縁の下の力持ちってかっこよくないですか?【亀樋尚人 / 作業療法士】

 亀樋尚人(作業療法士)

作業療法士として回復期病院、精神科病院を経験。
その後一般企業の営業職へ転職。
「縁の下の力持ち」を目指して、日頃から活動されています。

作業療法士を目指そうと思ったキッカケはなんですか?

おばあちゃんを治したいという一心でした。

元々おばあちゃんと結婚する!と言っていたくらいおばあちゃんっ子だったんです。高校までは介護ロボットを作るのが夢で、5年生の工業高専に進学して機械の勉強をしていました。

自分としては目標をもって勉強していたんですけど、周りの同級生に比べて、機械の勉強にさほど興味が持てなかったんです。

そんな中で祖母にガンや認知症の症状が出てきていたので、だったら僕が治してやろう。と思って、リハビリの仕事や薬剤師になろうと思ったのが、最初に医療職を目指したきっかけです。

高専の最終学年の5年生、19歳の時に急遽、進路変更をして、作業療法士に進むことを決めました。

心理学や精神科を学びたくて、作業療法士を選びました。

作業療法士は、リハビリに加えて、心理学とか精神科という領域も学べるということを知りました。

当時僕は認知症は精神科だと思っていたんです。おばあちゃんの認知症がきっかけの進路変更だったこともあり、心理学や精神科を学べればいいなと思って作業療法士を選びました。

学生時代の思い出を教えてください!

陸上部で走ってばかりいました。

大学は遊べるイメージを持っていたんですが、課題の量が思ったより多かったです。高校の延長線上だなって思っていました。

高校から陸上をやっていて、大学でも陸上部に入って走っていました。部活のオフシーズンとかお休みの日とかは大学の茶道部や他校の学生団体とかサークルに顔を出して、大学生活を楽しんでいました。

広島から東京に上京してきたので、せっかくなら東京を楽しみたいと思って、色々と外で動いてましたね。

実習は尊敬できる指導者に出会えたことで乗りきることができました。

実習は緊張とレポートの量が多くて、毎日が早く終わってほしいと思って過ごしていました。

乗り越えられたのは、患者に触れることができるので、そういう経験を学生の僕がさせてもらえるという、患者さんへの感謝の気持ちと、

指導者の方が、できが悪い自分にも一生懸命に教えてくれたことです。

指導者の方が患者さんに「ありがとう」という言葉をもらっていたり、信頼されている姿を見て、感動したのを覚えています。こんな指導者になりたいって思いました。

現場で働く姿を見て、憧れもあったので、実習のおかげで、病院で働くことへの抵抗感はなくなりました。

早くから勉強していたので、国家試験は苦労しませんでした。

学校に入ってから遊んでいたり、陸上で走ってばかりいたので、成績が悪く、学校の先生からはとりあえず不真面目な人って思われていました。

だからこそ最後になる国家試験だけはいい成績を取ってやろうって思って勉強しました。

みんなより早く勉強を始めていたので、苦労はしなかったです。4年生になる前に、参考書を全部解き終わっていました。

実習で知識がないって言われたのが悔しくって、負けず嫌いでみんなより早く勉強を始めたっていうのもあります。

3年の後半くらいから初めて、4年の実習が終わるくらいには、合格点には届いていました。

新卒で選んだ就職先の基準はありましたか?

まずは病院の臨床現場でしっかり勉強をしたい、患者の退院支援を最後までしたいという思いが強くて、回復期のリハビリテーション病院に就職しました。

奨学金も早く返したかったので、初任給も他より少し高いところを選びました。

やりがいはありましたが、体力がついていかなかったです。

学生の時にはできなかった、患者さんが入院してから退院までのリハビリテーションができて、やりがいはとてもありました。

でも体がついていかなかったです。リハビリで8時間近く肉体労働をした後に、事務作業をするという生活でした。残業も多かったので、とてもきつくて最初の1年で病院を辞めてしまいました。

2年目からは前から興味があった精神科のリハビリテーション病院に転職しました。

精神科のリハビリテーション病院はどうでしたか?

