睡眠が良くて当たり前の文化をつくりたい!【荒川内 博 / 鍼灸師】

良い睡眠を取ることが当たり前の文化をつくりたい!【荒川内 博 / 鍼灸師】

取材日:2024/4/19

荒川内 博(あらかわうち ひろし)

鍼灸師として働くなか、睡眠の大切さに気づき勉強を開始。睡眠の専門家としてセミナーやカウンセリング、企業講演など幅広く活動し、現在は睡眠の専門家を育成するためのオンラインスクールを運営している。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

鍼灸師の資格を持ちつつ、現在は睡眠の専門家として活躍されている荒川内さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 野球少年が鍼灸師を目指したきっかけとは?
  • 1日2時間睡眠⁉睡眠の大切さに気づいた社会人時代
  • 睡眠が良くて当たり前になることを目指して…活動に込められた熱い想い

鍼灸師を目指したきっかけを教えてください。

荒川内 博

学生時代に怪我をしたことがきっかけです。

学生時代にずっと野球をおこなっていたのですが、高校2年生で肘を怪我してしまいました。

怪我の治療というと包帯やシップのイメージだったのですが、治療だけでなく怪我をしにくい投げ方まで教えてもらいました。

施術以外の関わりも含めて、治療が終わってからの生活を見据えて寄り添ってくれる姿に感銘を受けたんです。

どうやったら先生のようになれるか聞いたときに、鍼灸師という職業を教えていただきました。それから、鍼灸師になろうと決意してすぐに専門学校へ見学に行き、通う学校を決めたんです。

高校の部活を引退して、すぐにアルバイトとして整骨院に勤務し始めました。整骨院の休憩時間は学校へ行き、終わったらすぐ勤務という生活を送っていたので、働くか勉強するかの日々でした。

座学、特に生理学は苦手でしたね。学校の勉強より実技の勉強が楽しかったです。学校での実技演習が少ない分、アルバイト先で実務を身近で見ることができたので、良い経験だったなと思います。

国家試験の半年前からは、一度アルバイトを辞めて勉強に専念し、鍼灸師になることができました。

卒業後の経歴を教えてください。

荒川内 博

整骨院や海外での飲食店やスパ経営を経て、現在は睡眠のオンラインスクールを運営しています。

最初の就職先は、大手のグループ整骨院でした。決め手は自宅から近いからという安易な理由だったんです。半年ほど近くの店舗で働いてから、社内で売上No.1の店舗を希望して移動しました。

グループのなかでも院によって雰囲気が違ったので、ナンバーワンの店舗で技術を磨きたかったんです。移動後の店舗は激務でしたが、施術の考え方や患者さまへの向き合い方といった意識の高さに刺激を受けました。

勤めていた会社は整骨院やマッサージ店、飲食店、介護業界、クリニックなどさまざまな事業を展開しており、同時に経営の勉強や経営企画の業務、経営企画のノウハウも学べるありがたい環境でしたね

学生時代から上昇志向であり、好きなことは徹底していきたいという向上心は持ち続けていたんです。

2014年には、海外事業部統括責任者としてフィリピンへ渡りました。当時のフィリピンは急成長している時期で、時代がつくられていく様子を肌で感じられて楽しかったですね。

フィリピンでは飲食店やスパを経営していたのですが、あるきっかけから睡眠の大切さを知り、独学で勉強を始めました。

ずばり、あるきっかけとは何ですか?

荒川内 博

2時間睡眠を続けて倒れた経験です。

マネジメントの勉強で睡眠時間を削っており、毎日2時間睡眠の日々が続いていました。寝ずに頑張れば報われると思っていたんです。

ついに倒れて入院し、睡眠の重要性を身をもって感じました。当時の記憶は断片的で、完全復帰まで3か月くらいかかったことは憶えています。

調べてみると、日本は睡眠時間が世界一短いということが分かりました。そして睡眠不足の方が多いはずなのに、睡眠の専門家が全然いないと気づいたんです。

私自身が睡眠の専門家になり仲間を増やしていくことで、たくさんの方の役に立ちたいと考え、独学で勉強を始めました。

帰国後、整骨院の経営と同時に睡眠の事業をより加速させるために2017年から国内でセミナーをスタートし、個人向けに集客していました。人生の師匠にセミナーやカウンセリング、コンサルのやり方を教えてもらっていたんです。

整骨院の経営と同時並行していたんですが、オンラインスクールも開設し、2021年には個人事業として専念しました。

睡眠のアドバイスから始まり、現在は専門家の育成に力を入れています。文化をつくり、次の世代へ残すには、1人で活動するのではなく仲間を増やさなければと思ったんです。

睡眠のオンラインスクールや資格講座として『パーソナル睡眠アドバイザー』などを発行して、オンラインスクールは開始1週間で90人を超える申し込みがありました。今ではスクール、資格講座合わせて250人を超える仲間を輩出しています。

受講される方は医療職やサロン経営者、整体師が多いですが、副業目的の会社員や子育て中のママさんなどさまざまな方が受講されているんです。皆さん共通しているのは、世の中の役に立ちたいという想いです!

活動の原動力になっている想いを教えてください。

荒川内 博

睡眠が良くて当たり前になった光景を作り上げたいという想いです。

周囲を見ているともったいないと感じます。本来もっと良いパフォーマンスができるはずなのに、眠そうにしている方がとても多いんですよね。

良い睡眠ができて当たり前の世の中になったら、電車でみんなうとうとしているような光景は変わっていくはずです。

日本は衰退しているイメージがありますよね。慢性的な睡眠不足が続き、負担が蓄積されて心身へ支障をきたしている状態のことを睡眠負債といいます。日本は睡眠負債による経済的損失もかなり高いと言われているんです。

睡眠を改善することで、最終的には日本が元気になる。睡眠の文化を変えていくことが、次世代のために私ができることだと思っています。

1人でも多くの方の睡眠を改善し、エネルギッシュな世の中を実現した世界が見たくて、その想いを原動力に頑張っています。

まずは、1万人の専門家を育成することが目標です。達成した世界を早く見たいですね。

活動を通して、社会にどのような影響を与えたいですか?

荒川内 博

睡眠が良くて当たり前な世界にしていきたいです。

睡眠は技術です。誰でも良くすることができます。実際、睡眠コンサルティングでは1か月で結果が出る方がほとんどでした。

睡眠不足だと、切羽詰まった感覚がずっと続きますよね。私自身、睡眠不足が改善されると優しくエネルギッシュになれましたし、本当の自分を感じて生きていると感じました。

それを多くの方に実感していただき、自分らしく生きてほしいんです。

そのためにも、まずは自分の睡眠が悪いことを理解し受け入れることが必要だと思っています。睡眠が大切なのは分かっていても、実際の生活を見てみるとなかなか実践できない方が多いのも現状です。

資格講座では、手軽に始められるサプリも販売しており、それぞれのライフスタイルに合った改善方法を提案しています。

もっと睡眠を良くすることを当たり前にしていきたい。当たり前という感覚がとても大事だと思っています。

良い睡眠は、幸せな人生のための鍵なんです。睡眠を改善することに意識を向けて、人生をより良くしていってほしい。そのために、今後も発信を続けていきたいです。

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