自分の心を大切にしながら楽しく働く看護師を増やしたい!【なな / 看護師】

自分の心を大切にしながら楽しく働く看護師を増やしたい!【なな / 看護師】

取材日:2023/6/30

看護師なな

自立して働けるようになりたいと考え、看護師を志す。看護師として就職した病院で過酷な労働状況を経験したことをきっかけに、YouTube配信を始める。看護師が視野を広くもち、自分の心を大切にして働くことができるようにInstagram、TikTok、TwitterなどのSNSで積極的に発信中。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

看護師の資格を持ちつつ、現在はYouTube、Instagram、TikTok、TwitterなどのSNSで発信活動をしているななさんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 活動をはじめたきっかけ
  • 活動に詰まっている想い
  • 社会に与えたい影響

看護師になろうと思ったきっかけを教えてください!

看護師なな

高校生の時、看護師の職場体験に参加したことがきっかけです!

高校生の頃に看護師の職場体験に参加し、やりがいがありそうな仕事だと魅力を感じました。周りに看護師を目指していた学生が多かったこともあり、看護師になることを意識するようになりました。

進路を看護師に決断した一番の理由は、将来お金の心配がなく、女性でも安定したお給料が頂ける仕事だと思ったからです。栄養士やブライダルプランナーも考えましたが、母子家庭で育った影響もあり、一人の女性として自立して働きたいという想いが強く、「安定」を考えて看護師を選びました。

看護師の専門学校に入学して1ヶ月ほどで解剖生理学を学び始めました。私は元々文系で、理系分野に苦手意識があったので、「看護師向いていない!辞めたい!」と感じたこともあります(笑)しかし、努力しそれを乗り越えて看護師になりました。

実際に看護師になってみていかがでしたか?

看護師なな

1年目は「看護師になるんじゃなかった」と感じることがたくさんありました。

就職活動では病院見学や病院体験に行き、積極的に情報収集していたのですが、新卒で就職した病院はいわゆる「ブラック病院」だったんです。たとえば、サービス残業は毎日3時間程度が当たり前、先輩ナースも転職先をずっと探している、辞めるのは順番待ちという状況でした。都会の急性期の外科病棟だったので、患者さまの入退院が多く、看護師不足という実情があったんです。

看護師業界のあるあるで、「最初の病院は3年続けるべき」という考え方があり、私もそのように思っていました。ですが、あまりにも先輩方が辞めたいと言いながら働く姿を見て、頑張って働いても、この環境にいる限り辛い状況は変わらない。それならば、新しい病院で長く勤められるように頑張りたいという考えに変わりました。

転職先に選んだのは、郊外の小規模な回復期病棟です。正直、1年目は「看護師になるんじゃなかった」という思いがありました。しかし、2年目にその病院に転職したことで心にゆとりができ、「看護師になってよかった」と思えるようになりました。

現在の活動と、始めたきっかけを教えてください。

看護師なな

転職をきっかけに、SNSで看護師のリアルについて発信しています。

1年目の病院勤務と転職経験から、フリーランス看護師を志しました。そして、SNSで情報収集をしていくなかで、フリーランスの働き方を知り、私もフリーランスとして働きたい、看護師以外の収入が欲しいという考えが芽生えました。

当時、看護師個人の体験談をSNSで発信している方が少なく、YouTubeにも発信者が見つからなかったんです。そこで、2年目で転職したタイミングでYouTubeで看護師のリアルを発信しようと決意しました。

YouTubeは独学で始め、発信内容も全て自分で考えています。発信を始めると、徐々にコメント欄に、臨床経験が浅くてもすでに転職を考えている方の声が集まってきたんです。自分と同じように悩みを抱える方がたくさんいることを知り、自分の経験が誰かの役に立つんだとやりがいを感じたので継続できましたね。

看護師のルーティン動画を作成したところ、登録者数が伸び、YouTube配信から半年ほど経って、Instagram、TikTok、Twitterも始めました。 YouTubeの収益化まで半年ほどかかりましたが、「看護師以外でも自分の力で収入が得られたこと」が嬉しかったです。3年目以降は派遣看護師として働きながらSNS発信を積極的に行い、現在フリーランスとして働くことができています。

現在の活動に詰まっている想いを教えてください。

看護師なな

看護師の働き方の視野を広げ、自分の心を大切にしてほしいと思っています。

私自身、看護師として病院に就職した際に、「看護師は病院で働かなければいけない」「3年は続けなければならない」と感じていました。それは、周囲の看護師も同じように感じていたと思います。看護師の仕事はハードですし、院外の方と関わる機会も少ないので、自然とどうしても視野が狭くなってしまいがちです。その結果、ハードワークに耐えられず、心を病んでしまう看護師が多いのが現状です。

私は、自分の心を犠牲にしながら働くことに疑問を感じ、「病院で働くことが当たり前」という価値観から視野を広げるように心がけてみました。すると看護師の働き方は、フリーランスやクリニック勤務など様々で、病院で働くよりも自分に合った働き方があることに気づいたんです。

YouTubeで発信を始めた当初は顔を出すことに抵抗があり、マスクをしていたのですが、「一生病棟で働き続けるのは嫌だ!」という想いが強かったので、自然とマスクを外して発信できるようになり、YouTubeで収益を得られるようになりました。心を病みながらではなく、自分を大切にしながら楽しく働こう!ということをSNSの活動を通して広めていきたいです。

活動を通して、社会にどんな影響を与えたいですか?

看護師なな

看護師業界全体がもっと働きやすくなるように、業界の考え方を変えたいです!

1年目のときの私は、周りに相談することもできずに1人で悩み、転職を決意しました。YouTubeの発信に対するコメントを見ると、当時の私と同じように、辛いと思いながら働く看護師がとても多いと感じます。

私の発信をきっかけに、誰にも相談できずに辛い想いを抱えながら働いている看護師たちの視野が広がって欲しいと思います。看護師の仕事に楽しさを感じ、穏やかな気持ちで働くことができる看護師を増やしたいです!

今後は、看護師がより幸福で自分らしく働ける社会をつくるために、悩んでいる看護師が具体的な行動に移せるようなWebサイトを構築中です。試行錯誤しながら看護界をより良いものに変えていきたいです。

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