一瞬より一生の美と健康を手にしたければ、環境にこだわれ【神尾健太 / 鍼灸師】

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神尾健太(鍼灸師)

大学でスポーツ科学を学んだ後、専門学校にてあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を取得。パーソナルトレーニングスタジオなどの事業を経て、2025年2月にウェルネス特化型コワーキングスペースを立ち上げる。「一瞬より一生の美と健康を手にしたければ、環境にこだわれ」をコンセプトに、さまざまな活動に取り組んでいる。

記事の見どころ
  • 国家資格を取得する前は、ナショナルアスレチックトレーナーを目指していた!
  • 一瞬より一生の健康をコンセプトに、さまざまな事業を展開している。
  • 2025年2月「ただここにいるだけで理想の美と健康が手に入る新空間」をテーマとしたウェルネス特化型コワーキングスペースをオープン

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を目指したきっかけを教えてください

神尾健太

大学の教授からのアドバイスがきっかけです。

元々はプロのサッカー選手を目指していて、小学生から大学生まではサッカー漬けの毎日を過ごしていました。ただ、やはりプロになるのは容易ではなく「プロをサポートする仕事」を目指すことにしました。大学でスポーツ科学を学んでいましたし、身体に関する仕事をしたかった気持ちがあったので転向を決めた形です。

そして、大学の教授に将来のためにアメリカでナショナルアスレチックトレーナーの資格を取りたいと相談したところ「まずは国内で使える資格を取得した方がいい」とアドバイスを受けました。これが、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を目指したきっかけです。

実際に専門学校で学んでみていかがでしたか?

神尾健太

違和感を抱くようになりました。

専門学校で学んでいく中で、3つの違和感を抱きました。

まず自分は本当にプロ選手のサポートがしたいのかという違和感です。自分が叶えられなかった夢を果たしたプロ選手のサポートをすることは、感情の面から率直にやりたくないと感じていることに気づきました。

また外見だけ着飾って身体作りを怠る人たちに対しても違和感を抱きました。私自身おしゃれするのが好きで、街行く人のファッションを見ています。すると、おしゃれしてるのに姿勢が悪かったりだったり太っていたりしていて「なぜファッションにお金をかけるのに、身体にお金をかけないんだろう」と思っていました。

そして、大学でスポーツ科学を学んでから東洋医学を学ぶことになったので、東洋医学が自分にとっては根拠があいまいな手法だと感じてしまったんです。

学生時代にこれらの違和感を抱いたことから、自分は一般の人をより健康的に美しくするための活動がしたい、自分自身が納得できる治療を提供したいと思うようになりました。

神尾健太

いずれは独立したいという思いを抱えながら過ごしていました。

学生の頃から独立したい気持ちがあったので、独立の意向を伝えた上で、最初は接骨院に就職しました。接骨院で経験を積む中でも気持ちは変わらず、結果的に3年弱で独立しました。

現在の事業を教えてください

神尾健太

「一瞬より一生の健康」をテーマに事業を複数展開しています。

スタジオやコワーキングスペースの運営、専門学校での講師、進化論をテーマにしたアパレルブランドの展開、SNS発信など、さまざまな事業を展開しています。今の活動で重要視しているのは「ヘルスケア3.0」と提唱している考え方です。

まずヘルスケア1.0とは、ただもみほぐしをしたり鍼をしたりするだけのアプローチです。接骨院で働いていた時はヘルスケア1.0のアプローチをしていましたが、その場しのぎになっていることに気づきました。その時は患者さまも気持ちがいいと帰宅されるのですが、数日後には身体の状態が戻ってしまいます。

接骨院で働きながらさまざまなセミナーを受講していたのですが、学んでいくうちに呼吸や動作改善をしていくことが大切だと気づきました。

そこで、次に着手したのがヘルスケア2.0です。ヘルスケア2.0は、身体を組織として捉えることで機能改善を目指す取り組みです。2016年には、整体と運動指導を掛け合わせたアプローチを提供するスタジオを開業しました。ただ筋トレやダイエット指導を行うのではなく、入会後に呼吸や姿勢、動作改善に関する座学を受けていただいて知識を提供しています。魚を与えるのではなく釣り方を教えるというやり方です。

