- 先生に出会わなければ、鍼灸師の道へは進んでいなかった!?
- 入社1年目で気づいた多くの人を救う方法とは?
- 自分をもっと好きになってほしい!
鍼灸師になろうとしたきっかけを教えてください

僕自身が鍼灸師のすばらしさに惹かれていきました。
僕は3歳から大学まで、ずっとサッカーをしていました。でも、実際のところ、僕のサッカー人生の半分以上は怪我との戦いだったんです。小学生の頃から整骨院に通っていて、高校生になるとチームに専属の鍼灸師の先生がついてくれていました。
その先生に診てもらってから「鍼灸ってすごい」と感じるようになりました。施術を受けると身体が軽くなり、パフォーマンスが上がるのが分かったんです。そういった実感が、自分の中に「鍼灸師の仕事ってすばらしいな」という思いを芽生えさせました。
またその後、僕にとっての人生の転機が訪れます。大学でもサッカーを続けていましたが、椎間板ヘルニアを発症してしまい、選手としてはプレーができなくなりました。しかし、学生コーチとしてチームに関わるようになり、支える側の魅力にどんどん惹かれていったんです。
そしてもう一つ、自分の身体の体質も大きな理由でした。僕は本当に体が弱くて、23歳になるまでに5回もの入院経験があります。インフルエンザなどで毎年のように入院していたので「もっと根本から整えないといけないな」と自然に思うようになっていきました。
そして、西洋医学だけでは補えない部分を、東洋医学で見てもらったことで体調が安定してきた実感があり「僕も多くの人に伝えたい!」と思って鍼灸師を目指すことになりました。
臨床現場に出てみていかがでしたか?

僕の活動の原点となる経験ができました!
鍼灸師の資格を取得して、卒業後すぐに鍼灸整骨院に就職しました。そこではありがたいことに、2年目で院長を任され、4年目にはマネージャーという立場で複数の事業に関わるようになりました。
鍼灸や整骨だけでなく、介護事業やエステ、保育園など、幅広いジャンルでの立ち上げにも携わらせてもらって、本当に多くの経験をさせてもらいました。
ただ、そこで強く感じたことが一つあります。それは「自分の手で施術できる人数には限界がある」ということでした。たとえば1日15人診たとしても、年間で約5,000人。だけど、僕が住んでいた尼崎市には何十万人もいるわけで「このままじゃ一生かけても全員は治せないな」と感じたんです。
そこからは、自分の手だけでやることに限界を感じて「じゃあ、どうしたらもっと多くの人を救えるか」を考えるようになりました。その答えが「育成」でした。
自分の技術を他の人に教えて、質の高い治療家を増やしていく。自分が一人で診るよりも、10人の治療家がそれぞれ15人診てくれたら、それだけで150人の笑顔を生み出せる。そんな世界を目指して、教育やマネジメントの道にも進むようになりました。
現場で直接患者さまに「ありがとう」と言ってもらえる喜びは、今でも本当に格別です。でも、もっと広く、多くの人の役に立ちたい。その気持ちが僕を次のステージへと動かしてくれました。
現在行っている活動について教えてください

エステサロン「ANERA」を運営しています。
今は「ANERA(アネラ)」というブランドでエステサロンを運営しています。バストアップ、小顔矯正、毛穴洗浄などを中心とした美容施術を提供していて、直営サロンが3店舗、さらにフランチャイズとスクールを通じて、全国に60店舗以上に技術提供中です。
また、鍼灸の経験を活かした治療サロンも運営していて、美容と医療の中間のようなアプローチを大事にしています。
この活動を始めるにあたって、あるスタッフの変化を間近で見たことが大きかったです。その方は入社当初、自信がなさそうで表情も曇っていきました。ただ、肌がきれいになったり、少しずつ見た目に変化が出てくることで、どんどん明るくなったんです。
1年後には雰囲気も発言も全然違っていて、まるで別人のようでした。そこで「人は自信ひとつで、人生がこんなに変わるんだ」と強く感じました。
その経験から僕の活動は、バストアップや小顔矯正はあくまで手段であって、本当に提供したいのは自信なんです。その人自身が自分を好きになれたり、堂々と人前に出られるようになったり、そういう変化をサポートしていきたいと思っています。
だからANERAでは、見た目の変化だけでなく、心の在り方やマインドの変化をすごく大切にしています。
現在行っている活動への想いについて教えてください

自分をもっと好きになれる瞬間を見つけて欲しいです!
僕が大切にしていることは「自分の人生を、自分のものとして生きていく」ということです。世の中にはたくさんの正しさやルールがあります。
しかし、それが本当に自分に合っているとは限らないと思うんです。だからこそ、自分の心が踊る方向に進んでいくことが、人生を豊かにするんじゃないかなと感じています。
ANERAの運営でも、それはすごく意識していています。たとえば、僕自身があえて現場に立たない仕組みをつくったことも「誰かがいなければ回らない」仕組みにしたくなかったからです。
スタッフ一人ひとりが自分の役割を担って、自分のチカラで輝けるようなチームをつくりたいと思い運営してきました。だから、スクールの講師も僕ではなくスタッフが担当していて、現場は基本的にチームに任せるようにしています。
それは「チャンスを与える」というよりも、「チャンスを共有する」という感覚です。誰かが輝ける場所を、できるだけ多くつくっていく。そしてその中で、自分自身もどんどん成長していく。
美容や治療の技術を通して、お客様にもスタッフにも「自分をもっと好きになれる瞬間」を届けていきたいです。その気持ちが、僕の原動力になっています。
最後に読者に伝えたいことはありますか?

まずは「やってみる」ということが大切だと感じます。
「人生は、いつだって自分のもの」そう思っています。これは僕がいろんな選択をしてきた中で、ずっと大事にしてきた信念です。
医療の世界でも、美容の世界でも「こうあるべき」「こうしなければならない」という枠が本当に多いかと思います。でも、その枠に自分を無理やり合わせてしまうと、いつの間にか自分の人生の舵取りを他人に渡してしまうことになります。
僕自身、今までいろんなチャレンジをしてきました。それはいつも「とりあえずやってみよう」という気持ちから始まっています。正直、最初は不安なことも多かったです。
でも、実際にやってみると、心配していた9割のことは起きないんですよね。むしろ、やったことで出会えた人たち、得られた経験や予想もしていなかった展開が、人生を大きく前に進めてくれました。
やってみた人には、必ずサポートしてくれる人やチャンスが現れます。なぜなら、行動する人はそれだけで周囲から応援されるからです。僕も実際にたくさんの人に助けてもらって、今の活動を続けられています。
今、「自分らしい人生を歩みたい」と少しでも思っているなら、それはもうスタートのサインだと思います。大きなことじゃなくていいので「やってみる」という一歩を踏み出してみてください。その先には、きっと自分でも驚くような景色が待っているはずです。
皆さんの挑戦を応援しています。
松本博喜(鍼灸師)
鍼灸師として臨床を経験し、美容と治療の融合を実現するブランド「ANERA」を設立。自信を提供することを軸に、エステサロン3店舗、全国60店舗以上への技術提供やスクール事業など幅広く展開する。多くの人の人生に変化をもたらすために活躍中です。