自立した健康とシステムづくりへの挑戦!【ポケット先生/ 医師】

ポケット先生(医師)

向井千秋さんに憧れて医師を目指す。医師として働きながら、日常診療の患者説明の補足としてInstagramを開始。現在はSNSプラットフォームを活用し、自立した健康管理をできる人を増やしていくために活動している。

記事の見どころ
  • ポケット先生の背中を押した2人の女性の存在
  • 私の唯一褒められた強みがSNS発信を飛躍させた?
  • 健康管理のシステム作りに挑戦していく!

医師を目指したきっかけを教えてください

ポケット先生

2人の女性の存在が、私の背中を押してくれました。

私は宇宙飛行士の向井千秋さんに憧れていました。医師でありながら、別の道に挑戦する精神と新しいことにチャレンジしている姿は、同じ女性としてかっこよかったです。

「私も向井さんのような女性になりたい」と思うようになり、医師を目指すようになりました。今でも、向井さんは私の憧れであり、原動力となっています。

また、母からも「手に職をつける学部に進学してほしい」と言われていました。母子家庭で育ったこともあり、母からの希望はどうしても叶えたかったです。

私の憧れと母の希望がちょうど重なり、改めて医師という職業を志すこととなりました。そして高校を卒業し、医学部へ進学することとなります。

もちろん楽な道ではなかったですし、自分に自信がありませんでした。周りからの評価と自己評価にギャップを感じ、プレッシャーや重圧に追い込まれる日々を送っていたかと思います。

ただ、どんな時も向井さんと母の2人の存在が、私の背中を押してくれていましたね。その支えが力へと変わり、医師の国家資格を取得することができました。

これからも2人の女性の存在を胸に、医師として1人でも多くの人の役に立ちたいです。

現在の事業を始めたきっかけについて教えてください

ポケット先生

日常診療の補足としてInstagramを始めました。

研修医として働き始めてからは「ダメダメな自分」が浮き彫りになり、多くの失敗と学びを繰り返していく毎日を過ごします。

それでも本質的な学びを得ることができて、辛いけど充実した日々を送ることができました。それから一生懸命勉強しましたが、今でも学術研究や職位も所詮大したことのないワーママ勤務医だと自分では思っています。

そんな私でも唯一褒められたことがありました。それは患者満足度の高さと、コメディカルからの評価の高さです。

ポケット先生

この特性はSNSに向いているかもしれないと感じました。

診療において、患者さん一人ひとりに対して十分な説明を行い、不安を軽減することが重要です。しかし、限られた時間やリソースの中で、これを実現するのは容易ではありません。

そのため、最初は日常診療の患者説明の補足としてInstagramを開始しました。その反響は思った以上で、短期間でフォロワーさんと繋がることができました。自分としても自信につながる出来事となりました。

それからはフォロワーさんとの積極的な対話を通じて健康意識を高め、積極的な健康管理を促進することを目指しています。こうした多角的アプローチを行い、健康に関するバランスのとれた情報を多くの人々に届けていきたいです。

現在の事業について教えてください

ポケット先生

SNSを活用し、健康管理に関する情報を発信しています。

現在はInstagram、YouTube、VoicyといったSNSプラットフォームを活用し、健康管理に関する情報を発信中です。医療現場での経験を活かして、日常生活で実践できる健康管理のヒントや最新の医療情報を提供しています。

日本の医療システムは大変恵まれていますが、逆にその影響で「病気やケガになっても病院へいけば大丈夫」と思う人が増え、一般の方の自己健康管理の意識はどんどんそがれている現状があります。

またこの現状をいいことに、不安を煽る健康ビジネスの増加に強い危機感を感じています。だからこそ、正しい情報や本質的な健康管理の情報を発信する必要があるのです。

私は病院の枠を超えてSNSを活用し、一般の方の生活の一部に溶け込もうとしています。これにより社会全体の健康意識を高め、医療の枠組みを超えた新しい形の健康管理を実現していきたいです。

そして、医療とSNSのコミュニケーションを通じた、新たな可能性を切り開いていきたいと思っています。

これからのビジョンについて教えてください

ポケット先生

健康管理のシステムづくりに挑戦していきたいです。

私は自立して健康管理ができる人を増やしていきたいと考えています。SNS発信はとても有効なツールではありますが、それすらも情報リテラシーの格差を埋めるには限界があります。

ポケット先生

そのためには次のステップに進むことが大切です。

私は次のステップに進むためにも、健康を管理するシステムづくりが必要だと考えています。「日常生活の中で自然に健康管理に取り組める」そんなシステムづくりに挑戦していきたいです。

その答えは、今の私の中にはありません。セミナーなのか、健康経営なのか、多くの挑戦と失敗を繰り返して探していきたいと思っています。そのためにも、SNSを通じた啓蒙活動をさらに展開し、デジタルメディアの力を最大限に活用していきたいです。

そして情報が溢れる現代社会ではありますが、妥当で有益な健康情報を提供し続けていきます。これからも本質的な健康管理の情報を穏やかに発信し、少しでも自立して健康管理ができる人を増やしていくことが私の使命です。

hospassを通して読者に届けたいことを教えてください!

ポケット先生

あなたの人生経験が「芸の肥やし」になります。

医療業界は職種にもよりますが、比較的女性が多い職場だと思っています。私もそうでしたが、出産や妊娠をはじめとするライフイベントで、仕事を休まざるを得ない状況が来るかもしれません。

こうして休職したあとに、職場復帰するのにも勇気や不安は必ずついて回ります。心のモヤモヤを抱えたまま仕事をするのは、ものすごく辛いことです。

また女性以外の方も、さまざまな理由で一度はキャリアに挫折した人もいると思います。それでも、医療が好きなうちは諦めないでほしいです。

ポケット先生

諦める以外の選択肢が見つけられると嬉しいです。

医療は人生と密接に関わるがゆえに、内面の葛藤や挫折はコミュニケーション能力として「芸の肥やし」にしていける。そんな素晴らしい職業です。

だからこそ「諦める」選択肢ではなく、関わり続けられる選択肢を見つけてみてください。みなさんが望めば、必ず道は見えてくるはずです。

そして一緒に多くの人に正しい健康を届けていきましょう。みなさんと一緒に、より良い健康的な社会を創り出せたら嬉しいです。

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