取材日:2024/06/06
こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。
今回は介護福祉士の資格を持ち、現在は介護福祉施設を中心に「整膚師」として活動している武岡さんを取材させて頂きました!
- 温かい雰囲気で包まれた介護現場
- ご家族の相談から始まった「整膚師」
- 「整膚師」の可能性を多くの人に届けるために!
介護福祉士を目指そうと思ったきっかけを教えてください
信頼している先生からの一言が大きかったです!
僕の小学校では、福祉施設でのボランティア活動がありました。医療や福祉の現場に触れたのは、この時のボランティア活動が初めてです。
僕が訪れた施設ではスタッフのみなさんと高齢者の方々が楽しく、温かい雰囲気に包まれていて「なんて素敵な職業なんだろう」と心に深く残りました。
そのため自然と医療・福祉の世界に興味を持ち、当初は理学療法士や作業療法士などのリハビリスタッフになりたかったです。しかし、進路を本格的に考える時期になり、先生たちの一言で僕の心は動きました。
恩師の先生たちが「介護福祉士が向いているよ!」と背中を押してくれましたね。
特に信頼していた先生からの言葉は重く、他人からの評価は大切だと自分自身でも考えていました。そのため、迷わず介護の道へ進むことを決めたことを今でも覚えています。
それからは、介護福祉士の資格取得を目指して勉強に励みました。授業や実習を通じて、レクリエーションやご利用者様との交流が、自分の得意分野であることに気づかせてくれたんです。
また、友人たちとの関わりや学校生活が「協力し合うことの大切さ」を学ぶことができ、チームで同じ目標を叶える達成感も経験させていただきました。介護の現場の面白味をより深く学べたと同時に、素敵な仲間にも出会うことができて、最高の学生ライフだったと思います。
臨床現場に出てどのように感じましたか?
感謝された瞬間が1番の喜びです。
僕は最初「まずは基本をしっかり身につけたい」という意識が強く、研修がしっかりしていて、礼節やマナーをしっかり学べる施設に就職しました。
現場に出てからも理想とのギャップはなく、ボランティアの時に感じた温かい雰囲気に包まれた職場だったと思います。そのため、自分自身も仕事には集中できましたし、何よりも優しい気持ちで利用者さんと触れ合うことができました。
特にやりがいを感じる瞬間は、ご利用者様やそのご家族から感謝の言葉をもらった時です。普段はあまり言葉を発さない利用者さんが「ありがとう」と言ってくれた時の喜びは、今でも忘れられません。
こうした瞬間が、介護の仕事を続ける大きな原動力です。
また、長期的な関わりを通じて、利用者さんの生活の質が向上する瞬間に立ち会えることに大きな達成感を感じます。そのため、常に「ご利用者様やご家族にとっての最善策」を模索し、自分の中にある最高の介護を追及しているんです。
その結果が「ありがとう」の一言に繋がっているのだと思います。僕は「介護福祉士」としての仕事に誇りを持ち、ご利用者様の生活の質を向上させるために日々努力をする。そして、これからも幸せな人生を送るための伴走をしていきたいと思います。
整膚師について教えてください
皮膚にアプローチした簡単なリラクゼーション法です!
僕は「整膚師」として活動しています。整膚師とは、指を使って皮膚を優しくつまみ、引き上げることで血行を促進し、筋肉の緊張をほぐす。そして、新陳代謝を良くすることで自然治癒力を高めるという手技のことです。
僕が「整膚師」にたどり着いたのは、ある利用者のご家族からの相談がきっかけでした。「面会に来たけど何をしたらいいか分からない」「喧嘩して帰ってきてしまう」そんな悩みを相談されたことがあります。
僕なりにできることはないか必死に探しました。そんな時に出会ったのが「整膚師」という職業です。整膚は特別な設備が不要で、どこでも手軽に実施できる。その上、受け手側からは「すごく気持ちいい」と評判が良く、ご利用者様の簡易的なリラクゼーションにはピッタリでした。
整膚には大きな可能性があると感じましたね!
それからは自身のスキルを向上させるために、スウェーデンの手技も学びました。学んだことは、ご家族が同じ手技を利用者様に行えるようにレクチャーし、僕のできる最大限を提供してみたんです。
すると「面会に来る楽しみが増えた」「親が喜んでくれた」という声が寄せられ、大きな効果を実感することができました。それ以降は、施設でのレクリエーションやアクティビティの一環として導入されたり、ご利用者様やスタッフのリラクゼーションに大いに貢献しています。
活動に詰まっている想いを教えてください
温かさと幸福感で溢れた環境を作りたいです!
