自分の心と体を守る術を身につける大切さを伝えたい。【山本理恵 / 看護師】

取材日:2022年2月8日

山本 理恵(やまもと りえ)

看護師の資格をもちながら
「メディカル呼吸™️」というメソッドを作り活躍中。
現在はアドバイザー育成に力を入れ活動されている。
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こんにちは、hospass運営局です!医療系情報メディア【hospass media】では「病院はパスする時代」というスローガンを掲げ、日常お役立ち情報や病院の外でも活躍している医療職の取材記事を発信しております!どうぞご覧ください!

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看護師の資格を持ちつつ、現在は「メディカル呼吸™️」というメソッドを作り、活動されている山本理恵さんを取材させていただきました。

記事の見どころ
  • 医療職を目指した経緯
  • キャリアや復帰のきっかけ
  • 現在の事業にたどり着いた経緯
  • 事業の内容と詰まっている想い、今後の展望

医療職になろうと思ったきっかけは何でしたか?

母を安心させるために看護師を選びました

本当は舞台女優になりたかったんです。バイトしながら劇団に行ったりもしていたのですが、高校3年生の時に母から「あんた何夢みたいなことを言ってるの!絶対手に職はつけておきなさい!」と言われて。

中学3年生の時に両親が離婚をして、母が昼も夜も働いて兄と私を学校に行かせてくれていたんです。反発心も少しありましたが、苦労する母の姿を見ていたため、母を安心させるために看護師という道を選びました。国家試験合格後に、自分の好きなことをしようと思って。

ただ、私は商業高校に通っていたので、普通科で学ぶ以上に、看護学校に入るための勉強をやり直したことは大変でした。必死に勉強に打ち込めた1番の理由は、離婚した母を安心させたいという想いからでした。この家庭環境があったからこそ看護師を選んだと思います

看護師として働き始めた頃の経験を教えてください!

集中治療室に配属となり、小児のケアを行っていました!

看護師国家試験に合格し、母も安心したと思いますし、自分も安心させてあげられたという達成感がありました。

「若いうちに辛い経験も積みたい」と思い、入職後は集中治療室か救急を希望し、集中治療室に配属となりました。小児の担当になって、生まれたての子から小学生まで、心臓の手術後などの患者さんを日々みていました。

目の前で子どもが亡くなっていくことを体験し、あの時こうしていれば、このようにしてたらと。現実を受け止め切れず、色々と引きずっていました。精神的な影響も大きく、高い集中力を必要とする薬量の調整やケアなどで、小さいミスが重なることもあり、鬱になりかけていたと思います。

その後のキャリアや復帰のきっかけは?

7年のブランク後に復帰する際、看護師資格が後押しをしてくれました。

医療センターを辞めたあとは医療とは関係ない仕事をしていました。看護は楽しいし学ぶこともたくさんあり、人と接することも嫌いではないけど、命の重さとか自分の感情の振り幅を認めることが出来なくて、割り切ることも出来なくて、燃え尽き症候群のように心が折れていたんです。

周りの先輩やスタッフを見渡しても、自分の10年後の姿が想像つかなくて。「自分の見えている世界はとても狭いのではないか?」と思い、一旦医療から離れました。周りの人に反対され、母も悲しんでいましたが、自由に動ける今の時期にやりたいことをやりたいと思い動きました。

美容エステサロンや、喫茶店の雇われ店長を経て結婚と出産も経験。子育てが落ち着いた時に、資格があるからまた働こうと思い、地域密着型の病院に入職しました。

復帰したいと思ったのは、社会と接点を持ちたいと思ったのがきっかけです。自分には看護師という強い資格があって、復帰がしやすいというのは本当にありがたかったです。復帰しようと思ったタイミングで、ブランクのある方向けの研修に参加し、感覚を思い出したことも復帰の後押しになったと思います。

今の事業にたどり着いた経緯を教えてください!

自分が子育て時代に辛かった経験患者さんの呼吸が浅いという看護師的視点があったことが今の事業に繋がりました。

夫が転勤族だったこともあり、子育てを始めた時に誰にも頼ることができなかったんです。息抜きが全然出来ず、精神的に辛くて、頑張りすぎて鬱っぽくなってしまったという経験があります。

だからこそ、お母さんが罪悪感を持たずに子どもを連れてきても大丈夫な場所があればいいなと思っていました。子どもを預けてお母さんが習い事などを楽しめたり、リフレッシュできたりする場所。

転機は2013年9月。子どもを自転車に乗せて坂道を登りきり、「どこで息抜きすればいいんだー!」と叫びたくなって空を見上げた時。ママのためのボイストレーニングをやろうと思いついたんです。声を出すことで自分の感情が整理されたり、物事を俯瞰して見れたりして、日常でも感情をコントロールできる。ママのリフレッシュになると感じました!

そのような経緯だったのですね!病院で働いている時にも、何か感じたことはありましたか?

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高齢の患者さんとの関わりの中で、体の不調は呼吸が浅いことに問題があるんじゃないかと気づいたんです。ボイストレーニングを思い出し、酸素飽和度が低い患者さんに腹式呼吸を促すと数値が上がって。他にも呼吸を整えることで姿勢が良くなり、血液循環が良くなることで血圧なども安定させることができると思いました。

私に出来ることを考え、看護師や歌手活動、子育ての辛い経験をヒントに、呼吸を大事にしたオリジナルのボイスレッスンを作ろう!と思いつきました。

ビジネスの知識や経験はありませんでしたが、まず開講してみようと。アメーバブログなどで自己開示をしながらお知らせを続け、7ヵ月後には開講することができました!

事業内容と事業に詰まった想いを聞かせてください!

当たり前にしている呼吸を「心のお守り」にして、自分の心と体を身につけてもらいたい!という想いがあります。

最初はボイストレーニングから始まったのですが、今は呼吸に合わせた体操や腹式呼吸のトレーニング、東洋医学をも取り入れたメソッドをお伝えしています

今、私自身は心療内科と提携して呼吸の教室を開講しています。受講者がアドバイザーを目指せるよう、3ヶ月かけて解剖生理や自律神経、心のケアについての知識などを講義に取り入れ、facebookでの集客の仕方までお伝えしています。

アドバイザーになるとセミナー講師として活動できるため、自分の事業にプラスしてもらうことも可能です。今ではチャペルシンガーやヨガインストラクター、最近では看護師の方も参加してくれるようになりました。

また、精神疾患をお持ちの患者さんが、多量の内服薬により体をボロボロにしてしまう姿を見てきました。患者さんの不安に応えるために医師が薬を出すことも。しかし、呼吸を整え、深くすることで不安や恐怖が和らぎます。自分を守る術として呼吸をうまく活用してもらいたいと思っています。

今後の展望はありますか?

日本全国で大切さを伝えて、ケアをしていく人を増やしたいです。

一緒に影響を与えてくれる人を増やしたいです。今後は書籍の出版を考えているのと、メディカル呼吸™️を福利厚生に取り入れたり、企業さんと提携を組んで広げていけたらなと考えています。

コロナで常識が変わってきた今、自分自身の健康は自分で守ることが大切になってくると思います。呼吸も手段の1つとして考えてもらえたら嬉しいです!

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