- 看護師になる前は介護福祉士を目指していた。
- 自身の妊活経験から、妊活における栄養の大切さと心の在り方を伝えたいと考え、妊活サポート事業をスタート。
- 妊娠できる心と体の土台づくりだけではなく、自信を持って人生を歩む女性を増やしたい。
医療従事者を志したきっかけを教えてください。
人の役に立つ仕事をしたいと考えたからです!
高校進学時には、介護福祉士を取得するために福祉科のある高校を選びました。介護福祉士を志したのは、人の役に立つ仕事がしたいと考えたからです。
自閉症の子どもを育てる漫画で、登場人物が保育士の言葉に救われる姿を見て、自分も人を助ける仕事をしたいと思ったのがきっかけでした。
私は大家族の家庭で育ち、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんに可愛がってもらって育ったので、周りの人より高齢者と関わる機会が多く、ボランティアで老人ホームに行ったときに「ありがとう」と言ってもらえて嬉しかったことも介護福祉士を選んだ理由ですね。
福祉の実習をするなかで、あるとき福祉の知識だけでなく医療の知識が必要だと感じました。
看護師資格を取得した方がより幅広い視野で患者さまと関わることができると考えて、看護師を志望するようになり、看護専門学校に進学しました。
福祉の道を検討していた私でしたが、看護実習を経て「母性や小児領域が楽しい」と感じるようになりました。
実際に看護師として働き始めていかがでしたか?
とんでもないところに来てしまったと思いました。
赤ちゃんが好きだったので産科やNICUで働きたいと思い、大学病院に就職しました。
実際にNICUで働いてみると、想像以上に重症な赤ちゃんが多いことにギャップを感じましたね。
実習は地域の周産期医療センターだったので、そこまで重症度が高い赤ちゃんがいたわけではなかったのですが、就職した大学病院は総合周産期医療センターだったので衝撃を受ける日々でした。
「数百グラムで産まれる赤ちゃんがこんなにいるんだ」、「高齢出産をするお母さんや10代のお母さんがこんなにいるんだ」ということを知りました。
裕福な方も生活保護の方など、さまざまな年齢や背景を持つ方が周産期医療センターにいて、周産期は日本の縮図だと実感しましたね。
さらに衝撃を受けたのは、赤ちゃんが亡くなったことです。
染色体異常で出生後すぐに亡くなってしまったり、小さく生まれて順調に経過していた赤ちゃんが突然亡くなってしまったりしたときは、自分はとんでもない場所に来てしまったのだと思いました。
当時は積極的に自分のメンタル面のケアをしていたわけではなく、同期と話すことで心の整理をしていました。
現在の活動について教えてください。
妊活のサポートをしています。
現在は幅広く妊活のサポートをしています。
食事や生活習慣に関するアドバイス、単発で妊活に必要な栄養やマインドセットのセミナーなどを開催しています。
単発のセミナーでは、知識の定着やマインドの変化がどうしても難しいので、最近は長期のサポートも開始しました。長期サポートでは栄養面のサポートはもちろん、サプリメントの紹介やマインドセットのプチ講座、LINE相談し放題のサービスも提供しています。
>>詳しい活動内容は、浅田さんのInstagramから確認できます。
妊活で悩んでいる方はもちろん、妊娠に関して迷走してしまっている方にもサービスが届くと嬉しいです。
実際に活動をはじめてみると、栄養に関する知識はSNSで学ばれている方が多い印象がありますが、妊活にはマインドも大切だということは、あまり知られていないと気づきました。
特に流産経験している方や妊活を頑張っていてもなかなか授からない方は、自分を責めてしまうことが多いので、1人で抱えないでほしいとお話ししています。
現在の活動を始めたきっかけを教えてください。
自分の妊活がきっかけです。
私自身、なかなか子どもができないと思っていたときに出会ったのが「分子栄養学」でした。分子栄養学とは、1人ひとりに適した栄養素を取り入れることで、健康の維持や増進を目的とした栄養学のことです。
分子栄養学を取り入れるようになってから、朝起きれない、疲れが取れない、便秘などの不調が改善し、栄養のすごさと大切さを実感しました。
より深く学んでいくにつれて、お母さんの栄養が生まれてくる子どもの発達障害や病気、情緒面に影響することがわかりました。
