- アメリカの留学時代に「音楽療法」と出会った!?
- 理事長からのお誘いで、全く違う分野に飛び込むことに・・
- 挑戦することが中山さんを大きく成長させてきた!
音楽療法士になろうと思ったきっかけを教えてください。
アメリカで音楽療法に出会ったことがきっかけです。
私は幼少期にアメリカで過ごした経験や、高校時代には留学経験もあります。常に海外への意識が向いており、大学もアメリカに進学することを決めました。
そして、アメリカで「音楽療法」という分野に出会い、その魅力に引き込まれていくこととなります。それには、私自身が音楽に助けられてきた経験をしたことが大きかったです。
アメリカ留学時代、言語や文化の違いに戸惑い、周囲とのコミュニケーションに苦労していました。その際に音楽を通じて、言葉では伝えられない思いや感情を表現し、周囲との一体感を感じることができたんです。
この経験から、音楽が人々の心にどのような影響を与えるのかをもっと深く知りたいと思うようになりました。そして「音楽療法士」になる道に進むことを決意したのです。
音楽療法士としての実習先を探していた際、とくに興味を引かれたのが医療現場でした。多くの音楽療法士が、学校や福祉施設といった場所で活躍しています。ただ、病院では多職種が連携して患者の健康問題に取り組んでおり、その躍動感やチームワークに魅力を感じたのです。
また医療現場では、患者の心と体の両面にアプローチすることが求められます。その中で、音楽療法士として貢献できる部分が、まだ多く残されていることに気づきました。この未開拓の領域に挑戦することで「医療現場で活躍できる!」と心が踊ったことを覚えています。
音楽療法士としての活動への想いを教えてください
音楽を活かして人々の人生を支えたいです。
音楽療法は音楽を聴いたり、歌を歌ったりするだけではありません。楽器の演奏や歌唱、リズムに合わせた身体の動きなど、さまざまな方法でコミュニケーションの道を開くことができます。
また、患者さん一人ひとりのニーズに合わせたプログラムを作成することが重要です。言語的なコミュニケーションが困難な場合でも、音楽を使って感情や意欲を引き出すことを目指していきます。
私は常に、音楽を通じて「どうすれば患者さんがより良い生活を送ることができるか」を考えていました。その結果、音楽が持つ非言語的な力を活用し、患者さんが自己表現をする機会を増やすことで、社会との繋がりが深まる場面を目にし、そのたびに大きな喜びを感じました。こうした瞬間に立ち会うたびに、音楽が持つ力の大きさを実感し、音楽を活かして人々の生活を支えたいという想いが強まりました。
音楽療法のすばらしさを日本にも広げたいです。
しかし、日本では「音楽療法」は普及しきれていません。私自身も、アメリカから日本に帰国したときは、就職活動に困った経験があります。それでも「音楽療法士の活動を続けたい!」と思い続け、今の病院へ入職することができました。
さまざまな現場で音楽療法を実施してきましたが、音楽の持つ力に毎回驚かされます。音楽は、言葉では伝えられない感情や想いを引き出し、患者さんとの信頼関係を築く重要な手段です。
これからも音楽のすばらしさを伝え続け、多くの人たちの可能性を広げていきたいと思います。少しでも音楽療法に興味を持ったり、音楽療法士の活躍の場が増えたら嬉しいです。
現在の活動について教えてください
カンボジアでの病院運営などに携わっています。
私は音楽療法士としてのキャリアを続けながら、日本での医療現場に対する理解を深めていました。そんな時に、理事長から「新しい挑戦をしてみないか?」とのお声かけいただき始まったものが、カンボジアでの医療プロジェクトになります。
今まで医療の現場で働いてきた身として「新しい環境で自分には何ができるのか」と不安もありましたが、自分自身の可能性を信じて、挑戦に踏み出すことを決めました。
カンボジアでの病院立ち上げを経験させて頂き、今では病院全体のマーケティング・コミュニケーション部門の責任者を務めています。
よりよい医療を届けるためには、病院と地域社会の強い連携が不可欠です。そのため、患者さんと病院間のコミュニケーションを円滑にする施策を取り入れ、患者さんが安心して治療を受けられる環境作りを進めています。
病院運営に加えて、飲食事業などにも深く関わっています。
病院内にあるカフェの運営や、入院患者さんへの病院食の提供を行っています。病院食は単に食事を提供するだけではなく、患者さんの栄養バランスを考慮し、回復のサポートに励んでいるのです。
またカフェでは、外来患者やその家族が利用できるスペースとなっています。健康をテーマにしたメニューを展開し、病院内での過ごし方に新しい価値を提供中です。患者さんやその家族がリラックスできる場として機能しており、医療施設内でも心の健康をサポートする役割を果たしています。このように多角的に関わり、医療が持つ可能性を広げていきたいです。
現在の活動への想いを教えてください
人々が幸せに暮らし、充実した生活を送れる社会を作りたいです!
