「米粉と麹」からつくる、食卓の笑顔!【郡元 奈識/ 管理栄養士】

取材日:2024/01/13

郡元 奈識(こおりもと なつき)

 自分自身の体調不良をきっかけに管理栄養士になることを志す。大手企業の給食事業をはじめ、様々なステージを経験し、出産をきっかけにフリーランス管理栄養士としてSNS発信を開始。現在は「米粉と麹の幼児食」をテーマに食の楽しさを発信している。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

管理栄養士の資格を持ちつつ、現在はフリーランス管理栄養士として「米粉と麹の幼児食」をテーマにSNS発信をしている郡元奈識さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 一流の職場環境で感じたこととは?
  • 「米粉と麹」が笑顔を増やしていく!
  • 食事は楽しいものであることを忘れないで

管理栄養士になろうと思ったきっかけを教えてください。

郡元奈識

体調不良をきっかけに、人間の体の仕組みに興味を持つようになりました。

人っ子で育ち、両親や祖父母が「なつきが寂しくならないように」とたくさんのペットたちと暮らしていました。家族のように育ったペットたちとの触れ合いから、動物に強い興味を持ち、幼い頃は獣医師を目指していたことを覚えています。

しかし、高校3年生の時に体調不良に悩まされるようになり、病院通いが増えていきました。授業中に保健室へ行くことも増え、体調不良による学業への影響を受けるようになってしまいます。

「なぜ、体調不良が続くのだろう?」と疑問を抱くようになり、今度は人の体の仕組みに興味を持ち始めました。その過程で食事や栄養の重要性について深く考えるようになり、食と健康の関係性をひたすら調べていましたね。

この体験を通じて、自身の健康は食事や生活習慣によって大きく影響を受けることに気づきました。そのため「獣医師という道よりも、管理栄養士として人々の健康に貢献したい」と思い、管理栄養士を目指すこととなります。

大学進学後は勉強がとにかく楽しくて、パン屋でアルバイトをしながら、常に「食」に触れる生活を送っていました。パンへの興味や食に関わる経験からますます食に対する探求心が深まり、パン作りに没頭する日々を送っていたと思います。(笑)

その後も「食」への情熱は、冷めることはありませんでした。「食事の重要性や栄養の知識を通じて、多くの人々の生活を豊かにしていきたい」と今でも熱い想いを胸に、毎日を奮闘しております。

現場に出てみてどのように感じましたか?

郡元奈識

学びとやりがいを感じられる日々でした。

資格取得後は大手企業の給食事業で管理栄養士として働くこととなります現場での経験を積む中で、学びとやりがいを感じる日々を送っていました。

また、掛け持ちで事業所を複数担当していたことを覚えています。託児所での0〜6才の乳幼児食、病児食や食物アレルギー除去食、高等部のジュニアアスリートやプロアスリートの食事、企業の社員食堂など、毎日幅広い年齢層の方々の食事管理をしてしていました。

必要な栄養素、味付けなど、年齢に応じて全く違うアプローチが求められるので、常に柔軟に対応することが必要になります。

そのため、食事の提供やメニュー作りだけでなく、子ども達やその保護者、高等部の学生や企業のお客様とのコミュニケーションやニーズの理解も大切にしていました。

そのおかげで年齢や地域、文化の違いなどによる個々のニーズに合わせながら、自分の知識やスキルを発揮することができたと思います。健康な生活を送るためのサポートができた時には、喜びとやりがいを感じていました。

また、現場で一緒に働くのは料理のプロフェッショナルな方々になります。些細な下処理の変化でも味が大きく変わるなど、現場での仕事は学びと刺激に溢れており、自分の技術や知識向上に繋がりました。

管理栄養士としての仕事はいつも挑戦的でありながらも、やりがいや食の重要性を再認識でき、自己成長も遂げることができています。誇りに思える最高の仕事です。

現在の活動について教えてください。

郡元奈識

Instagramでレシピ提供を中心に発信しています。

私はInstagramでレシピ提供を中心に「食」に関する情報発信をしております。SNSを始めた頃は、双子の子ども達の食事の記録簿として活用していました。

食事記録を発信をする中で、フォロワー様から「レシピを教えてほしい」「子どもの食事で悩んでいるのでアドバイスがほしい」などのやりとりが増えていき、自分が思っていたよりも乳幼児食で悩んでいる人が多いという事に気づいたんです。

