産後のママさんを一人にしない【長澤裕樹 / 薬剤師】

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長澤裕樹(薬剤師)

薬剤師の免許を取得後、調剤薬局に勤務。学生の頃から目標としていた会社経営を叶えるため、転職を経て独立する。現在は「全国でのクリニック事業」と「産後ケアサービス」を展開し、誰もが必要な支援を受けられる社会の実現に注力している。

記事の見どころ
  • 薬のすごさを実感したことで薬剤師に興味を持った!?
  • 全国でのクリニック事業。ご縁あった医師との繋がりを大切に。
  • 原体験を踏まえた「産後ケアサービス」。産後のママさんを一人にしない!

薬剤師を目指したきっかけを教えてください

長澤裕樹

小児喘息で薬の効果を実感したことでした。

小さい頃、喘息で地域のクリニックにかかったことがあります。吸入をしたらすごく楽になり「薬はすごい」と幼いながらに感じ、興味を持つようになりました。

しっかりと進路を決めたのは、高校生の頃です。学校の先生に進路の相談をしたところ「薬剤師がいいんじゃない?国家資格だしね」とアドバイスをもらいました。

当時から起業にも興味があったので、もし事業を失敗した時の後ろ盾として、国家資格をもっておくことが良いようにも感じました。また、当時は4年制大学で薬剤師の資格が取れたので、普通の大学と同じ年数で国家資格を取得できるのは魅力的だとも思いました。

これまでのキャリアを教えてください

長澤裕樹

学生時代は学生らしく過ごしましたが、薬剤師としては王道ルートを歩みました。

入学した時、教授から「大学生活遊べると思うな」と一喝されたのを今でも覚えています。半分冗談交じりだったとは思いますが(笑)

とはいえ、私自身は大学生活を楽しみたくて、週7でバイトを詰め込んでみたこともあります。月20万円ほど稼いだ経験もあります。

最初に就職したのは調剤薬局の会社でした。強い希望で選んだというよりは「例にならって」という感じでしたね。

小さい頃から起業に興味があったものの、当時はどうすれば経営者になれるのか知らなかったんです。なので、とにかく入社した会社で社長になることを目指して、日々仕事に邁進していました。

管理薬剤師やエリアマネージャーの役職をいただき、このまま進めば出世コースだったのかもしれません。しかし、少しずつ自分の夢とのギャップを感じるようになり、最終的には自分で事業をする方向に舵を切りました。

雇われの社長ではなくオーナー社長として裁量権を持って事業をしたいと、その時に本当に自分のやりたいことが分かってきました。

長澤裕樹

まずは精神科クリニックを運営する医療法人に転職しました。

最初に就職した薬局では毎日同じ人と働いていましたが、将来のためにもっと広い世界で頑張りたいと思っていました。

また、薬剤師の事業といえば、まず浮かぶのが調剤薬局の経営です。しかし、学生時代から、別の事業をしてみたいという思いがあり、そんな時に出会ったのが「クリニック経営」という道です。

転職した医療法人は、オーナーが医師ではない方で、その点でも惹かれました。その医療法人では3〜4年ほど働かせていただき、法人運営に必要な全ての業務を一通りできるようになりました。その後、独立した流れになります。

クリニックの事業について教えてください

長澤裕樹

全国でクリニックの立ち上げから運営までを担っています。

最初は、神奈川県の横浜市で精神科クリニックを立ち上げました。精神科のクリニックといえば外来で治療するイメージですが、在宅医療にも力を入れています。

訪問診療のみならず、リハビリやカウンセリングにも力を入れており、包括的に患者さまを診ることができる体制を整備しています。同法人内では、2025年9月に埼玉で新たに訪問診療のクリニックをオープンさせる予定です。

また別法人の医療部門でも経営責任者をやらせていただき、全国各地のクリニック、歯科、動物病院の立ち上げから運営にも携わっています。

どちらの事業でも、患者さまから直接「ありがとう」と言ってもらい、心から感謝されることは大きなやりがいを感じます。

クリニック事業に詰まる想いを教えてください

長澤裕樹

全ての方に「安心の医療」を提供したいです。

一般の方は、どこの病院やクリニックを受診したらいいのかわからない方が多く、実際に「どこの病院にかかればいいですか?」と相談されることもあります。

なので、全ての人に安心の医療を提供し、健康で豊かな生活をサポートすることを大切にしています。今後も「このクリニックにかかれば間違いない!」と感じてもらえるようなクリニックを展開していきたいです。

産後ケアサービスについて教えてください

長澤裕樹

私自身の体験を通じて、社会に必要なサービスだと思っています。

2023年に長男が生まれました。難産だったため、妻は産後に日常生活を送るのもままならない状態だったんです。

さまざまなサービスに頼らせてもらいましたが、利用できるまでに長い時間がかかったり、なかなか予約すら取れなかったり「かゆいところに手が届かない」と感じました。ふとした時に話を聞いてもらえて、もっと気軽に相談できるサービスが必要だと、心から感じたんですよね。

そこで、産後に悩む方をサポートするためのオンラインプラットフォーム「NOALON(ノアロン)」を立ち上げました。

産前・産後の悩みをオンラインで相談できます。LINEとZOOMを使うことで、気軽に相談できる動線づくりも工夫しました。

>>長澤さんが運営する、産後ケアサービスはこちら

NOALON
長澤裕樹

企業向け、自治体向けにも拡大しています。

ママさんへの直接的なサービスだけでなく、法人向けのサービスも構築しました。企業の福利厚生の一環として、産前・産後の悩みを相談できる窓口として設置してもらっている形です。

法人向けサービスは、企業側にとってもメリットが大いにあると考えています。弊社のサービスを取り入れることで、育児支援が手厚い会社とアピールすることにつながりますし、産休・育休から復帰しやすい環境づくりにも繋がります。

昨今は、育児による男性のうつも社会的な課題であり、慣れない育児と仕事の重責に挟まれることでメンタル不調を起こしてしまうと言われています。仕事のパフォーマンス低下にも直結するため、パパさんたちも気軽に相談でき、前向きに育児に取り組める環境づくりのお手伝いができればと思っています。

自治体では「もっとサービスを届けたいのに、手が回らない。人手が足りない。」という現状があります。自治体とも連携することで、社会の課題解決にも貢献していきたいです。

産後ケアサービスに詰まる想いを教えてください

長澤裕樹

産後のママさんを一人にしない!

産後ケアサービス「NOALON」の名前の由来は、一人にしない(Not Alone)です。

産後は社会とつながりが途切れて、孤独を感じる方が多くいらっしゃいます。実際に、産後うつで精神科を受診される方が増えてきており、医療従事者としても危機感を覚えています。

産後は何かと不安になるものです。すぐに悩みを解決できるサービスがあることは、産後に悩む女性にとっても、男性にとっても、とても大切だと思います。企業、自治体と協力することで、よりたくさんのママさんやパパさんの支えになれると嬉しいです。

完全オンラインで対応しているため、いつでもどこでも相談できます。個人の方はもちろんですが、法人や自治体の方で興味をお持ちいただけた方は、ぜひ気軽にご相談ください。

>>長澤さんが運営する、産後ケアサービスはこちら

NOALON

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