取材日:2024/7/4
こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。
管理栄養士の資格を持ちつつ、企業でのマーケティング、SNS運用などに携わる。岡崎市にて市議会議員選挙に出馬されている本多さんを取材させて頂きました!
- 本多さんが管理栄養士を志したのは、居酒屋経営をする父からもらった1冊の本がきっかけ
- 管理栄養士としては珍しい、ファーストキャリアは企業に就職することを決意
- ”管理栄養士×政治”で、食で健康に過ごす方を増やすために活動の場を広げている
管理栄養士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
父からもらった1冊の本がきっかけです!
小学生5年生の頃、父から『栄養成分バイブル』という本をもらったのですが、その本に妙にハマってしまいました。
たとえば、長い栄養素の名前を覚えたり、給食の献立を見てカロリーや栄養成分を調べたり、学校の勉強そっちのけで栄養について学んでいましたね。
両親が居酒屋を経営しており、お客さまがご飯を食べて幸せそうな顔をしているのを見て、食事は人を笑顔にできると実感することも多かったです。
いつしか、”食”への興味は人一倍強くなりましたね。
将来は”食”のスペシャリストになりたいと思い、調べていくうちに国家資格の管理栄養士の存在を知りました。
食事の分野では誰にも負けたくないと思い、管理栄養士になることを夢見て、小中学生時代も家庭科だけは成績が良かったです。
今も感じていることですが、管理栄養士の職業が食べ物を用いて医者のように人の病気を予防・改善できると知ったときは、本当に衝撃を受けましたね。
学生時代一番のエピソードを教えてください!
学んだ栄養学の知識を自分の身体に生かし、空手の全日本選手権で優勝したことです!
大学は、スポーツ栄養学も学べる学校を選びました。私自身も、ずっと空手をやり続けていたので、スポーツ栄養学に興味があったんです。
中学生時代は、毎年全日本選手権で優勝できる腕前だったのですが、高校生になり周りの選手の体格ができ上がった時期から、一度も優勝することができなくなったんです。
そこで、大学で学んだことを自分の身体に試してみようと思い、栄養学を独自のノウハウにまとめ上げて実践しました。
加えて、栄養の側面だけではなくメンタル面も学び、空手活動に生かした結果、大学4年間すべての全日本選手権で優勝することができました。
自分で実践して結果を出したことにより、食の可能性を改めて感じたんです。
アスリートだけではなく、一般の方やビジネスパーソンも同じで、食事でパフォーマンスを最大限に生かせると実感しましたね。
卒業後のファーストキャリアについて教えてください。
企業でマーケティングに携わりました!
学生時代から漠然と、一般的な栄養士がおこなっていないサービスを立ち上げたいと考えるようになりました。
加えて、就職活動をするなかで、管理栄養士は国家資格にもかかわらず給与が低い実態に気づいたんです。
このままでは管理栄養士を志す人も減ってしまうと思い、私のなかで管理栄養士がさらに活躍できるサービスを立ち上げることが目標になりました。
迷った末、卒業後は2015年にスポーツ栄養の新規事業を立ち上げた『株式会社アイガ』に就職しました。
大手企業がアスリート向けのコンディショニングや栄養事業を行なうことはありましたが、中小企業でゼロからイチを作った会社であり、魅力に感じたことがきっかけです。
ですが、入社直後から事業縮小につき、退職をするかマーケティング関連部署に異動するかの2択を迫られました。
病院の管理栄養士に転職も考えましたが、自分で事業を立ち上げるときにも生かせると考え、マーケティング部門への異動を決意したんです。
栄養は独学で学ぶことができるので、自分で納得して選択できましたね。
その年に、東京の大手宅配飲食チェーンに出向し、さまざまな企業の担当者と関わったことで社会人としてのイロハを学ぶことができました。
出向を終えてアイガに戻り、SNS運用代行やHP制作などのサービスを立ち上げて、これまで80社以上の企業に携わらせていただきました。
現在の事業内容と始めたきっかけを教えてください。
食や健康をテーマに政治活動をしています!
