取材日:2024/3/26
こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。
薬剤師の資格を持ちつつ、現在は「薬に頼らない薬剤師」としてSNSで発信している秋吉佑美さんを取材させていただきました。
- 人の役に立つために薬剤師を目指した
- 甘酒スムージーをきっかけに東洋医学へ!
- 健康であるために必要なこと
薬剤師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
困っている方に寄り添いたいと思ったからです。
もともと薬剤師以外に、栄養士と英語の先生に興味があり、将来何になりたいのかを悩んでいました。
特に栄養士は、健康に興味があり、家庭科が好きだったので興味がありました。
料理を作るのが好きで、小さいときから母の料理の手伝いをしていました。
母がお弁当を作るときにお惣菜を使わずにお弁当を作ってくれていたのは、健康や料理に興味をもったきっかけかもしれませんね。
薬局の実習で、薬局薬剤師の方が患者さまとコミュニケーションを取りながら薬を渡していて、私自身が人と対面でコミュニケーションをとるのが好きなので、自分に合っていると感じ、調剤薬局で働きたいと考えるようになりました。
現在の活動のきっかけについて教えてください。
甘酒スムージーとの出逢いがきっかけです。
もともと栄養学にも興味があったので、独学で栄養学について学び、それを患者さまに薬を渡しながら伝えていました。
するとそれが大変喜ばれ、私と話がしたいという患者さまが増えていきました。
そんなとき、とあるワークショップで甘酒スムージーを見つけて試しに飲んでみたのですが、あまりの美味しさに衝撃を受けたんです。
そのままワークショップをされていた方に甘酒の効能について教えてもらい、普段伝えている栄養学とは別の考え方でアプローチできそうと思ったタイミングで、東洋医学の存在を知りました。
ちょうど何か習いごとをしたいと考えていたときだったので、東洋医学に特化した料理教室を探したところ、たまたま家の近くに東洋医学に特化した料理教室があったんです!
その頃、ちょうど玄米にはまっていましたが、なかなかうまく炊くことができず、困っていました。
そのときに東洋医学の料理教室で、先生においしい玄米の炊き方を教えてもらいました。
その通りにやっていくと、玄米が衝撃的に美味しくて!
しかもそのやり方が理にかなっていたので、すぐに入会して東洋医学について学び始めました。
私自身が東洋医学を体感し、患者さまに合わせて伝えていくと、患者さまから「生理痛がなくなった」「不安がなくなった」などの声をいただき、実際に薬が減ったりなくなったりして、喜んでくれる方がたくさんいらっしゃいました。
私のこの経験が誰かに伝わったらいいなと思い、ブログやSNSを始めてみたんです。
あるときX(旧:Twitter)経由で、東京のメディアでコラムを書く機会があり、それがきっかけとなり現在に至ります。
現在の活動内容について教えてください。
「薬に頼らない薬剤師」として情報発信やレシピ開発を行なっています。
2014年頃からSNSや投薬を中心に「薬に頼らない栄養学」について伝えており、レシピ開発を行なったり、テレビ出演やレシピ本への掲載をしていただいたこともあります。
薬を渡すときに予防医学などの上乗せした知識を伝えることが大切で、それが私のかかりつけ薬剤師の理想像です。
薬を一元管理するのではなく、栄養学や予防医学に特化した薬剤師もいたほうが良いという想いをもちながら活動しています。
薬を減らしたい、できるだけやめていきたいけどどうしたら良いか分からないという方や、手軽にできる健康になるための方法について知りたいという方に向けて発信中です。
そのほか薬剤師以外にも、ライターや動画編集、SNSマーケティング、レシピ開発、イベント登壇などを行なっています。
また「農家さん応援隊」として、宮崎で農家さんのワークショップを開催して、地域の活性化を目指しています。
現在の事業への想いについて教えてください。
一側面からではなく、多方面から薬の減らし方や健康について伝えていきたいです。
「薬に頼らない薬剤師」として情報発信を行なっていますが、薬は絶対に飲んではいけないという意味ではありません。
ただ、薬を飲むことをベースにするのではなく、食事やライフスタイルが原因になっていることも多いので、その改善方法を伝えていきたいです。
健康とは、心と身体のバランスが維持できている状態のことです。
さらにライフスタイルも関わっていて、心と身体とライフスタイルのバランスが大切なんです。
東洋医学的に見た栄養学は、普通の栄養学と違い、さまざまな角度から症状をみて、その方にあったものをお伝えすることができます。
薬剤師からの視点だけでは伝えられないことも、栄養学など他の知識の視点を加えることで伝えられるんです。
色を加えられる薬剤師、プラスαで伝えられる薬剤師だからこそ、心と身体とライフスタイルのバランスの重要性についても一側面からではなく、多方面から伝えていきたいです。
hospassを通して読者に伝えたいことは何ですか?
情報を見極める力を身につけてほしいです。
体調を崩したときに薬を飲むという知識だけでなく、食事やライフスタイルの改善をすることで体調や心の変化に気づけるようになります。
自分のなかの選択肢を増やす必要があり、そのためには適切な情報を得る手段を見つけておく必要があります。
情報を取捨選択し、本質を見極める力と誰から情報を得るかが大事です。
得た情報が本当に正しいのか、情報を見極める力をつけてほしいです。
そのためにも、医療従事者には専門分野に加えて、色を加えて患者さまに説明できるようにさまざまな知識を身につけてほしいと思っています。
最後に、「継続は力なり」です。
何事も継続し、長期的に行うことが大切です。
食事指導を行い、そのアドバイスに沿って、すぐに結果が出る方もいらっしゃれば、長期間かかる方もいらっしゃいます。
それは人それぞれ体質や体格が違うので、仕方がないことなんです。
なかには、効果をすぐに感じやすい食材もあるんですよ。
続けてみて合わなかった場合や変化がない場合は、一緒にほかの方法を探しましょう。
日々の生活を笑顔で過ごすお手伝いができたら嬉しいです。
秋吉 佑美 (あきよし ゆみ)
薬剤師として働くなかで東洋医学ベースの栄養学と出会い、「薬に頼らない栄養学」を広く伝えるべく「薬に頼らない薬剤師」としてブログやさまざまなSNSを通して発信している。現在は地元宮崎に戻り、地元を活性化させるべく、さまざまなアクションを起こしている。