取材日:2024/1/12
こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。
管理栄養士の資格を持ち、現在はフリーランス管理栄養士として活動しているりのさんを取材させていただきました。
- 管理栄養士になろうと思ったきっかけ
- 活動への想い
- hospassを通して伝えたいこと
管理栄養士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
幼少期に病気を経験し、それがきっかけで人の役に立てる仕事をしたいと思ったからです。
幼少期にIgA腎症という病気を患い、制限が多い生活を送ることになり、とてもつらい経験をしました。
もともと、私は学校の先生か保育士といった誰かに何かを伝える仕事をしたかったのですが、医師に立ち仕事は難しいと言われてしまい、諦めざるを得ませんでした。。
それなら、病気という経験をもとに誰かの役に立ちたいと考えたんです。そんなときに管理栄養士という仕事を知りました。
調べてみると、デスクワークが多そうという印象で、これならできそうだと思ったんです。
誰かに何かを伝える仕事をしたいという想いはずっと持っていたので、小学校5年生のときに管理栄養士という仕事を知ったときは天職だと思いましたね。
中学生のときに職場体験で給食センターに行き、そこで管理栄養士と関わる機会がありました。
深い話を聞けて、こんな人になりたい!管理栄養士になりたい!という気持ちはどんどん大きくなっていきました。
IgA腎症を患った当時は、管理栄養士との関わりはありませんでしたが、幼少期は母が食事担当で減塩食を作ってくれていました。
IgA腎症は完治する病気ではないのですが、特に制限なく生活できるまでになりました。ただ、いつ再発するかわからないので、現在も普段の食事をコントロールしながら生活を送っています。
身をもって食事の大切さを実感しているのも、管理栄養士を目指したきっかけの一つですね。
実際に管理栄養士として働いてみていかがでしたか?
私がやりたかったこととリンクしていたので、とてもやりがいがありました。
最初は、保育園の栄養士として働きました。病院で働きたかったのですが、実は管理栄養士の試験に落ちてしまったんです。その翌年、再チャレンジして合格することができました。
初めての勤め先の保育園は、立ち仕事が多く、かつ大量調理がメインでした。食育の機会は月に1回ありましたが、調理がメインだったのであまり子どもたちと関われなかったんです。
その当時も、いつか病院で働きたいという想いはなくなりませんでしたね。
2年後、デイケアも併設している長期療養型の病院に就職しました。
私はデイケアの方の担当になり、まだ入院するほどではないけど生活習慣病を患っている方が多くいらっしゃったんです。
その方々に栄養指導をすることで、食事でも改善できることはあると伝えられたので、とてもやりがいがありました。
また、誰かに何かを伝えるという私のやりたいことともリンクしていて、非常に楽しかったですね。
しかし、その当時夫が福岡に住んでおり、私は北海道に住んでいたんです。
ずっと続けたい気持ちはありましたが、結婚を機に福岡に行くことを決めていたので、やむなく退職しました。
ただ、私自身の生活が落ち着いたら、また就活して病院で働こうと考えてはいました。
現在の事業を始めたきっかけについて教えてください。
コロナ禍の影響で、自宅でできる仕事を探したのがきっかけです。
結婚を機に退職し、そのまま妊娠したので、しばらくは家事と育児に追われていました。
育児が落ち着いたタイミングで就活しようと思ったら、ちょうどコロナ禍になってしまいました。
そのため自宅でできる仕事はなんだろうと考え始めました。
当時脱サラした夫はもともとエンジニアで、パソコンを使った仕事で起業したいと考えていました。私は管理栄養士の資格を生かした仕事をしたいと考えていたので、夫婦二人の強みを生かせるSNS発信に目を向けたんです。
最初はブログを書くことから始めましたが、ずっと独学だったので1年間は無収入でした。
600円ではありましたが、初めて収入が入ってきたときは本当に嬉しかったですね。
Instagramでは、ダイエット投稿から食事・レシピの投稿を行い、当時フォロワーは2000人程度でした。SNSから仕事の話がくることはなく、コメントでのやり取りがメインでした。
それでも投稿を継続し、1年後にはフォロワー数は8000人ほどに増え、商品PRの仕事をいただけるようになったんです。
転機となったのは、2022年5月です。
あるジャンルに特化したほうがフォロワー数が伸びやすいと聞いたので、投稿をスープに絞り、レンジで作れるスープを投稿したらそれがバズったんです。
一気にフォロワー数が8万人を超え、その過程で書籍化のお話をいただきました。
これまでに書籍を2冊執筆し、最初の1冊は増版が決定しました。
現在の事業に詰まっている想いについて教えてください。
少しでも健康に過ごせる時間を長く保ってほしいです。
現在、フリーランス管理栄養士としてSNSでスープレシピの投稿を行なったり、オンライン栄養指導や食事相談に乗ったりしています。
また、月額制メールマガジンの配信や企業商品PR、コラボ商品の販売、企業レシピの考案、レシピ本の販売も行なっています。
2018年からフリーランス管理栄養士として、どうしたら多くの方に健康について伝えられるか、日々試行錯誤しながら活動しています。
多くの方々に食事の大切さを伝えて、少しでも健康に過ごせる時間を長く保ってほしいですね。
誰かのために何かしたいという想いが強いので、「食の大切さが分かりました」という言葉をいただくと本当に励みになります。
ただし、私は医師ではないので病気を治すことはできません。食事で病気を予防、進行を遅らせることしかできないんです。
だからこそ、病気になってからでは遅いことをと伝えたいです。病気になる前から健康について意識してほしいと思っています。
私自身が病気を患った経験があるからこそ、伝えられることや寄り添えることがあると思います。
りのさんが言ってるから聞いてみようかな、チャレンジしてみようかなと思ってもらいたいです。
多くの管理栄養士のなかで選ばれる存在になりたいと思っています。
hospassを通して伝えたいことは何ですか?
食事の大切さを一番伝えたいです。
管理栄養士だからこそ、栄養バランスや食事の取り方について伝えることができます。
しかし、これを食べればいい。というわけではないんです。体質によって違います。
美味しい食べ物で溢れている今だからこそ、自分の体質に合った食事を選択できる力を身につけられるように伝えていきたいです。
最近は食べ過ぎてしまっている方が多いので、何をどのぐらい食べ過ぎてしまっているかに注目することも大切です。
生活習慣病予防につながるように、一人ひとりが自分自身としっかりと向き合い、より健康を身近に感じてほしいと思っています。
食事の大切さを一番伝えたいですね。
ただ現状は一方通行の発信しかできていないので、今後は交流できる環境づくりや、講演会の開催など多くの方と関わりたいです。
リアルで会える機会、オフラインで会える機会をそれぞれつくりたいと考えています。
有料メルマガの配信も行なっているので、メルマガ会員とZOOM会を開催したいと思っています。
そうやって多くの方と関わりながら、食事や健康の大切さについて伝えていきたいです。
りの
管理栄養士として病院に勤務後、結婚を機に退職。コロナ禍で自宅での働き方を模索し、
フリーランス管理栄養士としてSNS発信を開始。現在はSNSでレシピ投稿を行なったり、レシピ本の販売やオンライン栄養指導、食事相談、メルマガ配信を行なったり、
幅広く活動されている。