取材日:2023/7/20
こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。
看護師・保健師の資格を持ち、現在はママさん達に向けたセミナー開催やキャリア相談、SNS発信を行なっている古谷さんを取材させて頂きました!
- 医療の道に進んだきっかけ
- 現在の活動に込める想い
- 今後の活動について
医療の道に進んだきっかけを教えてください!
もともと人の心や人生に興味があり、看護師になりました!
学生時代から心理学に興味があり、看護学部に入学しました。最初は臨床心理士になりたかったのですが、当時は就職氷河期で就職できるかわからなかったんです。
進路を考えるなかで、心理士よりも一番患者さまの側にいて寄り添えるのは看護師だということに気づきました。大学のカリキュラム内にも養護教諭や臨床心理学があったので、看護学部に入学することで、今後の人生の選択肢が広がると考えたのも理由の一つです。
産業保健師になりたいと思ったのは、大学時代に工場で勤務している保健師の講義があり、面白そうだなと思ったのがきっかけです。保健師が従業員のライフスタイルに合わせて、健康をサポートするために働いていることに興味を持ちました。しかし当時は未経験で産業保健師になるのは難しく、臨床経験を積むために看護師になりました。
学んだことを看護師として活かせることにやりがいもありましたが、患者さまを見てなぜこんなに悪くなるまで放置していたんだろう。もっと早い段階で介入できていたらここまでひどくならなかったのではないかという想いがあったんです。そういった経験を通して、病気になる前の人に関わりたい、保健師として産業保健に携わりたいという気持ちが強くなり、専業主婦を経て産業保健師になりました。
現在の事業を始めようと思ったきっかけを教えてください!
夫の病気がきっかけで働き方を考えるようになったのがきっかけです!
独立は全く考えていませんでしたが、「夫が脳神経系の大病を患ったことがきっかけで働き方を考えるようになったんです。当時はパートで働いていたのですが、何かあったときにパートでは家族を支えることができないと考え、勤める以外の働き方を探していました。
その当時、ちょうど子育てに悩んでいたので、子育て講座に参加して、講座の先生が自身で主催していて、個人事業主という働き方があることを知りました。子育て講座で働き方についても教えてもらい、「独立できるかわからないけど学んでみよう」と思い、起業について学ぶことにしたんです。
その学びを活かしてセミナーという形で実践してみたところ、興味を持つ方が来てくれたので、とても可能性を感じましたね。保健師資格を持っていたことが心の支えになっていて、もし失敗したらまた産業保健師に戻ろうという想いで、思い切って挑戦できたというのが大きかったです。。
専門職のママさんのキャリア支援を始めたきっかけは、私が実際に起業してのべ5000人以上のママさんたちと関わるなかで、キャリアの相談が多かったからです。また、専業主婦から再就職の困難さや、起業してから家庭と仕事のバランスに悩んだことをきっかけに、産業保健を通して働きやすい社会の実現に寄与したいと考えるようになりました。
事業に詰まっている想いについて教えてください!
自分らしいキャリアを築けるような社会を作りたいです!
現在、産業保健関係の行政機関での登録保健師、新人研修のファシリテーター、セミナー講師、個人向けキャリア相談、SNSで発信業を行なっています。Instagramのフォロワー数1万人、Voicyリスナー3500人、セミナー受講生はのべ5000人、企業でのセミナー登壇多数。台湾・淡江大学にてキャリアデザイン講義を担当したこともあります。
女性は出産、子育て、更年期や介護など、ライフステージや健康状態によってキャリアについて多くの悩みや課題を感じることが多いんです。
様々な講座を通して、ママ達だけでは頑張り切れない部分があることに気づきました。パートナーの協力も必要であり、「私が産業保健師になって会社自体が変わるように働きかければ、その結果家族全体を助けることができる」と思い、現在は産業保健師としても活動しています。
女性だけが頑張るのではなく、パートナーや家族、会社や社会を上手く巻き込みながら、社会の仕組みを変えていきたい。自分らしいキャリアを築けるような社会を作りたいと思っています。
今後の目標・展望を教えてください!
女性が働きやすい社会を作ることで、誰もが働きやすい社会を実現させたいです!
今後は女性のキャリアをより幅広くエンパワーメントしていきたいです。これは企業勤めのときからずっと変わっていませんが、うまく形にできなかったんです。産業保健師として、女性社員が子育てや仕事、プライベートの両立ができるように会社の外から何ができるかを考えていきたいと思っています。
また産業保健に携わるなかで男性社員もジェンダーの悩みを抱えていることに気づきました。女性のエンパワーメントを図ることは、ゆくゆくは男性も生きやすい社会になると思っているので、女性がより生きやすくなるようキャリアに関してサポートしていきたいです。ライフステージによっていろんな働き方を選択できるので、その一つの例として私のような起業やフリーランスとしての働き方を発信して、気づいてもらえることはたくさんあると感じています。
自分がどう関わっていったら社会が良くなるのか、自分と関わった方がどう幸せになれるのかを模索していき、社会全体を変えられるような保健師になりたいです。今後は健康経営、長時間労働対策、女性のキャリアなどを勉強するために大学院に通ったり、資格を取得しながら、社会の仕組みを変えていきたいです。
hospassを通して伝えたいことを教えてください!
キャリアは自由に作れることを伝えたいです!
国家資格があるが故に不自由になることもあります。せっかく資格を取ったから活かさなきゃと考えていたり、看護師になったから看護師以外の職は考えていなかったり。
今はオンラインでできる仕事も増えているので、看護師や保健師の働き方が凄く自由になっています。資格があるからこそ視野が狭くなってしまうことがありますが、資格は自分に制限をかけるものではなく、可能性をより広げてくれるものだと伝えたいです。
資格はチャレンジさせてくれる相棒です。もっと自由にキャリアを作って楽しんでいきましょう。
古谷 しづか(ふるや しづか)
都内大学病院に看護師として勤務したが、子育てのために退職。
その後産業保健師として勤務し、2017年に独立。現在産業保健師として働きながら、
セミナー講師や個人向けキャリア相談、SNSで発信業を行なっている。