりました。

また、私自身の経験を通して、医療職としての働き方だけでなく、全然違う業界の仕事も体験してもらいたいと思うようになりました。そこで、職場の同僚を事業の体験に呼んだ時は、自分が初めてやった時のことのように喜んでくれたことを今でも覚えています。

だからこそ、新たな働き方をお伝えしたいです。また、グリーンコーヒーの事業を通して私の繋がりが広がった経験もしました。そのため、この事業のおかげで自分自身がすごく社会的に健康になれたというところもお伝えしていきたいです。

最初の方は「早く看護師を辞めて独立したい」という想いが強かったのですが、今は少し変わってきています。現役の看護師をしながらでも違う事業ができるということを、路頭に迷っている看護師さんにお伝えしたいです。

夜勤中に看護師同士で「他の仕事ないかな」みたいな話になることもあるんです。そのため、自分が背中を見せつつ、いろんな人を巻き込んでいけるような存在になりたいと思っています。その結果、看護師の働き方やQOLを上げるようなWellnessの輪を自分から広げていきたいですね。

今後の展望を教えてください

岩川 信治郎

この事業を通して、さらに活躍の場を増やしていきたいです。

私自身の展望としては、グリーンコーヒーという商品を通して、今行っている活動をどんどん広げたいという想いがあります。また、自分が生まれ育った地元に対して貢献したいという想いも変わりません。

看護師として地元の医療現場を変えていくという感じではないですが、他の形で地元に貢献できる取り組みを考えていきたいです。そして、大切な地元の方々に貢献し続けていけたらと考えています。

また事業の展望としては、小売業から卸業に広げていきたいです。移動販売のコンサルは、私のような方を増やしながら、私自身は卸業の範囲を広げていきたいと考えてます。

まだ、グリーンコーヒーの仕事を一本でするには早いかもしれません。それでも、私と一緒に働いた方には一つのいい生き方、働き方として、良いきっかけを作っていただきたいと思いますね。

臨床から離れる日も、そんなに遠くないうちにとは思っています。それでも、まだ働きながらでないとできないことをやりきってから、辞めようかと考えているところです。

読者に届けたい想いを一言お願いします!

岩川 信治郎

事業を通して、理想の生き方・働き方ができるようになりました。

私の事業のコーヒーは「お湯に溶かして混ぜて作るだけ」という、結構簡単にできるものなんです。誰でも簡易的に取り組むことができる特徴があります。そのため、医療職の方や副業したい方だけではなく、現状なかなか就職ができない、働き方に行き詰まってしまってるような方に対して、一つの働き方として提案したいですね。

例えば手軽にコーヒー屋さんを始めたい、親子で仕事をしたい、障害を持つ方で仕事をしたいなどの方も対象になります。

収入自体は不安定なんですけど、単発で見ると全然いい給料がもらえる時もあります。いろいろ困っている方に対して、新しい業界の仕事を提案していきたいと思っています。

私自身、この事業を通して「グリーンコーヒーの岩川」というみられ方をするようになりました。私のひとつのアイデンティティみたいなものになってきています。私にとって素敵なご縁だと思えるものをたくさんいただいたので、事業をやったことで新しく世界が広がったということも伝えていきたいと思っています。

私も保健師、看護師として働いてきて、もっといい働き方や生き方がないのかと模索してきた人間です。グリーンコーヒー事業を通して、自分の中では理想の働き方、生き方ができるようになってきたと感じています。だからこそ、今回のインタビューを通して、ぜひそれを多くの方々にお届けしたいです!

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