飼い主さまの生き方で、ともに生きる動物の豊かさが決まる!【藤原 光宏 / 獣医】

飼い主さまの生き方で、ともに生きる動物の豊かさが決まる!【藤原 光宏 / 獣医】

取材日:2024/6/6

藤原 光宏(ふじわら みつひろ)

獣医師の資格を持ち動物病院を開業。ホモトキシコロジーや東洋医学も取り入れた総合医療を提供しつつ、動物の生活が豊かになるようにSNSで発信中。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

獣医の資格を持ち、ホモトキシコロジーや東洋医学も含めた総合医療を提供をしつつ、SNS発信をしている藤原さんを取材させていただきました!

記事の見どころ
  • 藤原さんが獣医を目指したのは、テレビで見たムツゴロウ動物王国がきっかけ
  • ホモトキシコロジーの有効性を実感し、総合医療を提供するようになる
  • 動物が豊かに暮らすため、飼い主さまの生活に影響を与えたい

獣医を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

藤原 光宏

テレビでムツゴロウ動物王国を見たことがきっかけです!

テレビでムツゴロウ動物王国を見た時、ここで働きたいと思いました。

ムツゴロウ動物王国ではなくても、動物園で働きたいとは思い、そのためには獣医にならなければいけないと考えて獣医を志しました。

実際は獣医でなくても動物園で働けましたが、自分としては獣医になりたいと思ったんですよね。

もともと動物が好きで、小さい頃から家族に動物園に連れて行ってもらっていました。自宅でも自分で飼いたくて、近所のお家で生まれた犬をいただいたこともありましたね。

獣医大学に入学し、卒業後は大学教授の知り合いの先生に紹介いただいた病院で勤務を始めました。

実際に獣医になってみて、思い描いていた働き方とはまるで違いましたね。多くの犬猫を外来や入院している犬猫を診療し、とにかく件数が多く、診療を回すことに必死だったんです。

当時は大きな動物病院も少なかったので、ファーストキャリアでしっかり経験を積むことができました。その後は、病院としての強みが異なる病院に3つほど勤務し、獣医8年目に開業したんです。

もともと開業しようとは考えておらず、動物園に就職したいと考えていました。ですが、当時の動物園では、動物は産業動物と言われていたんです。病気になると薬を投与できず、治すために携わることはどうしても難しい状況でした。

臨床現場では動物に点滴したり、手術をしたりして病気を治すことができます。臨床のやりがいを強く感じるようになり、開業を目指しました。

今の事業内容を教えてください。

藤原 光宏

総合医療を提供しながらSNSでの発信、セミナー講師をしています。

現在は、動物に対して西洋医学と東洋医学、ホモトキシコロジーなどを取り入れた総合医療を行なっています。

加えて、セミナー講師やオンライン相談、監修にも携わっており、SNSでも情報発信しています。SNSはFacebookからスタートし、Instagramの投稿は9年ほど前から行なっています。

最初は、動物あるあるや病気について投稿をしていましたが、飼い主さまの生き方次第で動物の治りが変わること、看取りなどを発信するように投稿内容を見直しました。

すると、最初は3000名程度のフォロワー数でしたが、日々の投稿が継続した結果、8万人を突破しました。おかげさまで、ライブ配信も好評いただいています。

セミナー講師にはもともと興味があり、どのようにセミナーを開けば良いのか模索していました。セミナーを始めた当初は、参加者が1、2名ということもありましたね。

試行錯誤を続けた結果、昨年の12月に行なった動物の終末期と気管虚脱セミナーは、会場15名、オンラインで180名の方にご参加いただいたんです。

毎月行なっている昼間の勉強会でも、多いときは50名ほどにご参加いただいています。

病院で総合医療を始めたきっかけを教えてください。

藤原 光宏

ホモトキシコロジーの効果を実感したからです。

西洋医学を学びながら開業しました。ですが、実際に開業して診察するなかで、西洋医学の限界を感じたんです。

そんなとき、動物病院の院長の集まりがあり、そこでホモトキシコロジーをやっている先生に出会いました。

ホモトキシコロジーの効果を聞いても、最初は半信半疑だったんです。ですが、実際に試してみると、今まで改善できなかった症状が改善できるようになり、衝撃を受けましたね。

西洋医学だけではなく、東洋医学も取り入れて幅広い診療を心がけるようになりました。

一方で、治療が効く場合と効かない場合の差に疑問を感じるようになったんです。

ホモトキシコロジーを実施している獣医でドイツへ勉強会に参加した際、飼い主さまが心配症だと、動物の病気の治りが良くないと聞きました。

私がかつて診察した事例で、糖尿病のコントロールができていない犬猫が、突然体調が改善したことがありました。体調が改善したのは、飼い主さまが離婚したタイミングだったんです。

離婚前の飼い主さまのストレスが、犬猫に影響していたのではないかと想像し、まさに親のストレスが子どもに影響することと同じだと実感しました。

飼い主さまの生活が動物に与える影響の大きさを感じ、診察やSNSで伝えるようになりました。

事業に詰まっている想いを教えてください。

藤原 光宏

飼い主さまが動物の暮らしを豊かにするためにできることをやってほしいです!

治療方法は、獣医次第です。

一方で、飼い主側の気持ちによって、動物の治りが良くなるということは、飼い主さまの方それぞれにできることがあります。

どうしても病気が治らないというケースもありますが、その場合も飼い主さまの接し方一つ、動物の病気の進行がで変わってくるんです。

コロナ期間を経て、動物と接する時間が増えたことによって、今まで気にならなかったことが気になる飼い主さまが増えているように感じます。

ですが、飼い主さまが心配症かそうでないかで、動物の体調は本当に変わります。

私がSNSで発信することで、飼い主さまができることを行ない、動物の治りが良くなるのであれば嬉しいです。

SNSの良いところは、リアルな診察現場では伝えにくいことを広く伝えることができることです。たとえば心配症ということも、動物を想うからこそですし、診察で伝えたら角が立ちますしね。

メディアを通して社会に伝えたいことを教えてください!

藤原 光宏

飼い主さまの日常に影響を与えたいです。

現在は、動物のお看取りも多様化しています。最後まで治療を続けたいと思う人から、治療をせずに苦しまないようにしたいと思うかは飼い主さま次第です。なので、その選択肢が広がるように獣医としてサポートしたいです。

動物は、人間のようにカフェに行ったり、ドライブに行ったりなどの気分転換ができません。

動物の置かれる状況は、飼い主さま次第です。それをSNSで伝えつつ、飼い主さま側の意識の変化に影響を与えることができればと思います。

一緒に暮らす動物たちが、少しでも良い状態になれば嬉しいです。飼い主さま側も、動物を通して気づくこともあります。

動物との接し方を考えると、子どもとの接し方や周囲の方との接し方も変わると思います。

今後の展望は、私が携わらなくても大丈夫な形で、飼い主さま同士がつながれるリアルなサロンを立ち上げたいと思っています。

最後に読者に伝えたいことは、飼い主さまの気持ちで動物が変わっていくということです。動物の生涯を良くしていくために、飼い主さまがどう関わるかが大切です。

動物が豊かになるために、飼い主さまにも日々の過ごし方を考えていただきたいと思いますね。

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