- 新人時代のつらくて泣いていた日々。これが私の原点。
- SNSを始めたきっかけは?やりたい看護を実現するために。
- 仕事だけでなく「自分の人生」も大切に。
看護師になったきっかけを教えてください。

母に憧れを抱いていました。
母は看護師をしています。母が楽しそうに仕事の話をしているのを聞いていて、幼稚園生のときから看護師になりたいと言っていたようです。
また小さいころ病気にかかることが多く、よく看護師さんにお世話になりました。優しく接してくれたことで、私もいつか看護師になりたいと感じるようになったのだと思います。
中学生や高校生になっても看護師になりたいという夢はブレることなく、大学まで看護師になるための道を突き進んでいました。
東日本大震災の時には災害医療チーム「DMAT(Disaster Medical Assistance Team)」の活動をテレビで見ていて何かあった時にすぐに行動できるところがかっこいいと感じ、憧れを抱いていました。
看護学生時代はいかがでしたか?

今でも印象に残る素敵な実習ができました。
看護学生時代は、やはり実習の記録が大変でした。友人と図書館で徹夜して記録をしていたこともありましたが、今となっては良い思い出です。
整形外科の実習で、痛みの訴えが強くてなかなかリハビリが順調にできない患者さまを担当したことをよく覚えています。散歩などを提案して、少しずつリハビリにつなげていきました。
実習が休みの日は、私がアルバイトをしていた病院内のカフェまで歩行器で会いに来てくれたり、実習最終日には泣きながら「あなたのおかげでがんばれた」と嬉しい言葉をいただいたりして、今でも印象に残っています。
看護師として働いてみていかがでしたか?

想像と現実のギャップに打ちのめされました。
将来的には地域医療に携わりたいと考えていました。私の地元はとても田舎で、診療所はあるものの週に数日しか開いておらず、年齢を重ねると、市内の大きな病院に入院して最期を迎えることが一般的です。
そういう環境で育ってきたので、最期を自分の住み慣れた好きな地域で過ごせるサービスに貢献したいと考えていました。
老若男女、様々な疾患を学べることを期待して、最初はICUで働きました。しかし、コミュニケーションを取れる状態ではない患者さまも多く、私が期待していた働き方とはまったく違っていました。
また学生時代に知識的な面はたくさん吸収していましたが、いざ臨床の場になると教科書通りになることの方が少なく、本当に苦労しました。最初の頃は、勤務終わりに自宅で毎日泣いていましたね。

やりがいを感じると何事にも打ち込める性格でしたが、当時はやりがいをなかなか見いだせなかったんです。
年数を重ねても気持ちの変化がなく、このまま看護師を頑張り続けることは厳しいと感じるようになっていました。今後のキャリアについてもモヤモヤしていた中で、看護師3年目で大学病院を辞めようと決意。
退職してからは、以前から行ってみたかったワーキングホリデーの準備をしつつ、地元の病院でアルバイトをしていました。その病院では、患者さまとコミュニケーションを取れる機会が多く、やっと自分のやりたい看護を実現できました。
私はコミュニケーションを取りながら看護をすることが好きだったんですよね。
ワーキングホリデーから帰ってきたら一般企業への就職を視野に入れていたのですが、また看護師として頑張ろうと気持ちが変わりました。
SNSの発信について教えてください。

やりたい看護のために始めました!
やりたい看護を実現できたと思った、病院のアルバイトの時給は1,300円。将来の生活のことを考えたとき「この病院のバイトだけでは生きていけない」と感じたのが正直な感想です。
自分のやりたい看護を実現していくためにも収入源を増やすことが必要だと感じ、Instagramの運用を始めました。
きっかけは大学時代の先輩の存在です。当時からInstagramの発信に力を入れられていた方で、その方の講座でノウハウを学んでいきました。その先輩の存在がなければ、Instagramを始めていなかったと思います(笑)
最近は、看護師の発信者が増えていますが、その多くはママさん世代やベテランの看護師の方です。新人看護師さんが、ちょっとした疑問でも聞きやすいような、いわゆるプリセプター世代(看護師3年目〜5年目くらい)の発信者は、まだ多くありません。
そのため年齢的にも立場的にも近い私が発信することで、1年目〜3年目の看護師さんにより親しみを感じてもらえるのではと思っています。

日々意識していることは、私が当時欲しかった情報を発信することです。
臨床現場では聞きづらい内容を、気軽に相談できるアカウントを目指しています。
Instagram運用を早くから運用していた病院勤務時代の先輩の助けもあり、始めてから半年ほどのタイミングで閲覧回数が伸びました。急に1万人以上もフォロワーが増えて、私自身も驚いています。
特にプレゼントしているノートは反響が大きく「勉強する時に使っています」「ずっと分からなかったところが理解できました」と言っていただけたことは、すごくうれしかったです。
新人の頃のつらい経験は、今でもよく覚えています。そして、私のように教科書で調べてもわからないことがたくさんあり、誰に聞いたらいいのかすらわからないことが多くいると思います。
なので、これからは「今更聞けないよね」と感じることについて、DMなどを通じてより近い距離で知識や経験を伝えていきたいです。みんなのプリセプターという感じで、看護の知識を伝えるだけでなく、看護師自身のQOLも上げていきたいと思っています。
活動に詰まる想いを教えてください。

みなさん、もっと自分の人生に目を向けてもいいのかなと思っています。
ワーキングホリデーで海外に住んでみて、仕事以外の時間も大切にしている文化があると気づきました。日本では仕事に重きを置く方が多い印象ですし、医療職は特にそうかもしれません。
しかし、看護学生時代の友達や先輩など、夜勤ありのフルタイムで無理をして体調を崩してしまう方も多くみているので、自分にあった働き方を選択し豊かになる方が増えるよう後押しをしていきたいです。
また私の活動を通して、大切な人と過ごす時間や人生を楽しむことに目を向けて、充実した人生を送ることの大事さを伝えたいなと思っています。
私は、やりがいを感じられなかった職場を辞め、違う病院でアルバイトをしてみたことで「また看護の仕事をしたいな」と思えるようになりました。
看護師をやめたいと思っている方も多いと思いますが、ちょっと勇気を出して行動してみてもらえたら、大きな転機になることもあると思います。
看護師みや(看護師)
看護師の免許取得後、大学病院のICUにて勤務。3年目で退職しワーキングホリデーで海外へ。現地では臨床からは離れるも、若手看護師に向けて「今更聞けない知識・スキル」ついてInstagramで発信を開始。やりたい看護を実現するために、看護師×SNSの二刀流を体現中。