「何をするかより誰とするか」のチカラ【岡 清華 / 管理栄養士】

「何をするかより誰とするか」のチカラ【岡 清華 / 管理栄養士】

取材日:2023/9/19

岡 清華(おか さやか)

自身のダイエット経験から栄養学に興味を持ち、管理栄養士を取得するため大学へ進学。
西洋医学的な健康理論・栄養学を学んだことで浮かんだ更なる違和感や疑問から、
東洋医学に興味を持つ。大学卒業後アーユルヴェーダを学び、様々な経験を経て、
現在は『Mother株式会社』を設立し、現代日本にも活用できるアーユルヴェーダを
提案する「日本式アーユルヴェーダ」を広める活動をしている。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

管理栄養士の資格を持ち、「日本式アーユルヴェーダ」を広めている岡さんを取材させていただきました!

記事の見どころ
  • 医療の道に進んだきっかけ
  • 現在の活動内容
  • 社会へ与えたい影響

医療の道に進んだきっかけを教えてください。

岡 清華

自分のダイエット経験がきっかけです。

15-16歳くらいのときに、当時の彼から「ちょっと痩せたら?」と言われてダイエットを始めたのが最初のきっかけです。ダイエットについてたくさん調べ、糖質制限ダイエットや朝晩のランニングなど、インターネットに書いてあったことをとにかくすべて実践しました。

もともとは彼に言われて始めたダイエットでしたが、ダイエット自体に熱中してしまいました。実際に-10kgとダイエットには成功したのですが、生理は止まり、ずっと食事や運動にとらわれ強迫観念にもさいなまれて生活を楽しめなくなってしまったんです。

きっと最初は幸せになりたくて始めたダイエットだったのに、心のコントロールができなくなっていました。そのときに「心・身体・食」のバランスを整えることが必要と感じ、「自分の身体をよりキレイにするにはどうしたらいいのだろうか」と探究心が芽生えました。

また、友達が摂食障害のような状態になり、食事を楽しめずに過食嘔吐などで痩せこけていく姿も見ましたが、私に専門的な知識がなかったので、不健康に痩せていくのを止めることができなかったんです。

加えて、祖母の認知症や祖父の糖尿病などが進んだこともあり、食と病気の関係性についてしっかり勉強して専門的な知識を身につけて、大切な人の役に立ちたいと考え、栄養学を学ぶために大学進学を目指しました。大学受験は、私にとって成功体験を得た出来事の一つでした。大学受験を決めたときは偏差値20台だったのですが、そこからかなり努力して、偏差値70台の方と同じ大学を受けるレベルまで短期間で成長しました。

そのため、「誰よりも努力すればなんだって叶うんだ」という努力から湧き上がる自信と結果に辿り着くためのマインドを身につけることができ、これは後にわたしの人生においての大きな成功体験になりました。この経験は、今事業を行う際の自信にもつながっています。

実際に大学で栄養学を学んでみていかがでしたか?

岡 清華

実際に現実に身体で起きている変化と、理論上で学んでいる栄養学の乖離に疑問を感じました。

大学に入ってからも同級生が適当に授業を受けるなか、私は一番前の席でずっと勉強していました。サークルにも入らず学ぶことに全力でしたが、大学3年生の頃に同級生に誘われたことをきっかけにモデルの仕事を始め、芸能と医療を同時に知ったからこそ生まれた疑問があったんです。

不健康な食事をしている同級生やモデルは痩せているのに、健康的な食事・運動を意識して努力している私は思うように美しくなれなかったんです。次第に食事だけではなく元々の体質も影響するのではないかと、実際に身体で起きている変化と理論上で学んでいる栄養学の乖離を感じ、授業をうけるたびに栄養学への疑問がますます増えていきました。

また同時期に病院実習があり、実際の管理栄養士の姿を見て、自分が望んでいた管理栄養士の役割異なり、「栄養学や食で、人を幸せにしたいと思っていたけどそれだけではできないのではないか?」と感じた時期でもあります。

