医師として野球界に貢献したい!【宮崎 直 / 医師】

医師として野球界に貢献したい!【宮崎 直 / 医師】

取材日:2024/1/20

宮崎 直(みやざき なお)

医師として救命救急に従事。現在は医師として勤務しつつ、Instagramで発信中。
さらに日本スポーツ協会公認スポーツドクター取得を目指す傍ら、
医師の立場から野球界に貢献すべく活動している。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

医師の資格を持ち救命救急医として勤務しつつ、現在はInstagramの発信、日本スポーツ協会公認スポーツドクターを取得中の宮崎さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 宮崎さんが医師を目指したきっかけは新潟県中越沖地震
  • 野球一色の学生時代を経て医学部に合格
  • 医師として野球界に貢献したい想い

医師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

宮崎 直

新潟県中越沖地震で災害派遣される医療者をテレビでみたことがきっかけです。

中学生の頃、新潟県中越沖地震が発生しました。テレビで災害医療チームが現地で医療行為を行う姿をみて、「この仕事いいな」と感じたことが医療職を志したきっかけです。

ですが、医師に憧れたもののこの時点で実際になりたいと思ったわけではなかったんです。

小学生で野球を始めて以来、中高と学生時代は野球に没頭していました。

甲子園に行きたいという想いから選んだ高校は、学力も県内トップクラスではありましたが、勉強は補習にならないレベルで取り組んでいました。

そんななかで医師を志したのは、高校時代の野球部の監督の言葉がきっかけです。

高校2年生で進路選択の際、災害医療チームのことが頭によぎりましたが、野球部の監督や工業系の職種などさまざまな道で迷いました。

当時の野球部監督に相談したところ、「お前は医者になれ」と言っていただき、憧れだった医師を目指すことに決めたんです。

進路を決めて野球部を引退してからは、朝から晩まで勉強漬けでした。やるしかないと無心で勉強し、2年間の予備校生活を経て医学部に合格しました。

実は、大学でも準硬式野球部に入ることを決めていたので、医学部リーグで良い結果を出している大学を選んで受験していました。ここでも野球が軸になっていましたね。

医学部生、医師になってからはいかがでしたか?

宮崎 直

高校野球のほうがきつかったので、挫折することはなかったです!

大学時代で一番の思い出も、やはり野球です。予定どおり準硬式野球部に所属しました。

医学部生のなかで、中高と野球の強豪校でプレーをしている方は少ないのですが、たまたま私の学年は野球経験者が多かったです。

その結果、医学部リーグだけでなく、医学部の垣根を超えたリーグでも全国大会に出場できました。高校生最後の試合で味わった悔しい思いが報われた気持ちです。

大学卒業後は、もともと災害医療がやりたいと思い医師を志したので、救命救急に強い病院を選びました。

面接を担当してくださった医師の医療に対する姿勢が格好良く、野球好きで話も合い、すぐに目標の存在になりましたね。

初期研修医は大変と聞いていましたが、高校野球のほうがきつかったので、挫折することもなかったです(笑)

初期研修医を終え、救命救急の専攻を選びました。今日までさまざまな症例をみて、医師としてやりたいこともみえてきました。

現在行なっている活動と、始めたきっかけを教えてください。

宮崎 直

救命救急医をしながら、Instagram発信と日本スポーツ協会公認ドクターを取得中です。

初期研修医の頃に10〜20年後の医師のキャリアプランを想像したとき、医師以外の事業にも目を向けて本当にやりたいことはなんなのかと考えていました。

その結果、漠然といずれは野球に携わる活動をしたいと感じたんです。

ですが、医師のライセンスを持っている以上、救命救急を中途半端にはしたくないと思い、日々の仕事に向き合っていました。

そんなとき、2023年のWBCが開催され、野球好きだけでなく日本中が盛り上がったんです。

このことがきっかけになり、医師の資格を生かして野球に携わる道はないかと本格的に考えました。

調べた結果、日本スポーツ協会公認スポーツドクターの資格を医師歴5年目から取得できることを知りました。当時ちょうど5年目だったので、ちょうどタイミングが重なりましたね。

スポーツドクターの勉強は、整形外科領域の内容が多いので、救命救急とは違う領域で学ぶたびに判断が難しいと感じています。

キャリアのことはいつも考えてはいましたが、WBCがこんなに盛り上がって、自分が医師5年目で転機を迎えるとは計算外でしたね。

今の活動に詰まっている想いを教えてください。

宮崎 直

医師として野球界に貢献したいです!

今の活動に一番詰まっている想いは、野球人口が減ってきているなかで、次世代に野球の楽しさを伝えていきたいということです。

特にアメリカの野球人口の減りは激しく、アメフトやバスケが人気を獲得しています。20〜30年前は野球人気が群を抜いていたので、ショックでしたね。日本も同じ流れになっていると感じます。

高校野球の経験が今の自分の原動力になっていて、野球界に何らかの形で貢献したい想いが強いので、もっと野球界を盛り上げたいと感じています。

一方で、自分が野球でうまくいかなかったことに対する未練も大きいんです。いずれは日本のトップレベルの選手を医師としてサポートしつつ、未来の野球少年やまだ野球を知らない子どもたちに野球の素晴らしさを伝えたいですね。

医師として野球に携わる方法の一つが、チームドクターになることだと考えています。

実は侍ジャパンにもチームドクターがいて、侍ジャパン映画のエンドロールに名前も載るほどです。

私はチームドクターの方々の名前を覚えて、スポーツ整形外科学会で講演があった際に突撃してお話を伺いました。

そのときは気持ちが昂り、改めてチームドクターになりたいと思いましたね。

社会に与えたい影響を教えてください。

宮崎 直

野球の素晴らしさを伝えたいです!

サッカー、ラグビー、バスケといったチームスポーツに共通するかもしれませんが、試合が動いて勝負が決まるのは一瞬です。

その一瞬のために選手はもちろん、ベンチメンバーや家族、スタッフなどすべての方の想いが詰まっている。それがスポーツの面白さだと思います。

今後の展望としては、野球のトップチームのドクターになりたいです。

そのためにはInstagramで発信し続け、その分野である程度の影響力を持つ必要があると思っています。

そして、球団のドクターや国の代表チームに帯同するようなドクターになりたいです。

またInstagramの発信も継続し、球団の広報の立場から正しいトレーニングや食事内容を野球少年たちに伝えたいです。

メジャーリーグでは、トレーニングも食事もデータ管理されています。私も医師の知識と技術を用いて、最先端の野球・トレーニング方法を伝えていきたいです。

私としては、今回のWBCは日本だけでなく世界的に起爆剤になったと感じますね。

野球を行なっていた方だけでなく、今まで興味がなかった方やこれから中学生、高校生になり、スポーツを始めようとした子どもたちにも大きな影響を与えたと思います。

私も野球に関わる方々に、医師の立場から影響を与える存在になりたいです。

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