コーチングで看護師を幸せに!【青山愛 / 看護師】

青山愛(看護師)

2010年総合病院へ入職。循環器専門病院や訪問看護を経験し、2024年個人事業主としての活動を開始。現在は看護師向けのコーチング事業を展開し、幸せに働ける看護師を増やすために活動している。

記事の見どころ
  • 看護師の困難を目の当たりにし、コーチングに出会った
  • コーチングから幸せに働く看護師を増やしたい!
  • 自分自身の幸せを大切にしてほしい

看護師になったきっかけについて教えてください

青山愛

母が看護師をしていて、身近に医療を感じていました。

私が看護師を目指した大きなきっかけは、幼少期から医療が非常に身近な存在だったことです。母親が看護師として働いていたため、クリニックや病院に足を運ぶ機会が多く、自然と医療の世界に興味を持つようになりました。

本格的に進路を考え始めたのは、高校時代のことです。進路を決める時期に「自分の適性と興味がある職業はなんだろう?」と考えた際に、看護師という職業が自然と浮かび上がってきました。

また、私が得意とする科目は理数系でした。理数系の道を進む中で、女性が活躍でき、最も興味を持てたのが看護師だったのです。

進路決定の際には迷いもありましたが、最終的には「手に職を持ち、安定した職業に就きたい」という気持ちが勝り、看護師の道を選びました。

ただ実は、母からは反対されていました。辛い思いや大変な思いをさせたくなかったようです。それでも、看護師に進むと決めた際には、背中を押して応援してくれました。今では、1番の理解者であり、よき相談相手でした。

看護師には「人の命に関わる仕事」という責任感と「自分の人生を支える強い資格」という安心感があります。今でも「看護師」という仕事に誇りをもち、仕事を続けることができています。

臨床現場に出て感じた想いを教えてください

青山愛

困難もありましたが、やりがいを感じながら仕事をしてきました。

看護師として働き始めてみると、嬉しい瞬間がたくさんありました。とくに印象的だったのは「患者さんの回復過程を目の当たりにすること」です。

循環器病棟やCCUでの勤務では、悪化する患者さんもいれば、治療を通じて回復する患者さんもいます。その中で、歩けるようになったり、退院する姿を見られる瞬間がたくさんありました。

このように、感謝の言葉をかけられたり、笑顔で退院してから病棟まで会いに来てくださる時は、私にとって最も嬉しい瞬間です。自分が提供したケアで、直接患者さんの回復に繋がることを実感できることが、看護師としての最大のやりがいでした。

しかし、やりがいだけではなく、困難な経験も数多くあります。昔ながらの風習や、先輩スタッフとのコミュニケーションの難しさなど、伝統的な医療現場での課題に直面しました。

とくに看護師として働き始めた当初は、右も左も分からなかったです。中には厳しい先輩もおり、指導の厳しさに戸惑うこともありましたが、とにかく「患者さんのために」と勉強しました。

それでも、周囲の人間関係には恵まれていたかと思います。同僚や先輩たちとのつながりが、私にとって非常に大きな支えとなりました。その頃のスタッフとは、今でも連絡を取り合うほどの仲間たちです。

良い仲間や先輩に恵まれたことで、看護師としての困難な日々も乗り越えることができました。看護師は、大変なこともたくさんありますが、やりがいを感じることができる素晴らしい職業です。

現在の事業内容について教えてください

青山愛

看護師向けのコーチング事業を展開中です。

現在は、看護師向けのコーチング事業を展開中です。おもに看護師が自分の価値観や目標を見つけ出し、充実した人生を送れるようにサポートしています。

看護師向けのコーチング事業は、看護師として働く中で感じた職場のストレスや、人間関係の課題を解決するためにスタートしました。とくに看護師は、命を預かる重責と長時間勤務のストレスから、自己犠牲が当たり前になってしまうことが多いです。

私自身がそうでした。そんな時に出会ったのが、コーチングです。私もコーチングを受けた経験があり、その中で自分自身の価値観や目標が明確になったことが、人生を変えるきっかけとなりました。

だからこそ、同じような悩みを抱えている人にも「看護師でも自分自身の幸せを追求すべきだ」という想いを届けたいと思ったのです。私はコーチングを通じて、看護師たちのより良い働き方と人生をサポートしていきたいと考えています。

私のコーチングでは、職場環境や人間関係の問題に対しても、前向きに取り組むための思考法を身につけることを重視しています。看護師としての役割を果たす一方で、個人の人生の目標を明確にし、そのためにどう行動すべきかを一緒に考えることを意識しているのです。

コーチングを受けた看護師たちは「今までの職場の悩みが軽減され、仕事に対してポジティブな考え方ができるようになった」と嬉しい感想を寄せられています。これからも前向きな看護師が増えるように、一人ひとりが充実した生活を送れるようにサポートしていきたいです。