もっと広く「心」「身体」「体質」について学び、心の底から自分が納得したものを誰かに役立てるために伝えられる食のプロになりたいと思い、行き着いたのが東洋医学のアーユルヴェーダでした。アーユルヴェーダとは、インド・スリランカで生まれた5000年以上の歴史を持つ世界最古の伝統医学のことです。

管理栄養士の国家試験を受けてすぐに、少しでも早くアーユルヴェーダを学ぶために当時学びたい師匠がいたカウアイ島へ行きました。そのときにヨガも同時に学べたので日本に戻ってからは飲食の女将やヨガのインストラクターを経験し、管理栄養士の資格を活かせるヨガに関わる会社へに入社したんです。

そのヨガスタジオに通う方は、芸能関係やアーティスト、経営者など、日本の経済を動かしているような方々がお客様だったので、経済の回り方や世の中の仕組みを知るきっかけにもなりました。

会社を設立していかがでしたか?

岡 清華

「何をやるか」よりも「誰とやるか」が大切だと気づきました。

もともと、誰かを喜ばせたり笑顔にすることが大好きで、アーユルヴェーダを学び、自分自身の人生が大きく良い方向に変化したことに感激しました。「アーユルヴェーダを通して多くの人を健康に幸せにしていきたい」という目標ができ、さまざまな経験をさせていただいた後、独立する際の主軸になりました。

独立して一番の学びは、同じ志を持った方と一緒に仕事をしないと目標は達成できないんだということ。「人を笑顔にしたい」という志を掲げ、私が1人でお客様のためにという熱量で伝えても、どうしても独りよがりになってしまいやすいんです。ずっと一匹狼でいいと思っていたのですが、次第に理解し合える仲間が必要だと気がつきました。

しかし既存の知人には同じような志をもつ仲間はおらず、落胆の日々。それでもひたむきに講演会を続けていたところ、今の創業メンバーから私を手伝いたいと声をかけていただきました。

それをきっかけに、同じように世の中に対する疑問を持っている方を集めるためにMOTHERというブランドを開業し、2020年には『Mother株式会社』を設立させていただく運びとなりました。当時大学生だったメンバーも加わり、3人でブランドを確立させ、活動していきました。

そこには、ほかにも沢山の協力をし、支えてくださる皆様がいました。まさにアーユルヴェーダをきびだんごにした桃太郎のような話だなと思います。必要なタイミングで会社にしたことで、大きな組織などとも契約できるようになり活動もますます広がっていきました。

現在は日本式アーユルヴェーダを提唱し、ウェルネス空間のプロデュースや商品開発、イベント、セミナーなど各事業を展開し、アーユルヴェーダを日本でも普及するためにスクール事業にもチカラを注いでいます。

法人化して3年。結局は、手段ではなく、志が合う人たちとだけつながり続けるんだなと実感しています。「何をやるか」よりも「誰とやるか」でこれまでの事業を築き継続することができました。

日本式アーユルヴェーダが産まれたきっかけとそこに込められた想いを教えてください。

岡 清華

コロナ禍で海外との流通が途絶えたことをきっかけに、日本式アーユルヴェーダに舵を切ったんです。

MOTHERというブランドが発足してすぐ、コロナ禍に入ってしまったので、インスタライブで免疫機能を高める方法や、心や身体を安定させるためにはなどといった内容でアーユルヴェーダについて発信しはじめました。

しかし、発信する内容についての食材や道具が、アーユルヴェーダ発祥の地であるインドやスリランカから仕入れられない状況になってしまい、時代や環境が変わったらできなくなる考え自体に疑問を持ち始めました。

そこで、今一度アーユルヴェーダの手段ではなく、根本に掘り下げて、アーユルヴェーダの原質を理解し日本でも持続可能なアーユルヴェーダを実践できる方法を探すために、日本各地に眠る伝統的な手段の中にアーユルヴェーダの考え方が潜んでいないかを研究しました。