アイガにてデジタルマーケティング事業の監修を行ないつつ、食や健康をテーマにした政治活動をしています。
具体的には、愛知県岡崎市で飲食店のプロモーション支援や家族経営の飲食店を活用した、地域住民との食育イベントを開催しました。
また空手の指導者として、小学生を中心に子どもに対して、武道教育や食育にも携わっています。
30歳まではビジネスの知識を身につけ、経験値を高めたいと考えて必死で頑張ってきました。
30歳からのキャリアを模索したとき、たくさんの方の健康に寄り沿いたい想いと、大好きな地元の愛知県岡崎市を誰もが自慢したい町にしたいという2つの軸ができました。
この2つの軸を掛け合わせた結果、政治活動に結びついたんです。
市政に関わることで、より多くの地域課題や住民のニーズに触れることができると考えました。これは、マーケティングに携わったからこそ得られた視点ですね。
政治活動は、総合格闘技だと思っています。自分の持つ管理栄養士の知識やマーケティングのスキルなど、持っているものすべてを使って挑戦する仕事と捉えてチャレンジしています。
今後は政治活動に専念するために、アイガは契約形態の切り替えをおこない、地域の食をより盛り上げる活動を行なう予定です。
現在の事業に詰まっている想いを教えてください。
日本全体で、健康的な食生活が送れるようにしたいです。
私は、”健康都市岡崎へ”というキャッチコピーを掲げて活動しています。まずは岡崎を意識せずとも、当たり前に健康的な食生活が送れる自治体にしたいです。
そして岡崎市の活動を日本中に広げ、日本全体が意識せずとも健康的な食生活を送れるようにしたいですね。
健康に良いもの、悪いものという判断ができるベースの知識を底上げすることで、健康寿命の延伸にもつながるはずです。そのためにも、食育の推進を大切にしたいですね。
また、素敵な経験や大好きな方たちとのかけがえのない時間を120%楽しむためには、まず健康という土台が必要だと考えています。
不健康な状態では、何かを120%楽しむことは難しいので、私の周りである岡崎市から健康の輪を広げていきたいです。
加えて、自分と同世代である若い世代や政治に関心がない方々に対して、政治を身近に感じてほしいと思っています。
私は、フラットな視点を持って活動することを大切にしています。最も身近な政治家が私という自負があるので、一緒にこの町の課題に取り組んで夢を叶えていける方が増えたら嬉しいです。
今後の展望について教えてください。
管理栄養士の社会的立場をより良くしたいです。
また、今後の展望として、管理栄養士の社会的立場をより良くしたいという想いもあります。
管理栄養士の立場が向上し、目指す方が増え、管理栄養士が増えることで、管理栄養士の声が世の中に届くはずです。
すると、食で健康になれる方が日本中に増えていくと思います。
管理栄養士で政治活動をしている方は、ほかの医療職と比べると圧倒的に少ないです。
私のことを知っていただき、『管理栄養士×政治』という選択があることを学生が知ることで、1人でも多くの方に管理栄養士に興味を持ち、志望する方が増えたら嬉しいですね。
最後に読者の方に伝えたいことは、点と点は線になるということです。
私の場合は、管理栄養士の資格を持ち、マーケティングの経験と政治活動を掛け合わせています。それによって人々の健康を守るだけではなく、管理栄養士の地位向上につながると実感できているんです。
遠回りのようで、全く異なる経験が線となって道が開けることがあります。何にでも好奇心をもって学んできたことで、管理栄養士とマーケティング知識が政治活動への一歩を踏み出すきっかけになりました。
本多 勝(ほんだ しょう)
居酒屋を経営する父から影響を受け、幼い頃から管理栄養士を志す。管理栄養士の資格を持ちつつ、企業でマーケティング、SNS運用などに携わり、現在は食と健康をテーマに岡崎市で市議会議員選挙に出馬中。