健やかな身体と心で、いきいきと輝ける社会づくりに貢献したい!【石田佑也 / 理学療法士】

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石田佑也(理学療法士)

学生時代の陸上競技部での経験や、交通事故で入院した際に同室の方がリハビリしている姿を見たことで理学療法士を志すようになる。資格取得後、理学療法士として東京オリンピックにトレーナーとして参加。現在は産業理学療法士とビデオグラファーの二刀流で活躍中。

記事の見どころ
  • 東京オリンピックにトレーナーとして参加!
  • コワーキングスペースに身を置くことで活動の幅が広がった。
  • 社会で働く方には1分1秒ベストなコンディションで生活してほしい!

医療職を目指したきっかけを教えてください

石田佑也

アスリートのトレーナーになりたいと思っていたことがきっかけです。

医療職を目指していたのではなく、最初からアスリートのトレーナーになりたいと思っていました。

高校時代に陸上競技部で活動していて、1年生の頃からトレーニングメニューを作っていました。部長やキャプテンとして指導をする中で、トレーニングや選手のサポートに関して興味が湧くようになったんです。

しかし、当時はまだトレーナーの仕事が確立されていなかったので、将来の仕事をどうしようかと悩んでいました。

大学生の時に交通事故で病院に入院し、そこで理学療法士の存在を初めて知り『理学療法士が最もトレーナーに近く、かつ仕事としても確立されている仕事だ』と思い、目指すようになりました。

理学療法士になってみていかがでしたか?

石田佑也

理学療法士のトレーナーとして東京オリンピックに参加できました!

理学療法士の養成学校に通っていた時期に、2020年のオリンピックが東京開催に決まりました。そこで、東京オリンピックにトレーナーとして出ることを決意し、逆算して理学療法士のキャリアを積むことを考えました。

2014年に養成学校を卒業し、整形外科のクリニックに就職。少しでもスポーツ選手に関わる機会がある病院を探していたため、総合病院は選びませんでした。クリニックは、自由にキャリアを積むことができた環境でしたね。

2019年までは常に『オリンピックに出るためにはどうすればいいのか』を考えながら行動していました。オリンピックやスポーツに関わるため、学会、勉強会、コミュニティなど、さまざまな場所に参加。陸上競技選手を中心にトレーナー活動を行いました。

念願だった東京オリンピックのアスリートフィジオの推薦をいただけたときは、本当に嬉しかったです。

石田佑也

無観客の難しさを感じることもありましたが、トップアスリートの近くで仕事ができて刺激的でした!

オリンピックの現場は自ら率先して動かなければいけない環境だったので、私が率先して理学療法士の業務マニュアルを作りました。

現場で心がけていたのは、カタコトでも外国人選手と英語でコミュニケーションを取ることです。普通に考えたら、トップアスリートが異国の理学療法士にトレーニングを頼むわけがないんです。仕事は待っていても来ないので、自分から積極的に動いてサポートのチャンスを掴みました。

現在の活動を教えてください

石田佑也

『メディカルとクリエイティブの二刀流』で活動しています。

メディカルの分野では、産業理学療法士、SNS監修、アスレティックトレーナーという3つの軸で活動しています。

産業理学療法士としては、企業に理学療法士を派遣し、福利厚生という形で社員の健康ケアを行っています。個別でのストレッチケアやグループセッションなど、さまざまな形で展開しています。また、医療の知識を活かしてアプリ、SNSの監修も担当中です。病院で働いていた時にやっていた、アスリートのコンディショニングなども継続しています。

さらに、ビデオグラファーとしても活動しており、医療機関や美容室、ピラティススタジオなどの店舗PRやリクルート、社内教育といった動画を撮影から編集まで担当しています。映画「逃走中 THE MOVIE」の演出監修や逃走シーンの撮影にも入らせてもらったこともあるんです。

クリエイティブに関しては、理学療法士・アスレティックトレーナーだからこそ、必要なシーンや伝えるべきことなどを理解・提案しながら制作できることが強みだと思っています。医療機関に関する制作では、リスク管理も一緒に担当させてもらっています。