NICUで勤務していた頃を振り返ってみると「当時のお母さんたちの栄養がもっと取れていたら、早産になりにくかったのでは?」と思うこともあり、妊娠中のお母さんの栄養から子どもの病気を予防する大切さに気づいたんです。
それからお母さんになろうとしている人、妊娠中の人たちに、栄養の大切さを伝えたいと思うようになりました。
妊活が長くなっていくと自分を責める方が増えていきます。
私自身もそうでしたが、なかなか妊娠できないときに自分を責めてしまうことがありました。
妊活が長くなってくると「〇〇をしないと妊娠できないのではないか」「〇〇してしまったから妊娠できないのではないか」と日常生活が妊娠するための手段へと変わってしまい、日常生活を全く楽しめなくなってしまったんです。
また常に何かを考え続けてリラックスできない状態が続くと、交感神経が優位になってしまい、さらに妊娠しづらくなるとも言われています。
日常生活を全く楽しめていなかったときに出会ったのが「胎内記憶」の考え方でした。
胎内記憶の考え方では、赤ちゃんが ”いつも楽しそうにしているお母さんのもとにやってくる”ということを知り「いくら栄養を整えたところで、自分が満たされていないと赤ちゃんはやってこないんだ」と気づいたんです。
私の妊活中の気づきから「栄養」と「マインド」、この2つを伝えることで心が軽くなって前向きに妊活できる方を増やしたいと思いました。
胎内記憶を学ぶうちに、妊活だけではなく妊娠中や生まれた後の赤ちゃんとの関わり方においてもマインドがすごく大切だと知ったので、家族が楽しく育児ができるようなサポートをしたいと思っています。
活動に詰まっている想いを教えてください。
妊娠はゴールではなく育児のスタートなので、いいスタートを切るためのサポートをしたいです。
妊活を頑張っている人は、妊娠がゴールになりがちです。しかし、妊娠は長く続く育児のスタートなので「ただ子どもを授かればいい」とは思っていません。
これから何十年と続く育児の中で、親として楽しめなければ人生が楽しくなくなってしまいますよね。だからこそ、自分らしく楽しんで育児できる人を増やしたいです。
NICUでの経験から、赤ちゃんが病気になると重症度に関わらず、家族の生活が180°変わると知っています。
例えば、仕事に復帰したかったけれど辞めざるを得なかったり、次の子どもを諦めなければいけなかったりする方も少なからずいます。赤ちゃんが病気になることで自分を責めてしまうお母さんも多いですし、妊娠期間で切迫早産になるとベッド上で長い時間を過ごさなければならず、お母さんも大変な想いをします。
そんなお母さんたちの姿をみてきて、自分自身も妊活で思うように妊娠できなかった経験もあるからこそ、サポートできることがあると思います。
どんなにマインドや栄養を整えたり不妊治療を行ったりしても、100%妊娠できるかどうかは誰にも分かりません。
もし妊娠できなかったとしても「私は妊娠できなかった」と諦めの人生を送るのではなく「私はこの人生で良かった」と納得できる人生を送れるようにしたいです。
妊娠できたとしてもできなかったとしても、前向きに進む女性を増やしたいですね!
今後はこの事業を大きくして、より多くの方をサポートしたいです。
社会に与えたい影響を教えてください。
「これでいいんだ」と人生を歩める女性を増やしたいです!
妊娠できる心と身体の土台づくりをするのはもちろん、自信を持って人生を歩める女性を増やしたいですね。
医療従事者で病院外で何かをしたいと考えている方には、1歩踏み出す勇気を持ってほしいと伝えたいです。
医療従事者は世間的に安定のイメージがありますが、病院は忙しく自分を犠牲にして働いている方が多いと思うので、自分の身体を大切に働いてほしいと思います。
1歩踏み出すことに勇気は必要ですが、踏み出してみれば意外とできてしまうことも多いです。
病院で働いていた頃よりも、自分が頑張れば頑張るほど成果を得られるし、いろいろな人とのご縁も繋がります。ご縁が繋がると、自分だけでは成し得ないことができますよ。
もしやりたいことをやってみて上手くいかなければ、また病院で働けることが医療従事者の強みだと思います!
浅田桃子(看護師)
看護師として大学病院や総合病院のNICU、小児科、重症心身障害児施設での勤務経験を持つ。自身の妊活経験を経て、現在は重症心身障害児の放課後デイサービス勤務をしつつ、個人事業主として妊活サポートをしている。