こんにちは、hospass運営局です!医療系情報メディア【hospass media】では「病院はパスする時代」というスローガンを掲げ、日常お役立ち情報や病院の外でも活躍している医療職の方々を取材記事を発信させていただいております!
理学療法士の資格を持ちつつ、かざぐるまグループでヘルスケア事業(訪問看護、シニア住まい事業など)や一般社団法人での海外事業(日本人帰国支援事業)や世代間交流事業など、複数のプロジェクトリーダーとして活動している平田裕也さんを取材させて頂きました!
- 海外事業「日本人帰国支援」について
- 事業や活動に詰まっている想い
- 今後の展望やhospassを通して伝えたいこと
なぜ医療職になろうと思ったのですか?
プロのスポーツ選手と関われる仕事に、憧れを抱いたからです。
私は軟式野球をやっているのですが、中学生の時に閉じているはずの骨が開いてしまう、いわゆる野球肩になってしまったことがあります。病院に治療で通っていた時、私は初めて理学療法士の存在を知りました
また、その当時通っていた病院がプロ野球チームの健康管理も担当しており、病院に色紙や写真が飾ってありました。
仕事でプロのスポーツ選手と関われる機会があることに憧れを抱き、私は理学療法士になりたいと思いました。
現在の企業へ転職を決めた理由を教えてください。
研究室での経験を通し、海外にも通用する勝負をしたいと思ったからです。
病院での臨床研究や、大学院に所属して基礎研究をしていた頃、日本の医療業界の日本語で書かれている論文は、引用されたことが評価となるインパクトファクターがゼロに近いことを知りました。
日本語は世界的に見ても読める人が少なく、必然的に引用されにくいようです。私はどれだけ良い研究をしても、日本語である以上は世界で認められない現実に悔しさを感じ、「世界にも通用できる勝負がしたい」と思うようになりました。
しかし医療機関に所属していては海外を視野に活動できる機会は少ないです。私は弊社が海外事業を始める予定であると聞き、「このチャンスを逃したくない」と転職することにしました。
御社が行っている「日本への帰国支援事業」について詳しく聞かせてください。
望んだ最期を迎えて頂くために、海外在住の日本人の方々が日本へ帰国し、活動的なアダルトライフが送れるよう支援をしています。
私はあるときこんな話を耳にしました。アメリカの介護施設に入居している日本人男性が、重い心臓病でドクターストップにより、日本への帰国が叶わなかったという話です。
私は自分の最期を希望の場所で迎えられない人がいることを初めて知り、衝撃を受けました。
実は海外に住む日本人は、高齢になってからふるさとである日本に帰りたいという思いが強くなることもあるようです。
なぜならアメリカでは介護施設に入ると高額な料金がかかる一方、日本ほど良いサービスが受けられないこともあるからです。また、高齢になり耳が遠くなると英語が聞き取りにくく、自分の体調を英語で伝えることも難しくなってきます。食事の価値観も海外と日本では大きく異なりますよね。
本事業では、国籍などの在留資格や年金などの税務、日本での住居探し、日本での生活サポートなどを総合的に支援しています。海外事業に従事しているメンバーは、看護師や理学療法士などの医療従事者です。医療という枠を超えて、医療職が海外と交わりビジネスを経験する活動を行なっています。
活動に詰まっている想いを教えて下さい。
事業を通して山積する日本の課題を解決したいです。個人としては他者が幸せになるための支援をしたいという想いがあります。
私も住んでいるこの日本は、少子高齢化、人口減少、経済の低迷、シングルペアレントの貧困化など、多くの社会課題に直面しています。
海外事業を経験したことで、私は海外から見た日本を知って感じることができ、自分は「井の中の蛙」状態であることに気づきました。それに、アメリカに住んでいる方々は、人生をサバイブしながら生きており、輝いて逞しく感じたんですよね。
かざぐるまの事業を通して、日本の抱えている社会課題の解決を目指していきたいです。
また、私は母が他界したことをきっかけに、自分自身の「生き様」について考えるようになりました。今では他者が幸せな人生を歩めるような手伝いをすることで、自分の生きた証を残せるのではないかと思っています。
訪問看護やリハビリテーションは、利用者さまが困っていることを解決し幸せになるための手段のひとつにすぎません。方法は様々ですが、「誰かの人生を豊かにする手伝いをしたい」という思いで事業に取り組んでいます。
今後の展望やhospassを通して伝えたいことがあれば教えて下さい。
利用者さま(お客さま)の幸せをサポートし続けたいです。また医療者の皆さんこそ、一度はビジネスに触れてほしいと思います。
2025年問題などの介護における社会課題に対しては、訪問看護事業やシニア住まい事業を拡大していくことで、地域の支えになっていきたいと思っています。
また利用者様の「幸せ」をサポートしていくために、健康や介護以外の困りごとも解決できるよう、保険外のサービスを拡充していきたいです。
さらに、医療職が医療の枠を超えて、活躍できる場を増やしたいと考えています。医療職の中には、病院や医療という世界しか知らない方も多いです。私は他の世界を知り体験することによって、自分自身の価値観が大きく変わる経験をしました。それに日本の医療の素晴らしいところも見えてきたんです。
医療職の中には「ビジネス」というワードを良く思わない人も多いですが、人の困っていることを解決できるのがビジネスです。私たちの周りには沢山のビジネスがあるから、生活を送ることができています。ビジネスの楽しさを実感する人が少しでも増えたらいいなと思います。