看護師が自ら学び続け、楽しく看護ができる環境を創りたい【ちづ / 看護師】

看護師が自ら学び続け、楽しく看護ができる環境を創りたい【ちづ / 看護師】

取材日:2023/8/7

ちづ(看護師) 

看護師として働きつつ、毎日欠かさず行う勉強の記録をInstagramで発信。
自身の新人看護師時代の経験を踏まえて、
「新人看護師でも楽しく看護ができる環境」を創るためにも活動中。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

看護師の資格を持ち、病棟で看護師として勤務をしながら、自身の勉強の記録と新人看護師が楽しく働ける環境を創るためにInstagramで発信しているちづさんを取材させていただきました。

記事の見どころ
  • 現在の活動内容
  • 活動に詰まっている想い
  • 社会へ与えたい影響

医療の道へ進んだきっかけを教えてください!

ちづ

病院のリハビリ助手のパートをはじめたことがきっかけです。

様々な仕事を経験した後、子育てしながら5年ほど近所の病院でリハビリ助手として働いていました。子どもたちが大きくなったので、勤務時間を長くしたい思ったのですが、リハビリ助手では正社員の求人がなかったんです。近所の病院で正社員として働きたいと考え、セカンドキャリアとして看護師になることを決意しました。

そもそもリハビリ助手の仕事は、息子のママ友でリハビリ助手をしていた方から「無資格でもできる仕事がある」と紹介してもらったことをきっかけに始めました。もともと人と接することも好きだったので、自分に向いていたと思います。

ただ、リハビリ助手をしていたときに、何度か患者さんから看護師と間違えられたことがあり、病気に対する質問をされても答えられないもどかしさを感じていました。そんな時に正社員を目指せる状況に家庭環境が変わったのも、看護師を目指したきっかけの一つです。

看護師を目指して専門学校に入学しましたが、看護師の勉強は思っていたより大変でした。現役の学生時代は幼稚園教諭の資格を取るために勉強していて、まさに文系学生だったんです。そのため、解剖生理学のような理系分野の勉強はとても難しかったです。専門学校は40人1クラスだったのですが、セカンドキャリアで看護師を目指す方が多く、半分が社会人経験者でした。私は就職したい病院が決まっていたので、病院から奨学金をもらいながら学んでいました。

現在行っている活動内容を教えてください!

ちづ

毎日の勉強記録と、新人看護師が働きやすい環境を創ることを目指してinstagramで発信しています。

Instagramは、もともと他人の勉強ノートを見るのが好きで見ていたのですが、次第に自分の勉強記録を残そうと考えるようになり、看護学生時代に開設しました。フォロワー数はなかなか伸びていなかったのですが、1枚目の投稿を工夫をしたことで一気にフォロワー数が伸びました。2023年9月現在、フォロワーは5.5万人を超えました。

また看護学生の頃、自分のために実習用の勉強ノートを作って投稿したときに、「代金を払うからノートのコピーが欲しい」という声を頂きました。実際にコピーして渡したのですが、コピーに数時間もかかってしまったんです。この方法では欲しいと思っている方々に届けることができないと感じました。そこで、BASEを通してデータでダウンロードできる形に切り替えました。

看護学生は勉強で悩んでいる人が多く、看護師は人間関係で悩んでいる人が多い印象があります。そのため、勉強について発信をしながら、時折プリセプターさんへのお願いごと、新人看護師への励ましの言葉を発信しています。Instagramのフォロワーさんには看護学生も看護師もいるので、アカウントを通して、フォロワーさんに学びとメンタルの両方からサポートできるようにしています

活動をはじめたきっかけを教えてください。

ちづ

私自身の1年目の経験がきっかけです。

新人看護師でも楽しく働ける環境を創りたいと考えたきっかけは、正直看護師の1年目がとにかく辛かったためです。看護学校を卒業してから近所の病院で5年半働きましたが、リハビリ助手時代に想像していた看護師像とは全く違って別世界でした。業務面でも、メンタル面でも、まさか、大人になってからこんなに辛い思いをするとは思いませんでした。

看護師になってから感じたことは、「やったかやってないか」「言ったか言わないか」「なぜこうしたのか」等を明確にしなければいけない業界だということです。1年目のときはそれがうまく説明できず、すごく厳しく指導されてメンタル的に辛くなる経験をしました。

そんな私が1年目を乗り越えることができた理由は、「勉強とガス抜き」です知識不足で観察・確認しきれていなかったことを徹底的に勉強したら、次第にできることが増えていきました。

メンタル面は、看護師に限らず、同じ年に病院に入職したメンバーでご飯に行ってガス抜きをしていました。やはり、同じような経験をしている人同士で気持ちを共有すると、力になることがたくさんあると思います。

現在の活動に詰まっている想いを教えてください。

ちづ

1年目から楽しく看護ができる業界にしたいです!

新人看護師がしんどくて辛い思いをするのが当たり前の業界を変えたいです。当時の私が感じたしんどさを、今の新人も感じていることが辛いです。今の新人看護師に何を学んだかと聞くと、「世間の理不尽さ」という回答が返ってくるんです。せっかくみんな頑張って勉強して看護師になっているのに、楽しく働けないなんて悲しすぎますよね。

新人の頃から楽しく働いてほしいと思って、私自身も勉強を続けつつ、SNS発信を行っています。新人の方々には働き始めても学び続けることの大切さを知ってほしいと考えています。私自身の経験からも勉強は欠かさずに行う必要があると実感しています。

勉強は、患者さんをケアするためではあるのですが、自分のため、そして自分を守るためでもあると考えています何か1つの看護をするのに、ケアの意味や根拠を知らないで行うことはとても怖いことです。そのため、SNSで項目ごとにまとめノートを発信しているので自分の勉強の参考にしてほしいです。

SNS発信を通して、学びとメンタルの両方からサポートして、新人から楽しく看護ができる業界にしていきたいです。

社会の何に影響を与えたいか教えてください。

ちづ

「看護師業界は精神的に辛い」というイメージを払拭したいです。

新人だからできなくて当たり前、残業して当たり前、怒られて当たり前という風土を変えていきたいです。先輩看護師だって新人の頃に同じ経験をしていることが多いのに「同じ想いをさせたくない」ではなく「私たちの頃はもっときつかった」と言って同じことが繰り返される風土があります。

私自身、もともとセカンドキャリアで看護師になって、社会人の経験があるからこそ、世間の新入社員と比べて看護学生や新人看護師の扱いがあまりにも大切にされていなくて驚きました。ひどい!ありえない!と感じたからこそ、この業界を変えていきたいと考えています。

一方、新人の頃から周りにわからないことを気軽に聞いて、のびのびと楽しく働いている看護師もいます。これが当たり前になって、新人から明るく、「看護って楽しい!」と思えたら、患者さんにも良い影響を与えられると思いますそんな看護師を増やすために、今後も発信活動を続けていきます。

今後については、医療もサービス業の一環にも関わらず、「接遇」にフォーカスが向いている方が少ないと感じています。私は接遇も大切だと感じているので、医療接遇を教えていきたいと考えていますいずれはフォロワーさん達と勉強をしたり、気軽に情報交換をできる場所を作りたいです。

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