現在の活動への想いを教えてください

青山愛

看護師自身が幸せに働いてほしいです。

私は看護師として働く中で「看護師自身が幸せであることの重要性」を感じます。私だけでなく、多くの命を預かるという重責の中で、たくさんの看護師が心身ともに疲弊している姿を見てきました。

しかし、看護師が自分を犠牲にしすぎると、最終的には患者さんにも良い影響を与えられなくなると考えています。だからこそ、看護師一人ひとりが自分の価値観や人生の目標を持つことが、より良い医療を提供するために必要なのです。

青山愛

まずは自分を大切にしてほしいです。

私のコーチングにおいて、重要なポイントは「まずは自分を大切にする」という考え方です。単に仕事上の問題を解決するだけではなく、看護師一人ひとりの人生全体を見つめ直す機会を提供します。

自分の人生に対する目標を明確にすることで、仕事に対するモチベーションが向上し「頑張るぞ!」と前向きになる看護師たちが多いです。その結果として、転職や退職を考えていた看護師たちが、再び看護の仕事に対して前向きな姿勢を持つようになるという事例も増えています。

このように、少しでも仕事に対して前向きな人が増え、幸せに働く看護師が増えていったら嬉しいです。私は「看護師が幸せであれば、職場環境も良くなり、患者さんにも良い影響を与えることができる」と信じており、これを実現するために全力で取り組んでいます。

今後のビジョンについて教えてください

青山愛

病院にもコーチングを普及していきたいです。

現在は看護師向けのコーチング事業をしていますが、将来的にはさらに大きな目標を掲げています。それは「病院全体をコーチングする組織コーチングの導入」です。

単に看護師個人を支援するだけでなく、病院という組織全体の幸福度を向上させていきたいと考えています。組織としての幸福度が上がれば、そこで働くスタッフはもちろん、患者やその家族、さらには病院経営にも良い影響を与えることが可能です。

病院全体をコーチングし、看護師をはじめとする全スタッフが幸せに働ける環境を作りたいと思います。そして、患者やその家族にも良い影響を与えられる社会を目指していきたいです。

青山愛

病院だけでなく、教育機関でも導入していきたいです。

また「看護師を支援するだけでなく、看護学校や医療機関のカリキュラムにコーチングを取り入れたい」という想いがあります。看護学生の時点でコーチングを学ぶことで、自己理解を深め、より良い医療人としての基盤を築くことができると感じているのです。

さらに、最近では医療コーチングという考え方もあります。看護師が患者さんに対してコーチングを行うことで、患者さんの疾病に対しての考え方やセルフケアなどの向上にも役立っているのです。

そういった面でも看護師個人個人がコーチングの知識やスキルを習得することは重要だと考えます。さらに、看護師として「傾聴」が重要なスキルです。これはコーチングでも重要なスキルで、看護師は良いコーチになれる素質を持っていると考えます。

このように、若いうちにコーチングに触れることで、看護師としてだけでなく、一人の人間としての人生に大きなプラスをもたらすことができると思います。結果として、幸せに働く看護師が、少しでも増えるきっかけにつながれば嬉しいです。

この2つ目標は、まだ実現の途中ですが、着実に一歩ずつ進んでいきます。

hospassを通して読者に届けたいことを教えてください

青山愛

まずは自分自身が幸せになりましょう!

私は「まずは自分自身が幸せになることの重要性」を伝えたいと思います。看護師という職業は非常に尊い仕事ですが、その責任感や使命感ゆえに、自分自身を犠牲にしがちです。

自己犠牲の働き方は長続きしません。自分が幸せで満たされていると「自然と周りに対しても良い働きかけができた」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

私自身も看護師として働く中で、喜びややりがいを感じてきました。その一方で、自分を大切にしなければ、心身ともに疲弊してしまうことを痛感してきたのです。

自分自身が幸せであれば、自然と他者にも優しく接することができますし、仕事に対する意欲も向上すると思います。だから私は「看護師が自分自身を大切にし、幸せであることが、結果的に患者や職場環境にも良い影響を与える」と信じているのです。

また、すべての人が「自分を大切にし、自分の人生を楽しむために仕事をする」という視点を持ってほしいと思います。看護師という職業に限らず、自分の幸せを優先しながら仕事を続けていける人が増えたら嬉しいです。

そして、その幸せが患者や家族、職場全体に広がっていくことで、医療現場全体の幸福度が向上する未来を夢見ています。私のコーチングが、そのきっかけの1つにしていきたいです。

私はこれからも、看護師一人ひとりが自分の人生を見つめ直し、より良い未来を描けるようにサポートしていきます。

予防の重要性を伝え、みなさんの生活が少しでも健康な方向に向かっていくと嬉しいです。

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