障がいを持つ人の個性を理解して、受け入れる環境を作っていきたい【新田恵斗 / 鍼灸あんまマッサージ指圧師】

新田 恵斗(にった けいと)

スポーツトレーナー養成学校を卒業後にリハビリテーションクリニックに就職し、高齢者を対象とした運動指導を行う。社会人2年目に養成学校時代の教師から声を掛けられ、日本車いすラグビー連盟のトレーナー活動を開始。後に、鍼灸あんまマッサージ指圧師の資格を習得。訪問鍼灸の事業経験を経て、新田鍼灸院を開業する。
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こんにちは、hospass運営局です!医療系情報メディア【hospass media】では「病院はパスする時代」というスローガンを掲げ、日常お役立ち情報や病院の外でも活躍している医療職の方々を取材記事を発信させていただいております!

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hospass運営局:鍼灸あんまマッサージ指圧師の資格を持ち、自身の鍼灸院にて治療を行いながら、日本車いすラグビー連盟のトレーナーとしても活躍されている新田さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ

・鍼灸あんまマッサージ指圧師の資格を取得するきっかけ

・自身の鍼灸院にこめられている思い

・活動を通して社会に伝えたいこと

医療職になろうと思ったきっかけを教えてください!

車いすラグビーとの出会いが医療職を目指したきっかけです!

高校卒業後、スポーツトレーナーの専門学校に通う中で車いすラグビーに出会いました。

社会人2年目に、専門学校時代の先生から紹介されて、いきなり車いすラグビー日本代表のトレーナーをすることになったんです。ルールも分からない中で合宿についたりして(笑)。

周りに理学療法士や作業療法士、看護師など医療職しかおらず、ついていくのが大変だと感じたことと、治療をできるようになりたいと思ったのが医療職になろうと決めたきっかけです。

鍼灸を選んだのは、職場の近くに夜間通える養成学校があり、仕事を辞めずに資格をとれる環境が整っていたことが理由の1つです。

社会人と学生の2足のわらじは大変でしたか?

大変でしたが、なによりも充実していました!

社会人になってから学校に通ったし、周りも大人だったので、皆で協力し合って頑張ろうという意識があったんです。

学校は『独立可能な治療家』として活躍できるようにカリキュラムが組まれているところを選びました。難しい所もありましたが、医療職になるのは厳しい道が当たり前と割り切って乗り越えましたね。

臨床実習もあり、生徒同士で針を打ち合ったり、学校の臨床施設で外部の方に技術を実践したりしました。トレーナー活動も行っていたので、学校で学んだことを現場に落とし込む経験ができたのは良かったです。

現在の事業に至るまでの経緯を教えてください

障がいを持つ人が通える場所を作ろう!と思って今の鍼灸院を作りました。

パラアスリートたちが練習できる場所はとにかく少ない!公共のジムやスポーツ施設では「車いすだと何かあったときに対応できないから」と、断られてしまうことが多いんです。トレーニングをするために遠くの施設に行くパラアスリートもいます。

パラアスリートの負担を少しでも減らしたいと思い、鍼灸あんまマッサージ指圧師の資格をとったあとは副業でパラアスリートに向けた訪問鍼灸・パーソナルトレーニングの事業を始めました。

障がいを持つ人を受け入れられる環境は作れるはず。治療やトレーニングができることを活かし、誰でも通える施設を作りたいと思い、資格をとって4年目に独立。パーソナルジムを併設した鍼灸院を開業しました。

障がいを持つ人とのコミュニケーションもとらず、固定概念や先入観だけで受け入れを断ってしまう、そんな悲しい環境を改善するきっかけになればと思っています。

現在の事業に詰まっている思いを教えてください

僕の鍼灸院に通うパラアスリートに世界で活躍してほしいです。

パラアスリートの通う鍼灸院という形でやっているので、通っているパラアスリートに世界で活躍してほしいという思いがあります。

また、アスリートでない方も含めて「再発しない身体づくり」を目指しています。平均寿命と健康寿命の差を小さくできればと思っていて、健康寿命が伸びることで、あらゆる人が健康的に過ごせる世界を作りたいです。

鍼灸は痛くなってから通うだけのものではなく、メンテナンスとしての効果も高いんですよね。いろんな世代の人に来てもらえたらなと思っています。

現在の事業を通して社会にどんな影響を与えたいですか

心のバリアフリーが広まってほしい!

障がいを持つ人に対する社会の理解はまだ圧倒的に足りないです。物理的なバリアフリーはなんとかなっても、心のバリアが問題となることもあります。

みんなにそれぞれ性格があるように、車いすや義足も個性として捉え、心のバリアフリーを感じてほしいなと思います。

障がいを持つ人とのコミュニケーションが足りないから、何をしていいか分からないんだと思います。障がいを持つ人は、その人にとってのヘルプの仕方があり、個性を理解してあげることが大事。僕が発信することで、様々な状況の方を受け入れる環境を作っていきます。

今後の事業の展望を教えてください

鍼灸院を成功させるのが僕の使命だと思っています!

鍼灸師として独立したい人が店を作っても、やり方が分からず結局店を閉めてしまうということは多いです。

まだ自分も成功しているわけではないですが、自身の成功をもって、『店の作り方からどうやって人気を集めるのか』というところまで後輩に伝えたいです。自分の使命だと思っています

また、区の鍼灸師会にも加盟したのでセミナーの手伝い等もしながら、配信や動画編集などの医療職以外のスキルも生かしたいなと。

障がいを持つ人の個性を理解して、受け入れる環境を作り出すために、まずは地域に根付くきっかけを作っていきます。

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