幸せと感じる医師を増やしたい【Dr.フク/ 医師】

取材日:2022/6/24

Dr.フク(ドクターフク)

医師である父がクリニック経営をしており、幼少期から医師を目指す。医師免許取得後、病院の激務に対して改革が必要であると実感する。現在は小児科で勤務をしながら、医師働き方改革コミュニティ「HAPPY DOCTOR」を立ち上げ活動をしている。
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こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創出するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

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医師の資格を持ちつつ、現在は病院勤務をしながらHAPPY DOCTORを立ち上げて活動している福永さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 医療の道に進んだきっかけ
  • 医師として勤務をした結果・活動への想い
  • 社会へ与えたい影響について

医療の道に進んだきっかけを教えてください!

医師である父がクリニック経営をしているのを物心ついた頃から見ていて、自然と医師になりたいと思っていました。

強制ではなかったですが、家庭環境の影響で自然と医師を目指していました。家族の話によると、2歳頃から「医師になり、弟を治す」と言っていたようです。

医学の道に関わらず、高校生の頃から環境・難民問題など困っている人を助けたい、貢献したいと思っていました。医学の道に捉われず、広い視野を持てていたように思います。

実際に、医師として勤務をしてどうでしたか?

勤務は激務で、特に当直環境が過酷でした。

勤務時間は過労死ラインで、休みは月に2日あれば良い方でした。疲れている時にミスが連続して起きていたので、当直環境を改善したいと思うように。体調は崩さなかったのですが、メンタルの方が悪くなってしまったのです。

当直室の環境を良くするために、個人事業主として朝日和事業を開始。最初に加湿器や感染対策の眼鏡など、当直関連グッズをオンラインで販売。シャワー室にはシャンプーなどのアメニティーが置かれていなかったので、短時間のシャワーで気分転換ができるように、爽快感があって匂いの良いシャンプーを開発しました。リピーターの確保が今後の課題ですが、使ってくれる人はいいねと言ってくれます。この時初めてビジネスに触れました。

現在の活動を始めたきっかけについて教えてください。

私自身が大変だったことを踏まえ、医師の働き方改革が必要だと考えたからです。

2024年に厚生労働省が主体となって医師の働き方改革が始まります。この機会を生かさないと、日本の医療は良くならないと思います。周りの医師に聞いても2024年を意識してる人は少なく、このままでは無駄になるかもしれないと感じています。

後輩医師には同じ思いをしてほしくないんです。自分を壊してまで働く必要はありません。自分自身を壊していたら持続可能な医療が提供できなくなります。自分も大切にしながら、医療も大切する。テクノロジーはもちろん、周りのサポートが受けられることが非常に大事だと考えたので、日本中の医師を繋ぐコミュニティを目指してHAPPY DOCTORを始めました。

始めはTwitterで有名な先生にDMを送り、紹介してもらう形で徐々に広がってきました。医師はびっくりするくらい閉鎖空間で生きています。なぜだろうと考えると、学生の頃から狭いコミュニティで生きてきたせいかもしれません。医局という社会に属していることで満足するのは勿体ないと思うんです。もっとフランクに友達を作ろうとしても良いと考えています。

HAPPY DOCTORを始めて良い出会いが沢山あったので、出会いを周りの方にも広げていきたいです。

活動への想いを教えてください。

ワークライフバランスを考えた人生を送れる医師が増えてほしいです。

後輩医師達のために働き方改革をスムーズに行い、良い医療体制を作り、ワークライフバランスを考えた人生を送れる医師を増やしたいです。40歳、45歳になった時に、働きすぎて家族と過ごせていないと気づく人が多いんです。この状態を改善するためには、現代の医療体制を変えていかないといけない。

広い視野を持って、価値観の違う人が増えれば医療業界も良くなると思います。医療の質をあげつつ、働きやすい医療界を作りたい。働き方改革を通して日本の素晴らしい医療を後輩医師に繋げていきたいです。

今後、どのようなことが必要になると考えていますか?

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これまで、先輩医師が耐えて支えてくれたから今の良い医療が提供できています。でも、このままだときつい人が増えてきます。みんな頑張っているからといって、激務を受け入れてなんとか耐えしのぐ必要はありません。働き方に悩みつつ、自分だけ弱音を吐くわけにはいかないと激務を受け入れる必要もありません。

一生懸命頑張った結果バーンアウトし、最終的に自ら命を絶つ医師を無くしたいという思いが根底にあります。自分は医師だからと他の医師に相談しにくいと感じる方が多く、医師が相談できる環境が少ないんです。だからこそ匿名で相談したい方も多いと思います。今後はHAPPY DOCTORのコンテンツとして、気軽に相談できる場所を作りたいと考えています。

社会へ与えたい影響について教えてください。

後輩医師のために働きやすい医療環境を整えたいです

医療業界に捉われず広い視野で考えられる医師が増え、働きやすい医療環境を整えたいです。働きやすい医療環境を整えることで、身体もメンタルも元気になり、日本の医療のクオリティは上がっていくと思います。仕事にやりがいを感じ、幸せな医師が増えてほしい。そんな未来の医療を作っていきたいです。

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