現在の活動を始めたきっかけを教えてください

石田佑也

産業衛生の分野を突き詰めたいと思ったことがきっかけです。

整形外科クリニックで働いているときから、ビジネスパーソンが身体の限界を迎えてからしか、病院に来ない状況を改善したいと思っていました。

アスリートのコンディショニングは、『アスリートをできるだけベストなコンディションで試合や練習に送り出す』ことを目的としています。アスリートに提供しているコンディショニングをビジネスパーソンに置き換えてみたときに、ビジネスパーソンがベストなコンディションで仕事に従事できる環境づくりがしたいと考えたことが、今の仕事を始めたきっかけです。

石田佑也

ビデオグラファーを始めたのは、コワーキングスペースに入会したことがきっかけです。

2019年から、理学療法士の視点でランニングシューズを紹介するブログを運営しています。2ヶ月で収益化できましたが、いつも作業する場所に困っていました。そんな時に、たまたまオープンしたばかりのコワーキングスペースに入会して作業するようになったところ、医療現場では得られない膨大な知識と刺激を得られました。

また2019年の夏、オリンピックが延期になったことで思いがけず時間ができ、コワーキングスペースの仲間の見よう見まねでカメラの仕事を始めました。

そして、コワーキングスペースのメンバーのつながりで美容室などの店舗撮影やイベントの撮影をさせていただくことになり、収益を得られるようになったんです。今では年収の3割以上がコワーキングの繋がりから得られています。

最初は整形外科クリニックに勤めながら副業として活動していましたが、どうしても時間的に活動の幅が狭くなってしまうため、2022年にフリーランスになりました。

ご自身の活動を通じて、社会にどんな影響を与えたいですか?

石田佑也

健やかな心と身体で、いきいきと輝ける社会づくりに貢献したいです。

私の仕事のテーマは、自分の周りの人が「1分1秒ベストなコンディションで活動してほしい」ということです。今のビジネスパーソンはやりたいことがたくさんあり、身体に負担がかかる働き方をしています。しかし健康でなければやりたいことをすべてやり切る働き方は続けられません。

そして、すべての方が健康的な状態で生活できれば、ビジネスや夢が加速すると思うので、ウェルネスを突き詰めていきたいです。健康的な状態で仕事を頑張る方が増えたら、世の中の事業や人々の夢がもっと加速すると考えています。

ビデオグラファーの仕事では、人の役に立ちたいという思いが強くあります。これからも周りの方の夢が加速するようなお手伝いをしていきたいです。

最後に読者に伝えたいことを教えてください

石田佑也

医療機関以外の場所に参加すると世界が広がることを伝えたいです。

私はコワーキングスペースに入会したことで世界が広がりました。コワーキングスペースでは、医療機関で得たスキルや用語が使えない環境になるんです。みんなが話しているビジネス用語がすべて呪文に聞こえるんですね(笑)しかし、だんだんと話していることがわかるようになって、新しいアイデアが出てきます。

もうひとつ読者の方に伝えたいのは、『意外とやってみるとなんとかなる』ことです。

私が行っているような事業を副業としてやっている方も多いと思うんです。本業と両立できているならいいですが、もし副業の幅を広げたいと思っているなら思い切って医療現場の外に出てチャレンジしてみてほしいです。

病院をやめてからの収入が心配な人も多いかもしれませんが、私の今の目標は、上半期にクリニックで勤務していたときの年収を越えることです。上半期に必死で頑張って目標を達成できると、下半期は楽な気持ちでチャレンジできます。

収入の目標は人それぞれですし、これまでより年収が下がったり上がらなかったりしても、仕事の満足度が高ければ素晴らしいと思います。

私も能力が高いというわけではありませんが、意外に食いっぱぐれることはなく過ごせています。もし事業がうまくいかなければ医療現場に戻ることもできますし、みなさんもやりたいことがあるなら、ぜひチャレンジしてほしいと思います!

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