子どもが主軸の医療社会を実現したい!【村田 友梨 / 看護師】

子どもが主軸の医療社会を実現したい!【村田 友梨 / 看護師】

取材日:2023/6/5

村田 友梨(むらた ゆり) 

看護師として働きつつSNS発信、妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント事業を開始。現在はクリニック看護師として働く傍ら、絵本製作、複数のクリニック事務長として
子ども・保護者・医療者の3者をサポートしている。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

看護師の資格を持ちつつ、現在はSNS発信やクリニック事務長として活動している村田さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 看護師になろうと思ったきっかけ
  • 現在の活動内容
  • 社会へ与えたい影響

看護師になろうと思ったきっかけを教えてください!

村田 友梨

幼少期のトラウマから、看護師を目指すようになりました。

母が看護師だったことに加え、3歳から喘息で入退院を繰り返していた影響で、病院や看護師は身近な存在だったんです。入院してもすぐに友達ができるので、入院生活は辛いというより楽しかった印象があります。点滴や注射にも慣れっこで、むしろ好きなくらいでした。

あるとき、注射は座ってやりたいと伝えても信じてもらえず、押さえつけられて注射をされたことがあり、それがトラウマになりました。「何で言っていることを信じてもらえないんだろう?」と子どもながらに憤りを感じて、ちゃんと子どもの気持ちを大事にした看護師になりたいと思ったんです。

高校生になって改めて進路を考えたとき、看護師か理学療法士、体育系で悩みました。運動が好きで、運動するなら現役の体力が必要と考え、大学は体育大学を選びました。しかし、在学中に将来のことを考えたとき、自立した女性になりたい、手に職をつけたいと思い看護師への夢を思い出したんです。大学卒業後に専門学校へ入学し、資格を取って看護師になりました。

現在の活動を始めるまでの経緯を教えてください。

村田 友梨

病院勤務しながらSNS発信を開始し、現在はクリニック看護師やクリニック事務長として働いています。

看護師免許取得後は都内の呼吸器循環器内科病棟に勤務しました。結婚・出産を経て約4年ほど勤務したあと、自宅近くの3次救急の病院へ転職し、小児科・NICU/GCUに勤務しました。

その傍ら、SNS発信や妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント事業を開始したんです。睡眠コンサルタントは、自分の子どもの夜泣きがひどく、寝かしつけも大変だったので改善するための知識をつけたくて勉強しました。気になったことはとことん調べる性格で。そこでの学びを自分の子どもに実践すると本当に効果があったので、私と同じように困っている方に広めたいと思ったんです。

そして子どもが小学生になり、家で「いってらっしゃい」「おかえり」を言える生活スタイルにしたいと思い、病院勤務を辞めました。個人事業主として活動を始め、現在はクリニック看護師をしつつ、絵本製作、複数のクリニック事務長として子ども・保護者・医療者の3者をサポートしています。

現在の活動内容を教えてください。

村田 友梨

子ども自身が選択・納得・信頼できる医療を全国で受けられる社会を当たり前にするために活動しています。

子どもに対しては処置内容がわかり、自分の想いを大切にできる絵本を製作し、保護者の方に対しては子どもの病気や症状、家での接し方などについてのセミナーやSNS発信、医療者に対しては子どもの想い・保護者の想いを引き出す声のかけ方、姿勢、気配り、人間関係構築のノウハウの研修、コンサルティングを行い、子ども・保護者・医療者の3者をサポートしています。

2022年ごろに子どもに対してできることは何だろうと考えたときに、検査や処置、病気を説明するための絵本があれば良いのではと思ったんです。

実際に小児科では、プレパレーションと言って子どもの発達に合わせて処置や検査内容を説明することがあります。現場で働いていたとき、資料が少なく個別性がありすぎてどれが良いのかわからないという経験がありました。それがきっかけで、医療者だけでなく、保護者や近くにいる大人でもプレパレーションが身近にできるツールがあったらいいのにと思って、自分で作ることにしたんです。

このように、3者がお互いの想いや優先順位を大切にできれば、選択・納得・信頼できる医療を実現できると思います。

現在の活動を始めたきっかけはなんですか?

村田 友梨

自分のやりたいことに向き合った結果、現在の活動に辿り着きました。

睡眠コンサルタントの集客のためにSNSを始めましたが、睡眠のノウハウより子どもの病気や症状について発信するほうが楽しかったんです。自分はなにがしたいんだろうと改めて考えたときに、自分の意見を聞いてもらえなかったというトラウマを思い出し、子ども主体の医療を進めたいと考えました。

そのためには保護者と医療者の協力が必要です。子どもの意見を大切にした関わりがしたい。子ども・保護者・医療者の3者をサポートする事業がしたい。どうしたら良いか悩んでいたところ、複数のクリニックの事務長をやっている方に出会いました。そのときに、事務は医療現場を裏から支える大切な仕事で、医療者をサポートできると考えました。

私の現在の活動は絵本で子どもを、SNSで保護者を、事務長として医療者をサポートしています。そもそも看護師は、患者さまと医療者の間に立つ仕事なので、事務長としても働くことで自分のできる幅が広がり、やりがいを感じています。

活動を通して社会へ与えたい影響はありますか?

村田 友梨

子ども・保護者・医療者の想いを大切にした医療社会にしていきたいです!

子ども・保護者・医療者が「子どもの心と向き合い、何を想い、何を選択するか、対話を大切にした関わりをすることで子どもの声にならない声を引き出し、怖い!不安!痛い!嘘つき!の気持ちにすれ違いをなくすことで未来をカタチ作っていく」ことをミッションに掲げています。

子どもたちはもちろん、医療者や保護者の方も、自分の人生を大切に生きていける未来につなげたいと思っています。そんなクリニックや病院を増やし、3者の想いを大切にした医療社会にしていきたいです。

この記事を読んでくださった方には、「やりたいことをやっちゃえ!」と伝えたいです。思い立ったら行動あるのみ。看護師としての働き方はいくらでもありますし、看護師だからといって看護師として働かなくても良いんです。人の働き方は無限大。ぜひやりたいことに挑戦してください。

また、絵本の活動として、クラウドファンディングを通して全国2万件の病院へ届けるプロジェクトを行なっています。コロとカラのびょういんえほんは、対話形式で子どもの声にならない声を引き出し、子ども・保護者・医療者が、安心・納得して検査・処置が受けられる絵本です。

子どもの心と向き合い、何を感じ、何を思い、何を選択するか。一つひとつの対話を重ねることが、子どもの未来を形づくっていく。この絵本を2万件の病院へ届けたいです。詳しくはインスタアカウント@shouni.ns.yuriにて随時更新していますので、ぜひご覧ください。

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