「治せる」治療家を増やしたい【岬寛道 / 柔道整復師】

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岬寛道(柔道整復師)

自身の痛みをとってくれた祖父の姿をみて整体師への道を志す。学生時代から開業を夢とし、臨床にて経験を積んだのち、晴れて開業。治療院を4店舗経営しつつ、教育にも力を入れ「治せる治療家」の育成にも注力している。

記事の見どころ
  • きっかけは祖父の整体。かっこよかったですよ。
  • 「10年後には独立する」その夢を追いかけて。
  • 本質的に「治せる」治療家を増やしたい!

医療職を目指したきっかけを教えてください。

岬寛道

祖父の存在があったからです。

小学生の時から体の痛みがありました。病院で検査もしましたが、原因がわからず悩んでいました。そんな時、副業で整体をしていた祖父に診てもらうと良くなったんです。体の痛みを取ってくれた姿がはとてもかっこよく見えました。

祖父は水産加工の会社を経営していて、まさか整体をしていたとは全く知らなかったです。柔道7段所有者だったのですが、当時は柔道をルーツとして整体をしている方が多かったと聞きます。

私の体を治してくれて感激したのと同時に、自分も同じような道を歩みたいと感じるようになったことがきっかけで、柔道整復師を目指し、あとから鍼灸師の資格も取得しました。

鍼灸師を取得した理由は、内臓調整の方法が分からなかったからです。鍼灸師の資格を持つことで内臓系にもアプローチでき、体を良くしていく可能性を広げられると考えました。

私が施術をするだけでなく「体を治す」ことを大切にしているのは、祖父の存在があったからだと思います。

これまでのキャリアについて教えてください。

岬寛道

臨床経験を積み、学生時代からの夢だった独立ができました!

18歳で専門学校に入学し「10年後に独立する」ことを決めていました。専門学校を卒業してからは、さまざまな整骨院を転々とし、21歳で院長を任せていただいたこともあります。

2015年には、晴れて「みさき鍼灸整骨院」を開業できました。最初は保険と自費の混合診療をしていましたが、半年ほどで自分は保険診療には向いていないと気付きました。

そこで自費のみで運営していくことに決めたのですが、保険診療を辞めたとたん一切お客さまが来なくなりました。自費のみにしたことによる風評被害を受けて「あそこは詐欺みたいなことをやっているから」と、うわさされていたようです。

正直心は折れていましたが、結果を出すしかないと思い、日々の臨床に真摯に取り組み続けました。

そんな中でも来ていただいたお客さまが満足するような結果を出し続けていくと、少しずつ信頼を回復でき、お客さまが戻ってきました。いつか自分のスキルが誰かに届くことを信じて走り続けたことが、今につながっているように感じます。

現在の事業について教えてください。

岬寛道

当初は事業を拡大するつもりはなかったのですが、今では4店舗を経営しています。

現在は治療院4店舗の経営と美容クリニック内での整体をしています。

1店舗目を運営している時は整体師として食べていけたら良いと思っていたため、多店舗展開には考えていませんでした。しかし、6年目になったタイミングで時間に余裕ができ「他の方でも自分と同じように人を助けられるようになれば、もっと社会はよくなる」と考えるようになりました。

そこで2店舗目を展開し、3店舗目を2023年に、4店舗目を2025年にオープンでき、順調に拡大することができています。今後も一緒に働きたいと感じる人間性を持っている方、同じ方向を向いて共に進んでいける方と出会えた時はより事業を大きくしていくつもりです。

私の治療院はたくさんのスタッフに支えられて成り立っています。常日頃から感謝をしていると同時に、スタッフの教育にもより力を入れていかなければと感じます。

活動に詰まる想いを教えてください。

岬寛道

患者さまに諦めてほしくないです!

SNS発信をしていると、高額な回数券を買わされたなどの悲痛なDMをいただきます。最近は、ビジネス色が強い整体をされている方が多いようですが、整体の社会的な地位を上げていくためにもビジネス的な要素は最小限に抑えていきたいと思っています。

整体業界の今後の課題となるのは「質の担保」です。治療家は職人だと思っているので結果を出すことが大事ですし、僕自身が整体を永く続けていくためにも、本物であり続ける必要があると感じています。

また患者さまが整体についてのよしあしを判断ができるように、情報を届ける必要があるとも思っています。僕のSNS発信がその一つになるとうれしいです。

岬寛道

「ありがとう」と言っていただけることは大切な原動力になっています。

私自身、小さい頃から痛みに悩まされていて東洋医学に救われた経験があります。

同じように痛みに悩んでいる患者さまには、諦めてほしくありません。患者さまの心に寄り添い治療を続けていくことが使命だと思っています。

社会に対してどのような影響を与えたいですか?

岬寛道

予防医学の重要性を広めたいです。

整体事業は参入障壁が低いので、整体の質を担保することが大切だと感じています。

全国には整体に従事している方がたくさんいるので、私の手技や「ちゃんと治せる治療」に対する想いを伝えていこうと思っています。患者さまに寄り添い、しっかり体の不調を治せる治療家の教育・育成することに力を入れていきたいです。

また予防医学を広めていくことも大切だと思っています。日本では予防医学についての認知がまだまだ不足していて、身体を壊してから初めて治療にいく文化が根付いています。

予防医療を広めていくことで、医療費の削減、何よりも一人ひとりの健康意識の向上にもつながると思います。

今後は予防医療についてのSNS発信も強化し、少しでも多くの人が健康を意識して生活できるようになってくれたらうれしいです。

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