- はじめは料理人を目指していたが、ボランティア活動中に倒れた方と遭遇したことで、医師を目指した
- スポーツでケガをした人に適切な医療を届けたいと考えて、日本一の整形外科医を志す
- 医療業界の不便な常識を変えるべく活動中!
医師を目指したきっかけを教えてください
父親が内科医をしていたことと、道で倒れた方に遭遇したことがきっかけです。
父親が内科の開業医をしていたことが一番のきっかけです。
父親の家系が医師家系で、医師の仕事が身近にあり、幼い頃から自分がサラリーマンとして働く未来は想像できませんでしたね。ただ、初めから医師になりたいと思っていたわけではなく、レストランでバイトをしていたことから、大学生までは料理人になりたいと考えていました。
レストランのオーナーから大学には行ったほうがいいと勧められたので、高校卒業後は昼はレストランで働き夜間に大学に通う生活をしていました。
そんな中で骨折をしてしまい1年半ほど働けず、炊き出しのボランティアをしながら、自分の将来を見つめ直していたときに道で倒れて血を流していた方に遭遇したのですが、私は倒れた方を前にして何もできなかったんです。
「もし医師だったら、何かできることがあるかもしれない」「人の役に立つ仕事がしたい」と感じ、その日を境に医学部を志すようになりました。料理人を目指しながら夜間に通っていた大学を中退して、2年間の勉強を経て医学部に合格できました。
整形外科医を目指したきっかけを教えてください
スポーツでケガをする人を治療したいと思ったからです。
学生時代は帝京大学のラグビー部に所属していて、スポーツでケガをする方をたくさん見てきました。自分も骨折したことで人生が変わったので、漠然と整形外科に興味を持っていましたね。
初期研修医の頃、ラグビーのメッカといわれる菅平の診療所で手伝いをすることになりました。夏の菅平には、子どもから大人まで、幅広い世代がラグビー合宿のために集まりますが、たくさんの方が合宿中に骨折や脱臼をして来院されていました。ケガでラグビーができなくなることがわかって悔し泣きする姿は、よく印象に残っています。
トップチームにはチームドクターが在籍しているため、合宿先から戻った後もケアを受けられます。しかし、地方のチームだと専属の医師がおらず、地元で継続して治療できる場所を探すことが難しいケースもあります。
また、整形外科医の中には、患者さまがスポーツをしていたという背景を鑑みずに治療をする医師も多くいて、スポーツへの復帰を目指すには満足な治療が受けられないこともあります。率直に「ちゃんとした整形外科医療を提供する医療機関が少ない」と感じてしまったんです。
スポーツでケガをする方に適切な治療を提供できる整形外科医になりたいと思って、整形外科医を志すようになりました。
現在行なっている事業の内容を教えてください
スポーツ、関節鏡手術、人工関節手術に特化した整形外科の運営をしています。
整形外科医になることを決意してからは、整形外科の中でもスポーツ整形が強い病院で経験を積みました。いくつかの病院を経験しましたが、整形外科に特化していた嶋崎病院は自分にとって理想的な病院だと感じました。嶋崎病院での経験を通して、日本一の整形外科病院を自分で開院したいと思うようになったんです。
そこから『なか整形外科』の理事長の経験を経て、分院を開設する形で『なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック』を開院しました。
現在の事業に詰まっている想いを教えてください
大学病院以上の整形外科医療を、小回りのきくクリニックでも受けられると知ってほしいです。
患者さまの背景をしっかり知った上で関わることを大事にしています。
また、待ち時間を減らすことや、予約のしやすさも考えています。どこの病院でも待ち時間が長いですよね。たとえば、すぐに治療を受けたいのに次の予約が2週間後とか、予約しているのに待っている時間が長いこともあると思います。そうならないように、小回りがきくことを大切にしています。
『なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック』では、大学病院で受けられる以上の治療を提供しているので、待たなくても良い治療が受けられることを知っていただきたいです。
社会にどのような影響を与えたいか教えてください
医療業界の不便な常識を変えたいです。
長時間待たなければ診療を受けられない、予約が取りにくいといった不便さを変えたいと思っています。たくさんの医療従事者が課題を感じているのに、それでもなかなか変わらない医療界を変えていきたいですね。
2024年10月15日に『なか整形外科本院』がリニューアルオープンします。入院手術ができ、建物も新しくなるので、身体のつらさを抱える方に来院いただければと思います。
私は日本一の整形外科を作りたいと思って独立しました。少しずつ理想の形に近づいているので、これからも患者さまにとってより良い整形外科クリニックになるように頑張っていきたいと思います。
樋口 直彦(医師)
学生時代のボランティア活動中に倒れていた人に遭遇したことで、進路を変更して医師を志す。現在は『なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック』の院長として、良い治療を待たずに受けられるクリニックを目指している。