全国を駆け巡った結果、日本のものづくりの技術や伝統との出会いに心惹かれ、そこに潜むアーユルヴェーダ的な自然との調和や精神なども含めて届けていきたい、継承していきたいと感じました。

私が伝えたかったアーユルヴェーダの精神は、日本のものづくりの気持ちや伝統文化に精通していると実感し、それらを伝えることで、心の豊かさや心身の安定にもつながると解釈しました食文化にインドのようなスパイスではなくても、日本にも薬味はある。生活習慣としてオイルマッサージはなくても、日本には湯治となる温泉がある。

たとえばそのようにして、日本の風土やそこで培われてきた生活習慣や文化に基づいたアーユルヴェーダを考えていきました。本場スリランカやインドのアーユルヴェーダをそのまま実践するよりも、日本生まれ、日本育ちのわたしには、とても心惹かれ、ワクワクドキドキするものになっていきました。

勿論当初は、批判を受けることもありましたが、私は現代日本でアーユルヴェーダを活用することで多くの幸せを叶えられると信じて伝え続けました。現代社会の課題や小さな生活から大きな人生の困りごとにまで寄り添い、現代の日本に合った形で届けたいという情熱一心で突き抜けようと決心し、続けていくと少しずつ共感の声や、賛同し活動を共にしていただける仲間に巡り合うようになっていきました。

アーユルヴェーダは宗教のように捉えられてしまうほど、古典書に書かれていることは、現代社会においては制限を感じてしまうことが多いのです。そうではなく、現代社会に生きながらもその中で完璧でなくても、よりよい心地よさや幸福を見つけられ、気づける形でアーユルヴェーダを伝えたいと思いました。

アーユルヴェーダや東洋医学に興味はあるものの、難しいと感じていたり、生活に取り入れることに悩まれている方々に我々が提案する日本式アーユルヴェーダを知っていただけたら良いな思っています。

社会に与えたい影響は何ですか?

岡 清華

アーユルヴェーダの知恵を生かして誰かの幸せの役に立ちたいです。

私は食に興味を持ち、管理栄養士になるための学びを進めましたが、学んだ栄養や医療に疑問も感じました。食のプロフェッショナルとして、西洋医学だけでなく東洋医学を含め、多角的な視点で食や健康をホリスティックにみることが常識になったらよいなと感じます。

医療の選択肢の一つとして東洋医学があり、その最古にはアーユルヴェーダがあり、その最古の知恵という選択肢があることを沢山の方に知っていただきたい。そして、自分で自分の、そして大切な家族のお医者さん、かかりつけ医のような存在になれることに喜びを感じていただけるようにInstagramなどで発信を続けています。

また私たちが信頼されるブランドであり続け、革新的な方法で結果を出し続けることにも責任を感じています。自分が国家資格を持っているからこそ、業界の他の国家資格を持つ方々とも手を取り合って進んでいけたらいいなと思います。

今後は、日本でもアーユルヴェーダの本質や学びを体得できるような施設を創ることを目標にしつつ、今の活動を後世につなげる方法も検討し続けています。「もうMOTHERは、岡さんのものだけではなく、みんなのものですよ。

そのくらい人生に欠かせない存在です」などと最近では本当に嬉しいお言葉をいただくこともあり、これからも自己満足で終わらせられないと思っています。これからも周りにいてくださる皆様は勿論のこと、世の中のため、未来ある次世代のため、共感してくださる方々との出会いを大切にし、柔軟に形を変えながら活動を継続していきたいです。

私自身は、MOTHERの由来でもある「Mother earth」「Mother ocean」のように、それぞれの個性を認めそれぞれにとっての幸せのカタチや手段を提案し、永遠の味方のような存在であり続けたい。アーユルヴェーダの知恵を活かして困ったときには助けになり、温かく包み込んでくれるような、誰かにとって母のような存在であり続けたいと思っています。

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