今まで自己流でトレーニングをされてきたり別のジムから乗り換えされたりした方が「初めて効果を実感できた」と言っていただけるのが嬉しいです。知識を提供することで、お客様の脳を変えられることが私の強みだと思っています。

神尾健太

正しい知識を提供することで効果が高まることはわかりましたが、一生の美と健康を手に入れるためには、整体と運動指導だけでは足りないと感じるようになりました。

ヘルスケア1.0と2.0を経験して至った考えが「ヘルスケア3.0」です。ヘルスケア3.0は、身体をほぐしたり正しい姿勢を伝えたりするだけではなく、環境にこだわることで長期的に身体を整えるといった考え方です。ヘルスケア3.0を実現するために作ったのが『ただここにいるだけで理想の美と健康が手に入る新空間』がコンセプトのウェルネス特化型コワーキングスペースG.space二子玉川です。

ウェルネス型コワーキングスペースを作ったきっかけや想いについて、くわしく教えてください

神尾健太

健康的になれる環境が必要だと考えました。

これまで2,000名以上の患者さまの身体を見てきた中で、わかったことが2つあります。

1つ目は、多くの人は健康になるための知識や情報を持っていることです。「こうすれば健康的な生活を送ることができる」と多くの方はわかっていますし、もし知らなくても調べればすぐ情報にアクセスできる世の中になっていますよね。

2つ目は、多くの人はわかっていても行動を継続できないということです。食べることや寝ることは人間の欲求に基づいていますが、運動は欲求によるものではありません。なので、運動が継続できないのは普通のことなんです。

世の中はどんどん便利になって、今や身体を動かさなくても楽しく生活できるようになっています。無意識に生活していると不健康へと引き寄せられる、そんな現代社会モデルに問題の根本があると考えています。

そこで、私は環境設計・社会構造を改善することによって、もっと健康を後押ししたいと思うようになりました。ただ、実際のところ職場や家の環境を変えることは困難なので、まずは不健康な要素を一切無くすコワーキングスペースを作ることにしました。

神尾健太

コワーキングスペースは科学的根拠に基づいて設計しました!

コワーキングスペースに採用している椅子は、全て正しい姿勢に導く椅子にしています。また、20席あるデスクのうち、6席はスタンディングデスクになっています。このスタンディングデスクも、科学的根拠に基づいて設計されており身体に対して理想的なものです。

また座りっぱなしを防止するため、コワーキングスペース内にあるスクリーンには60分毎にエクササイズ動画が流れるようにしています。フリードリンクに砂糖は置いていないですし、健康的な食品も用意してます。デスクの目と鼻の先には、マッサージやトレーニングのための個室を用意していて、私のトレーニングも受けていただけます

コワーキングスペース内に運動できる環境を整えることで、運動のハードルを少しでも下げたいと考えました。

「ただここにいるだけで理想の美と健康が手に入る新空間」をコンセプトにしているので、運動した方がいいとわかっているけど続けられないという方にこそ、ぜひ使っていただきたいです。

活動を通して社会にどんな影響を与えたいですか?

神尾健太

ヘルスケア業界全体の常識と、美と健康を望むすべての人の意識を変えたいです!

健康と美しさを望む方が正しい方法に辿り着けるよう、業界の常識を変革したいです。接骨院での施術やマッサージも、もちろん大切だと思います。例えば、直近で大事な会議や結婚式があるから身体を整えたいという方には向いていますよね。

しかし、一生の健康や美しさを望んでいる方には、正しい身体の作り方や意識を浸透させていきたいです。目先の快楽や楽さに囚われてしまうのは仕方ないことなので、自分の意思の弱さを責めるのではなく、環境を整えることで健康的な選択ができるようにしていきたいと思っています。

もし私と同じ思いを持っているヘルスケア業界の方がいたら、ぜひコラボレーションして業界の常識を変革しましょう!

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