私には「ゼロから作り上げる挑戦」と「地域社会への貢献」という二つの大きな軸があります。関わってきた多くのプロジェクトが、ゼロベースからのスタートであり、一から何かを築き上げる過程を経験してきました。
もちろん試行錯誤や課題も多く、上手くいかないことばかりです。それでも、挑戦する過程に深い満足感とやりがいを感じています。このやりがいと成長してきた自分の姿が、私を突き動かす原動力です。
また私には「人々の生活をより良くするために、日々自分にできることをする」という想いがあります。音楽療法や病院運営、飲食事業など、「日々自分にできること」として、患者さんの健康を多角的にサポートすることに全力を注いでいる最中です。
カンボジアのように医療インフラが整っていない地域では、医療施設が地域住民の健康を守るだけでなく、社会の発展に寄与すると考えています。医療サービスを通じて、地域社会全体の健康レベルを引き上げ、持続可能な医療体制の構築を目指していきたいです。
そして人々が幸せに暮らし、充実した生活を送れる社会を作っていきたいと思います。そのためにも、地域社会に貢献するという視点を持ちながら新たな挑戦を続け、より良い未来を築き上げるために全力で取り組んでいくつもりです。
これからも、音楽療法や病院運営、飲食事業を通じて、社会全体に健康と幸福を届けていきたいと考えています。
hospassの記事を通して伝えたいことはありますか?
人間の可能性は無限大です!
私の活動は、音楽療法士としてのキャリアから始まり、病院運営や飲食事業と常に新たな挑戦の連続でした。とくに音楽療法とは全く異なる病院管理や飲食事業に飛び込む際には、不安でいっぱいでした。
しかし、その不安を乗り越え、次々と新しい分野に挑むことで、成長した自分に出会うことができました。成長した先には、新たな知識や技術の取得はもちろん、いつだって新しくワクワクする世界が見えます。
今までの経験が、自分への満足感と地域への社会貢献に繋がる重要な要素です。だからこそ「人間の可能性は無限であり、新たな挑戦を通じて自分を成長させることができる」というメッセージを伝えたいと思います。
医療の力は、地域社会全体を支えることができることを忘れないでください。
私自身も音楽療法や病院運営、さらには飲食事業を通じて、私は常に地域社会との連携を重視してきました。
その結果、質の高い医療を提供するだけでなく、地域の人々との関わりを深めることができたと思っています。
患者さんや地域の方々に健康の大切さを伝え、医療の枠を超えたサポートを提供することが私たち医療従事者の使命です。みなさんも新しい道が開けていくと信じて、自分の興味や情熱を持って前に進んでいきましょう。
きっとその道の先には、自分自身の成長だけでなく、社会全体への貢献という大きな成果が待っていると思います。私の経験が、みなさんの未来に向けた挑戦の後押しとなれたら嬉しいです。
中山美穂子(音楽療法士)
アメリカの大学にてインターン経験をした後、米国認定音楽療法士の資格を取得。音楽療法士として活動後、日本に帰国し2004年に病院へ入職。現在は音楽療法士の活動を超えて、海外での医療プロジェクトにも携わっている。