医療職が外に向かって一歩を踏み出すきっかけ作りをしたい【水野愛弓 / 看護師】

水野 愛弓(看護師)

看護師として脳外科、小児科、訪問医療を経験し、7年目に入る。
現在は、医療職限定コミュニティの運営を行なっている。

 

 まずは、水野さんが看護師になろうと思ったきっかけを教えてください!

 

元々私はスポーツがすごく好きで、高校では野球部のマネージャーをやっていました。

「何かスポーツに関わる仕事に就きたい!」と思って親に相談した時に、アドバイスをもらいました。

 

スポーツトレーナーだけの資格では難しいから、何か他の資格を取った方が良いんじゃない?

 

その時は医療職に詳しくなかったので、思い浮かんだ看護師の道を志すことに。

「看護学校で勉強した後は、スポーツの勉強をしに大学に編入学しようかな。」

そんな考えで進学しました。 

しかし、看護学校に通い出してから、勉強や実習の経験を通して自分の考えが変わっていき、

そのまま看護師として総合病院に就職することを決めました。

 

「看護師ってとても素敵な仕事なんだな!誇りも持てるしすごく好きだな。」と思う様になりました。

 

 最初の配属先、脳外科での3年間

 

私は子供が好きだったので最初小児科を希望していました。

実習に行った時も「この病棟良いな」と思っていたんですけど、

入ってみたら脳外科ゴリゴリの場所配属になってしまって。

ただ、解剖生理や急性期は好きでしたし、

職場の環境や人間関係も良かったので脳外科でもすごく楽しく働いていました。

しかし、夜勤が多かったりなど仕事の疲れで、

夜寝れなくなってしまったり、顔を洗えないくらい腰が痛くなってしまったりと、

身体を何度か壊してしまうことが出てきました。

「3年は仕事を身につけるためにやります」という話をしていたので3年間は続けましたが、

やっぱり3年経っても小児科を希望する気持ちは変わらなかったので、異動することに決めました。

 

ー 念願の小児科、しかし将来への不安感が

 

小児科に異動して、やりたい看護というのはできていたのですが、

最初いた脳外科は残業や夜勤が多かった一方で、

小児科では残業や夜勤がなくなり、お給料がものすごく下がったんです。

そのことが理由で将来への漠然とした不安を抱えるようになりました。

 

ー 外の世界に出て、改めて自分の天職に気づく

 

小児科の年の離れた先輩達を見ていて、

ここにずっと居たら自分のやりたい看護はできない、自分の続けたいものではないと感じ、

一度現場を離れることにしました。

外の世界に出たい気持ちが強かったのもあり、

その頃色々な方とお会いさせていただいて、たくさんのきっかけや経験をもらいました。

 

 

一旦現場を離れたことによって「看護師の仕事がすごく好きだったな」「自分にとって天職だな」と思う気持ちに改めて気づき、この先看護師の仕事に触れずに人生を過ごしていくのは違うと思いました。

 

私は特に患者さんと接する時間が、すごく好きでした。

ちょうどその頃に、祖母を在宅で看取ったのもあり、

在宅で利用者さんとの時間を大切にできて、自分に合った環境で仕事をしようと思い、

現在の週3日で看護師をするスタイルに変わりました。

 

ー なぜ【医療職限定のコミュニティ】を立ち上げようと思ったのでしょうか?

 

医療職の方々って、その仕事に就くための専門的な勉強を長く続けてきていて、

自分がなりたくてなったのに、結果嫌いになってやめてしまうという人が結構多いと感じています。

私のように「仕事は嫌いじゃないけど働き方が合わなくて…」という方もいたり。

しかし、私自身色々なきっかけを貰ったことで考え方が変化し、

今訪問看護の仕事をのびのびと楽しくやることが出来ているんです。

 

かつての私と同じように、現状に不満があったり、

もっと何かしていきたいという思いを持った医療職の人に対して

何かきっかけを与えるようなものを作りたいと思って、『Owuty オウティ』を立ち上げました。

【《Opportunity for wealth From us to you》豊かさへのキッカケを 私たちからあなたへ】

という想いが詰まってます。

今まで医療という枠から外に出たことがない方はもちろん、

すでにきっかけをつかんで自ら進んでいる方にとっても、

手助けになれたら良いなと思っています。

 

医療職の方々に好きなことをやってほしいんです!!

 

この先、生きていく上で30年 40年…と続けていく仕事を嫌々やって欲しくないです。

医療職を続けても良いし、離れたって良い。

選択肢があるんだということを知って欲しいですし、

医療に携わるのであれば、やりがいを持って「好き」という気持ちを忘れずに

仕事に取り組んでほしいと願っています。

 

ー 今コミュニティではどんな活動をされているのですか?

 

当初は医療人だけを集めた飲み会を開催していたのですが、

コロナの影響でオフラインだけではダメだと、いまオンライン化を急速に進めている形です。

より沢山の人に見てもらえるようにコミュニティを大きくしたいという思いがあり、

その上で提供できることを考え、医療職限定の公式LINEを作り、

色々な活動をしている医療人のコンテンツ発信をしています。

情報を受け取るだけでなく、みんなの得意な事、

好きな事、伝えたい事が「発信」の出来る場となっています。

コンテンツ内容は例として、

  • 理学療法士の英会話教室
  • 柔道整復師のトレーニング法
  • 看護師の予防栄養学
  • 救急隊員の自己分析  

…等々毎週新しいコンテンツを発信しています。

また、コンテンツは「受け取る側に興味のあるものを選んでもらう」ということを大事にしていて、

他の方々の活動を発信していくことで、「こういう働き方もあるんだ」という

気づきになったら良いと思っています。

特にこのOwuty オウティで利益を発生させたいというのはないのですが、

発信する医療人の方々の収入の活性化になればそれは良いことですし、

出来る限り三方良しにしていこうと考えています。

 

 『Owuty オウティ』の実現したいこと

 

自分が過去にそうだったのですが、

今いる環境から知らないところに飛び出していくのが中々できない人って多いと思います。

ですが、「医療職」という括りなら、共通点が多いのでハードルが下がるんですよね。

そういった方々にとって、外の世界への1歩目を踏み出す手助けとなり、

「あなたもこんな活動ができるんですよ」というロールモデルを指し示していきたいです。

ビジネスをやっている人のマッチングもありますが、

同じ職種の中でも、自分の病院以外での繋がりを増やせる

という点でも価値提供していけるのではないかと思います。

 

 hospassを通して行っていきたいことは?

 

『hospass』と『Owuty オウティ』は、通ずる部分が多いなと思っています。

やはり私は0→1で自分発信で何か作り上げるのが好きなので、

お互いに切磋琢磨しながら、医療人に対するきっかけづくりを相乗効果で広げていけたら嬉しいです。

 

 水野さんは、今後社会がどうなっていったら良いと思いますか?

 

置かれた環境にただ不満をいうのではなく、

自分達の力でやりたいことを実現していける人が増えていったら良いなと思っています。

職業柄、お金もあって時間もあるけど寝たきりや独りぼっちという人も見てきましたが、

どんな人にも「人生生きてて良かったな!」と思える最後を迎えてほしい。

1人1人がそう思えるような手助けを、私はしていきたいです。

一度きりの人生、楽しみましょう!!!

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