この気づきをきっかけに「自分の知識や経験を多くの人に届けたい」と思うようになり、本格的にレシピを発信するようになりました。

2〜6才の子ども達との食育クッキング先生をしている中で、私は特に「食」=「楽しい」というポジティブなイメージを育むことが重要だと考えています。

旬の食材を使ったごはんを見て食べるだけでも立派な食育ですが、子ども自身が時間をかけて料理に参加することで「できた!」という喜びや成功体験を育むことが可能です。それを繰り返すうちに、食に関心がなかった子も次第に興味が湧いて「食」=「楽しい」に変わっていくと思います。

大人が作ると簡単な料理も、小さな子どもと一緒だと何倍も時間がかかります。そのため、なかなか一緒に料理する時間が作れないという方も多いです。

私が発信しているのは、双子の子ども達と一緒に料理をする日常を切り取りながら、なるべく手軽なレシピばかりです。

手軽だからこそ、子どもの「やってみたい」にとことん向き合うことが出来て「できた!」という体験を贈ることができる。そして「楽しい親子時間のきっかけになるように」という願いも込めています。

活動に詰まっている想いを教えてください。

郡元奈識

米粉と麹の素晴らしさを多くの人に届けていきたいです。

私は「米粉と麹の幼児食」をテーマに情報を発信中です。米粉と麹を使用することで、毎日の食事を手軽に子ども達や大人も一緒に美味しく、食を楽しんで健康に繋げてもらいたいと考えています。

託児所や病児保育施設で、1年あたり200人近くの子ども達へ食事を提供していました。その中には食物アレルギーに悩む子もいて「みんなと同じもの、どうして私にはないの?」と聞かれた事があります。

また「昨日まで美味しいとニコニコ食べていたのに、突然アレルギーだと言われて本当に辛い」と泣きながら教えてくださるママさんなど、本当に色々な葛藤や悩みを身近な場所から見届けてきました。

あの頃は「何か力になれる事はないか」と専門医の方にお話を伺ったり、論文を調べたり、ひたすら食物アレルギーについて勉強したと思っています。

そこで出会ったのが「米粉」と「麹」です。

米粉と麹は手軽に手に入るものでありながら、健康を後押ししつつ、料理も美味しくすることができます。子ども達の三大アレルゲンである卵、乳製品、小麦の「代替食」として活用できるのも強みです。

食事を制限すること無く、美味しさと健康を両立させることができたら良いなと思います。そのためにも、これからも米粉と麹の素晴らしさを伝えていきたいです。

最後に読者に伝えたいことはありますか?

郡元奈識

「食」=「楽しい」を忘れないでください。

今の日本ではどこでも食べ物が手に入って、簡単にお腹を満たす事ができます。しかし、それでは本質的な健康に繋がりません。

人の身体は食べたもので作られています。自分や家族の大切な身体を変えられるのは、自分だけ。明日、明後日、来年と長い目で見て身体も心も健康でいるためには、身体の中から整える事が何よりも大切です。

それを叶える1つの手段として、米粉と麹を楽しんで日々の暮らしに取り入れてもらえるように発信し続けていきます。

いましか出来ない子どもとの親子時間も、ぜひ一緒に米粉と麹で楽しみましょう。

郡元奈識

これから挑戦する方々に向けて伝えたいことはありますか?

チャンスを掴みたいと思うのであれば、まずは地道な努力を欠かさず行うことが重要になってきます。面倒くさいと感じる部分もたくさんありますが、最終的に「楽しさ」や「喜び」を感じられる方向へ進んでみてください。

コツコツ出来る人は本当に強いです。日々の小さな積み重ねが成功や成果をもたらして、自分の人生を豊かにしてくれると思っています。

一緒に少しずつ、小さな成功体験を積み上げていきましょう。

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