取材日:2024/5/27
こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。
管理栄養士の資格を持ちつつ、現在はフリーランスとしてレシピ記事の執筆や料理動画の撮影を行なっている榎本さんを取材させて頂きました!
- 健康はまず食事から。榎本さんが管理栄養士を目指した理由とは
- フリーランスに転向したきっかけは小1の壁!フリーランスとして生き生きと働く榎本さんの活動内容
- 子育て中のママさんを楽にしてあげたい!活動に込められた想いに迫る
管理栄養士を目指したきっかけを教えてください。
祖父ががんになり、予防の大切さに気づいたことがきっかけです。
小学生のときに、祖父ががんで亡くなりました。病気が進行するにつれて、好きな食べ物を食べられなくなっていく様子を目の当たりにして、子どもながらに衝撃を受けたんです。
病気になってからは、食べ物だけで症状を改善するのは難しく、医療の力が必要です。健康な状態を維持するための食事について勉強したいと思うようになりました。そこで、国家資格である管理栄養士を目指すことを決意したんです。
大学入学後は、勉強に没頭しました。他学部の友人から大変そうだねとよく言われましたが、私にとってはそれが普通の生活でした。もともと料理や食べることが好きなのもあり、楽しみながら勉強していましたね。
卒業後の経歴を教えてください。
大学卒業後は、ドラッグストアに勤務しました。引っ越しに伴い社員食堂で経験を積んだ後、独立しました。
管理栄養士と聞くと、病院や学校のイメージがあると思います。
しかし私は、病気になった方へのアプローチではなく、病気になる前段階のアプローチがしたいと考えていたので、ドラッグストアを選択しました。ドラッグストアには病気になる前段階の方が来て、自分のやりたいことと一致すると思ったんです。
当時は、ドラッグストア勤務の管理栄養士は珍しかったですね。ドラッグストアの通常業務もこなしつつ、お客様の食事について話したり、サプリメントの相談をしたり、骨密度測定やベビーフード相談会などのイベントを開いたりしていました。
ドラッグストアには9年勤めたのですが、結婚や出産を経て、子育てを地元のゆったりとした田舎で行いたい思い、家族で山形にUターンすることを決意しました。
経験が長くなるにつれて店長も任されるようになり、管理職の業務が忙しくなってきて、私は管理栄養士だったよな?と悩むことが増えてきたんです。
山形では、社員食堂で管理栄養士として1年勤務し、その後フリーランスとして独立しました。
実際にフリーランスになって、どのような活動をされていましたか?
レシピ制作や料理動画撮影、栄養相談会の開催などさまざまな活動を行なっています。
2019年、子どもが小学校に入るタイミングで独立しました。
小1の壁という言葉があるように、小学生になると仕事と育児の両立は本当に大変です。学童もありますが、子どもの体調不良などでは預けられないし、平日に授業参観や学校の行事も度々あります。
そのなかで仕事をしたいとなると、在宅がいいなと思ったんです。そして在宅ならフリーランスでやろうと決めていました。
まずは ライターやレシピ制作から始め、ライターとして実績を積み、リピートしていただくようになったんです。
同時に、学童に通わせるママ友たちから、時短レシピや栄養満点のお弁当レシピが知れたら嬉しいとの声が多く、Instagramでレシピを投稿し始めました。
働いているママさんは、毎日仕事と家事・育児をこなし、時間との戦いなんです。
私自身ドラッグストアで働いていたときも、帰宅して20分でご飯を作らないと!とよく焦っていました。
冷凍食品やインスタントは便利ですが、あまり頼りすぎるのも栄養面でどうなんだろうと罪悪感のようなものも感じていました。
そこで、管理栄養士としての知識を生かし、時間をかけずにいかに栄養バランスを整えるかというメニューを試行錯誤していたんです。
そのレシピをInstagramで投稿したら、好評だったんです!独立して1年くらいは探りさぐりの状態でしたが、ライター案件が安定してきてから、さまざまな企業からレシピ作成の依頼をいただくようになりました。
Instagramを見ていただいて、そこから依頼をいただくようにもなり、時短しつつ栄養バランスも気にしたレシピのニーズの高さを感じています。
活動の原動力になっている想いを教えてください。
子育て中のママさんに、元気になってほしいという想いです。
私も子育てを経験したからこそ、ママさんの大変さはよく分かります。同志として助けてあげたいという気持ちが強いんです。
ママさんのメンタルや健康、食事は大丈夫なのかなとずっと思っていて。栄養というと子どもに目を向けがちですが、ママさんの栄養もとても大事です。
親は子どもを第一に考えて、自分を犠牲にしてしまいがちですが、それで子どもたちは本当に幸せなのでしょうか。ママにもHappyになってもらいたいと思っているのではないでしょうか。
子どもの相談会と言いつつ、ママさんの話を聞いてアドバイスすることが多いんです。相談会では子どもをメインテーマにしつつ、ママさんを陰からフォローするというのが裏テーマでもあります。
栄養満点で簡単に作れるレシピを発信することで、少しでもママさんたちの手助けをおこないたいです。ママさんが楽しく過ごせる投稿をこれからも頑張ります。
活動を通して社会へ与えたい影響はありますか?
私のレシピや料理動画を通して、ママさんの心に余裕ができ、楽しく過ごせるようにしていきたいです。
子どものためには、まずはママさんが自分らしく、楽しく過ごせることが大切です。ママさんが健康でいることで、その子どもや家族が毎日楽しく過ごるような環境につなげていけたらと思っています。
結局、ママさんの機嫌が良ければ家族の空気は温かいんですよね。ママさん次第で家族の空気は良くも悪くもなるんです。
時間に追われ、余裕がない日が続くと、イライラしていろいろなことが悪循環になりがちです。
そんな状態が毎日続くと子どもも不調になりますし、その子が大人になったときに連鎖してしまうかもしれません。そんな悲しいことはあってはいけないなって思います。
ママさんが自分らしく、Happyでいることで、子どものメンタルや日常生活も整います。そこから幸せな家庭を増やしたいんです。幸せの循環を少しずつ広げていきたいです。
最近は嬉しいことがあって。私の周囲のママさんたちが、ストレスが多い仕事を辞めて自分が好きなこと、やりたかった仕事を始めています。
ママさんだからといって我慢する必要はなくて、チャレンジするのはとても素晴らしいことですよね。
私自身、山形に帰ってから好きなことを仕事にできて、とても充実しています。それが周囲のママさんに伝わってくれたら嬉しいです。
榎本 美歩(えのもと みほ)
管理栄養士の資格を持ちつつ、ドラッグストアや企業で経験を積み、現在はフリーランスとしてレシピ記事の執筆や料理動画の撮影を行なっている。