僕は「整膚師」という職業を通じて、ご利用者様やそのご家族、さらには介護スタッフ全員が笑顔になれる環境を作り出していきたいです。その可能にする力が整膚にはあると信じています。
僕はこれまでの介護経験から「触れることの大切さ」を学んできました。実際に、手を使ったケアがもたらす温かさと幸福感は計り知れないものがあります。
例えば思い出してみてください。幼少期に経験した肩たたき。簡易的な手法にも関わらず、受け手側には癒しと幸福感を与え、提供者側も感謝され、幸せな気持ちになれる。そんな温かさと幸福感で溢れた環境を作りたいです。
そのためにもまずは、整膚の文化を介護福祉の現場を中心に広めていきたいと考えています。そして、最終的には保育施設や医療機関など、あらゆる場所で広めていきたいです。
また、同じ介護職の方々にも広げていきたいと考えています。介護の現場は肉体的にも精神的にも過酷な環境。そんな方々に、少しでも癒しを届けていけたら嬉しいです。
その上で、使えそうな技術があれば、今度はご利用者様に還元していただけたらと思います。このように、癒しの好循環を生み出すことが僕の理想です。
僕はこれからも整膚を通じて、赤ちゃんから高齢者、障害の有無に関わらず、誰もが癒される社会を目指しています。
これからのビジョンを教えてください
「整膚師」の素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいです!
「整膚師」はまだまだ聞き馴染みのない言葉だと思います。そのため、まずは「整膚師」を多くの人に普及していくことが直近の目標です。介護福祉の現場を始め、保育施設や医療機関など、あらゆる場所で勧めていけたらと思っています。
現在は職場内で、スタッフやご利用者様への提供やレクリエーションとして活用しているのが現状です。また、ラジオのパーソナリティーやセミナー、ボランティアなど、普及するための活動も仕事の傍らで行っています。
しかし、まだまだ僕の理想には届きません。だからこそ、まずは普及活動に注力をして、ボランティアでもいいから「整膚師」の素晴らしさを多くの人に届けていきたいと思っています。そして、今後は整膚を通じてより多くの人々に癒しと笑顔を届けることができたら嬉しいです。
また「合同会社Varmt Hem」の社名に想いを込めたように「温かい家」を実現していきたいと考えています。つまり、温かさと幸福感で溢れた環境。この環境こそが、僕の目指す理想です。
もし、一緒の理想を思い描き「温かさと幸福で溢れた環境」を作り出したい方は、ぜひお声掛けください。一緒に整膚師として活動していきたい方も大歓迎です。一緒に理想を実現させていきましょう。
hospassを通して読者に届けたいことを教えてください!
「感」を大切にし、日々の幸福を見つけていきましょう。
僕は今までの自分を振り返った時に「感」をもの凄く大切にしているなと感じました。感謝、感情、感動など「感」に触れる生活を送っています。
特に僕のお仕事は「感」に触れる場面が多いです。ご利用者様には感謝をされ、一緒に喜びや達成感を味わうことで感情が豊かになり、ご家族とのコミュニケーションから感動が生まれます。
僕たちの「医療・福祉」の現場では、多くの人が気づいていないだけで、こんなにも「感」に溢れている素敵な職業です。だからこそ「感」に目を向けて、仕事に励んでみてください。
そして、1人ではなく、チームケアを大切にしていきましょう。チームとして力を合わせることで、多くの可能性が生まれ、喜びを共有できると信じています。「切磋琢磨」という言葉通り、お互いに高め合うことは、忘れがちではありますが大切なことです。
みなさんの中で、もし辛い状況で働いている人がいたら「感」を探して、1人で抱え込まないようにしてみてください。僕たちの仕事は、間違いなく誇りの持てる職業です。
みなさんと共に、温かさと幸福感で溢れた環境が作れたら嬉しく思います。一緒に素敵な未来のために、挑戦していきましょう。
武岡 忠久(たけおか ただひさ)
介護福祉士の資格を取得後は介護施設に従事。利用者様のご家族の相談をきっかけに「整膚師」としての活動を開始する。これから「整膚師」の認知を広めつつ、幸福感で溢れた温かい家づくりを目指して挑戦していく。