美容看護師のロールモデルとなり、社会的価値を向上させたい!【藤尾 有紀 / 看護師】

美容看護師のロールモデルとなり、社会的価値を向上させたい!【藤尾有紀 / 看護師】

取材日:2023/6/14

藤尾 有紀(ふじお ゆき)

幼い頃から美容が好きで、美容看護師を目指して看護学校へ入学。大手美容クリニックへ就職し、その後は美容皮膚科クリニックの立ち上げやフリーランスを経験。
現在は美容皮膚科クリニックを経営し、日本の美容皮膚科レベルの向上や女性の
働きやすさを追求しながら活動している。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

看護師の資格を持ち、現在は美容皮膚科クリニックを経営されている藤尾さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 医療の道に進んだに進んだきっかけ
  • 現在行っている事業と始めるまでの経緯
  • 事業に詰まっている想い
  • ・者へ伝えたいこと、社会にどんな影響を与えたいか

医療の道に進んだきっかけを教えてください!

藤尾 有紀

医療の道に進んだきっかけを教えてください!

きっかけは美容が好きというシンプルな理由でした。振り返ってみると、幼い頃から美容が好きな女の子で小学生の頃からメイクをするなど、美容への関心はかなり強かったです。母や姉が美容好きだったので、その影響もかなり大きかったと思います。看護学校に入学を決めたのも、「美容看護師になりたい!」という想いを実現するためでした。

看護学校を卒業後は、大手の美容クリニックへ就職しました。当時は美容医療が普及しておらず、マイナーな業界だったため、就職活動ではかなり苦労したのを今でも鮮明に覚えています。美容クリニックの数が少なく、美容看護師という職業があまり認知されていなかったんですよね。

現在行なっている事業と始めるまでの経緯を教えてください!

藤尾 有紀

自分の想いを形にするために、美容皮膚科クリニックを開院しました!

現在、LIAN clinicという美容皮膚科クリニックを経営しています。クリニックを開院したきっかけは、個人の力には限界があると感じたことでした。美容看護師を10年間続ける中で、「価値ある技術の提供には個別性が重要だ」と声を上げ続けてきましたが、いちスタッフの発信は相手にしてもらえなかったんです。本当に悔しかったです。

一例として、ハイフや高周波などの機械施術があり、多くのクリニックでマニュアル化されているため、患者さま自身もどこで受けても施術効果は一緒だと思っています。しかし、実際は施術方法やアセスメントなど、施術者の技術に大きく依存する施術なんです。結果の出る価値ある技術を提供するために、この考えを形にして世の中に証明したいと思いました。

患者さまが十分に効果を感じられる確かな技術を提供するために、「このままではいけない。開業するしかない!」とLIAN clinicの開院を決意しました。クリニック開業は私のキャリアの分岐点となりましたね。私の大切にしてきた想いが、LIAN clinicの理念に詰まっています。

事業に詰まっている想いを教えてください!

藤尾 有紀

正しい技術を提供し、日本の美容皮膚科のレベルを世界基準に持っていきたいです!

私は、日本の美容皮膚科クリニックに世界から人が訪れるという理想を描いています。そのために、人材育成やクリニックの運営体制を変えていくなど、美容皮膚科の常識を変えていく必要があります。

日本の美容皮膚科は医師ありきの体制が主流です。看護師は医師の指示やマニュアル通りに動くことを求められるため、看護師の裁量が少なく、主体性が欠けやすい傾向にあります。その結果、施術の質が担保されずに患者さまが効果を実感できないという問題や施術に伴うトラブルが多発しているんです。

アメリカでは看護師の開業が可能で、施術における看護師の裁量も大きいんです。看護師が自らアセスメントするため、根拠を持って個別性のある施術ができる人材が揃っています。このギャップを埋めるために、日本の美容看護師の教育が必要だと考えています。美容看護師の知識や技術を確立し、根拠を持って施術できる集団を作り上げたい。そう考えています。

LIAN clinicでは各職種の意見を大切にし、擦り合わせを徹底しています。医師と看護師双方の見解を施術へ反映することで、患者さまに最適な施術が提供できると確信しています。

クリニックの経営において大切にしていることを教えてください!

藤尾 有紀

女性が働きやすい職場環境を作ることです。

美容看護師は女性の多い職場です。しかし、美容クリニックは営業時間が遅い場合が多く、ライフスタイル的に出産後の復帰が難しいのが現状なんです。

私自身が出産・子育てを経験したことや、一緒に働くメンバーの立場を考えたときに、美容看護師の働き方を絶対に変えていかなければいけないと強く感じました。

そこで、LIAN clinicでは営業時間を9時から18時と短くしました。また出産後も復帰できるように、ママさんの時短の正社員雇用を積極的に行っています。

現在もなお、女性のワークライフバランスの実現とキャリアを積み上げられる環境を追求しているんです。わたし自身も子育てと経営を両立していますが、雇用されていた時よりも負担の少ないライフスタイルを獲得できています。

今後の展望を教えてください!

藤尾 有紀

自分の想いを発信し続けることで、美容看護師のロールモデルになっていきたいです!

私の活動や発信の根底には、「主体性を持って熱心に活動できる美容看護師を増やしたい!」という想いがあります。そして主体性を持って働くためには、まず知識や技術の習得が必要不可欠です。

最近は、クリニックの経営に加えて講演会やウェビナーへの登壇など、美容看護師の教育に力を入れています。過去にアートメイクナースの講師も務めていたので、教育事業に本腰を入れた形ですね。今後は本の出版やメディアへの出演なども積極的に挑戦していきたいと思っています。自分の考えや想いをより多くの方へ届けるために、活動の幅をもっと広げていくつもりです。
私自身、現在に至るまで本当に多くの方に支えられてきました。だからこそ、今度は私が恩返しをしていく番です。最終的には「藤尾さんと関わって良かった!」と思ってもらえる人になっていきたいですし、自分の活動に刺激を受けて「美容看護師になりたい!」とアクティブに行動してくれる方が増えてくれたら嬉しいです。

読者へ伝えたいこと、社会にどんな影響を与えたいか教えてください!

藤尾 有紀

美容看護師の社会的な価値を上げることで、看護師歴として認定されるようにしたいです。

おそらく多くの方が、看護師は病気の治療過程に関わる職業と認識していると思います。また、美容クリニックで働く看護師はキラキラした仕事で、一般的な看護師とは違う職業というイメージが浸透しています。そのような背景から、美容分野での経験は、看護師歴と認定されない風潮があるんです。私はそれを変えていきたい。

実は、美容看護師は患者さまの外見のケアをしながら、内面である心のケアもしています。私は学生時代に、うつ病の発症率とニキビの数は比例するという論文を書きました。自分の外見が周囲からどのように評価されているのか、ボディイメージが心に与える影響はかなり大きく、社会生活にも顕著に表れていくんです。
看護師の仕事の一つに、患者さまの生活の質を高める役割があります。美容看護師は、施術を通して患者さまの生活の質の向上にアプローチしています。つまり、手段こそ違いますが、美容看護は看護そのものなんです。いつか美容分野の経験が、看護師歴と認定されるように活動を続けていきます。

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