怪我やイップスで二度と同じ悩みを繰り返さないでほしい!【望月 涼佑 / 理学療法士】

怪我やイップスで二度と同じ悩みを繰り返さないでほしい!【望月 涼佑 / 理学療法士】

取材日:2024/6/1

望月 涼佑(もちづき りょうすけ)

理学療法士として病院で働いていた経験を生かし、現在はスポーツトレーナーとして活動中。学生時代の自身のイップスや怪我の経験をもとに、スポーツトレーナーとして、怪我やイップスなどで二度と同じ悩みを繰り返さないでほしいという想いで、活動している。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

理学療法士の資格を持ちつつ、現在は自身のイップスの経験をもとにスポーツトレーナーとして活躍している望月さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 望月さんは自分の足の怪我をきっかけに理学療法士を目指した!?
  • つらい、しんどいと真剣に悩めるモノがあることは、幸せだと思う
  • 伴走者のような存在になりたい

理学療法士を目指したきっかけを教えてください!

望月 涼佑

中学3年生のときに怪我をして、リハビリの方にお世話になったことがきっかけです。

小学生から、野球を初めて高校でも野球を続けていました。先輩のバッティングピッチャーを行なっているときに、イップスを発症し、チームメイトにからかわれていました。

遠くの高校で野球に打ち込むために両親にお金を払ってもらっていたので、いじめられてるとも言えず。中学の同級生には格好悪い姿を見せたくないという理由から、弱音を吐ける方が周囲にいなかったんです。

その後、足を怪我して理学療法士の方にお世話になる機会がありました。

その先生は、肘を壊して野球を諦めた方で、当時そこまで有名ではなかったイップスの私に、親身に接してくださったんです。

足の怪我に対する施術を受けた際に、怪我のことだけではなく、イップスについて調べてくださり、精神的な支えになってくださいました。それが良いきっかけとなり、イップスが完治したんです。

後に理学療法士という職業を理解し、自分も当時の先生のように怪我や精神的に悩んでいる方を救いたいと思い始めました。

理学療法士になって感じたことを教えてください。

望月 涼佑

知識があるかないかで、選択肢や幅が広がるなと感じました。

当初はスポーツリハビリに進みたいと考えており、運動学や運動器について勉強しながら、休日はイップスについて勉強していたんです。勉強するなかで、徐々に運動器だけではないなと思い始めました。

また専門学校3年生のときに、実習で脳血管障害の回復期のリハビリ施設にお世話になりました。そこで、もしかしたらイップスは脳神経に関係しているのかもしれないと思い、それを突き詰めるために脳神経系の病院に就職したんです。

病院時代は、先輩方のレベルが高く、勉強への熱心さも含めてついていくのが精一杯でしたね。当初は、脳神経を勉強したいとは思っていましたが、頭のどこかでトレーナーになりたいという想いもあったんです

その想いは、日に日に強くなっていきました。そして休日に勉強会などに参加した際に、所属元の看板を外すと自分は何者でもないということにふと気づいたんです。

それからトレーナーとして活動することを決意し、母校で自分の学んだトレーニングの知識や技術の指導を始めました。

そこで感じたことは、知識があるかないかで選択肢や幅が広がるということですセラピストとしての知識や引き出しを増やすことで、より多くの方へ対応できます。

知識や技術への投資や自己研鑽は非常に重要だと感じましたね。

現在の活動を始めた想いを教えてください。

望月 涼佑

高校時代、理学療法士にお世話になったこととチームメイトにアドバイスをしたことです。

きっかけは、2つあります。

1つ目は、高校時代にイップスを経験し、理学療法士の方にお世話になったことです。

高校時代にお世話になった先生のように、指導者や治療家ではなく、サポーターやマラソンでいう伴走者のような存在になりたいと思いました。

2つ目は、社会人1~2年目のときに趣味で草野球をやっていたときに、肩を痛めてしまったことがきっかけです。

その際に自分で勉強してアプローチし、イップスや同じように怪我による痛みを抱えるチームメイトへのアプローチを行いました。

現在の活動を教えてください。

望月 涼佑

求められているものを提供しています。

現在は、スポーツトレーナーとしての野球指導をメインとしています。

また野球以外のスポーツでも、対面やzoomで脳神経系やイップスに対してのアプローチや、肩の痛み改善の治療などを行なっています。さらに、高校などに出張して指導者へアドバイスも行なっています。

草野球をおこなっている方が半数を占めており、次に学生が多く、プロ、独立、社会人の順の割合で来てくださっています

最初は知り合いにアドバイスをおこなうところから始め、それが徐々に口コミで広がっていきました。それからほかの草野球チームに携わるようになり、同じ悩みをもつ方が多いことが分かったんです。

また、そのときに何度も見返せるように動画を作ってほしいというお声をいただき、自主練メニューなどの動画を簡単に編集して、限定公開でお渡ししていたんです。

すると、ほかの方からも「それを見たい」というお声をいただくようになったので、SNSに力を入れるようになりました。

現在もクライアントや選手の方々から、求められたものを確実に提供しています。

現在の活動に詰まっている想いを教えてください。

望月 涼佑

自分にとって大切なモノを諦めないでほしいです。

長い間悩み続けていることは、それだけ自分にとって大切なモノだと思うんです。もし大切ではなかったらそこまで悩んでいないと思うから。

悩んでいる最中は、つらくてしんどいと思います。ただ個人的には、つらくて苦しいけどどうにかしたいと思えるモノがあることは、とても幸せなことだと思うんです。

またそれを乗り越えて得られる経験、つまり自分にとってのサクセスストーリーを得られる方を増やしていきたいですし、そのなかのきっかけの一つになりたいと思っています。

活動を通じて、社会にどんな影響を与えたいですか。

望月 涼佑

 怪我やイップスの悩みを二度と繰り返さないでほしいです。

ただ治療してもらうだけではなく、自分でも理解して治せたり、ケアができたりするスポーツマンを増やしていきたいです。

治療するのは大前提ですが、そのうえで知識を伝えることで、その方にとって痛みが出る身体の使い方と痛みが出ない身体の使い方を理解できます。

理解して自身でケアや対処できるスポーツマンが増えることによって、痛みやイップスで悩んでいる方を減らせるはずです。

hospassを通じて伝えたいことを教えてください。

望月 涼佑

今どうにかしたいという気持ちを大事にしてほしいです。

病院を辞めるかどうか半年以上悩んでいたタイミングで、親友と仲の良い経営者の方にたまたま言われたことが、今も心に残っています。

それは、今やりたいことは今しかできないよ。いつまで生きていられるかは僕も含め、誰にもわからないからね。望月くんは今何がしたいの?」という言葉です。

やらなかったことは、亡くなるときに必ず後悔します。やったことやチャレンジしたことは、失敗したとしても後悔ではなく経験や知識、思い出になるはずです。

新しいことにチャレンジする方に伝えたいことは、自分のなかでやってみたいと思う気持ちを大切にしてほしいということです。

そんなふうに生きていけば、人生の最期の後悔は少ないはずです。

私自身、人生の最後になったときに、「最高の人生だった。」と言える選択を今後もし続けていきたいと思っています。

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