リハビリ自体はお話しを聞く仕事だったので、自分にもあっていてすごく楽しかったんです。

精神科だと残業も少なく体の負担も減ったので、生活は楽になったんですけど、逆に給料が下がってしまって、普段の生活がきつくなってしまいました。その給料でどうやって生活していけばいいかなというのが強くなりました。お金がなくて遊びに行けなくなってしまいました。

ここでは3年間勤めました。

身体障害と精神科の2分野があるのが、作業療法士の変わったところです。

精神科は時間の流れがゆっくりです。時間の中で縛られて仕事をすることがあまりなかったです。

身体障害だとリハビリの時間に20分とか1時間とかの区切りがあります。

精神科は時間の区切りもなかったですし、患者さんとマンツーマンで時間を取ることができたので、自分のやりたいことは精神科の方ができていたと思います。

治療は、身体障害はリハビリや運動がメインです。精神科は基本的にはカウンセリングがメインで、僕は身体障害への治療を前職場でやっていたので、リハビリや運動の仕事を振られてはいたんですけど、必要性がある人だけで、精神科の作業療法士の仕事のメインは会話でした。

どうして他業種に転向しようと思ったんですか?

作業療法士として身体障害の病院と精神の病院の2分野を経験できたので、やり切ったなというのが自分の中にありました。

2つの病院で共通して感じたことがキャリアアップをしても昇給が少ないことでした。

将来への不安が大きかったです

社会人3年目(精神科病棟2年目)からキャリアへの不安を抱き始めました。高専時代の友達から、3年くらいで給料は上がるという話を聞いていたんですけど、私の給料は全然上がらなくて。

同じ職場の同期とか、先輩でも同じように給料に不満を持っていたり、将来が不安という方が多くて、このままでいいのかなっていうもやもやした気持ちがありました。

そこで30歳前に一度外の世界で挑戦したいなって思って、思い切って病院を辞めて一般企業に転職しました。

今やっている業務が、僕が病院時代に感じていた給料が低い、将来が不安、これからどうしていったらいいのかっていうところに焦点を当てたものでした。作業療法士時代の同僚や先輩の助けになれればと思って、今の会社にしました。

給与を上げたい、将来が不安という2つをまず変えて、仕事が楽になったって言ってもらうのが直近の目標です。

今どう言った仕事をされていますか?

資産形成SNS集客コンサルタントを中心に仕事を行っております。

資産形成では将来に向けての年金や月々の収入を上げて、不安を取り除けるようにお客様にご提案させて頂いております。

病院で働いていた時に、お金の面で不安に思うことが多々ありました。なので、その経験を活かして関わる人の不安を少しでも取り除けたいと考えています。

SNS集客コンサルタントでは、Instagramを通してフォロワーの増やすことによって、自身の趣味やビジネスを発信し、少しでもお役に立てればと考えております。

亀樋さんの夢はなんですか?

縁の下の力持ちになりたいです。

今の仕事は営業職ですが、僕の仕事はあくまでも個人の資産形成とか事業の集客サポートをする仕事なんです。

作業療法士時代と同じく、「縁の下の力持ち」っていう形で多くの人の支えになれればなと思っています。

仕事柄いろんな職種の人にあったり、各地を飛び回れるので、目標に向かって頑張っている方をサポートしたり、やりたいことの手助けができれば楽しいのかなと思います。

営業職に転職して、やりたいことや会いたい人がいればすぐに動けるのは強みだと思っています。

人とお話しするのが得意です。

人の話を聞くのが好きなので、カウンセリングとかコンサルタントは得意だと思います。

作業療法士の仕事でも、面接はたくさんやっていたので、その経験は活きると思います。医療職としての知識を一般の方に伝えることもできるかと思います。

個人的には自分自身が変わった経歴を持っていると思います。その分失敗もたくさんしたし、遠回りもしているので、そういう自分の人生とか失敗談とか、いいことでも悪いことでも、明るく話せる場を作っても面白いのかなと思います。

陰から誰かの助けになりたい!

恥ずかしがり屋なので、表には出るのは苦手ですが、裏方として事業の一端を担えればいいなと思います。

例えば病院が嫌いな方とかでも通いたくなるようなクリニックを作りたい人のお手伝いとか、

僕が一度諦めてしまったロボットとかITとかテクノロジー分野も手伝うことができたらかっこいいなと思います。

亀樋さんっていう人がいたなっていう存在になりたい。

僕と関わった人の人生の中にちょっとでもいいので、「そういえば亀樋さんっていう面白い人とか変わった人いたな」って思い出してもらえれば嬉しいです。

リハビリをやっていて人生を共有できるのが、楽しかったんです。これからの人生をどう過ごすか、というところに自分が関われるのが嬉しかったです。

なので誰か人生の中に、亀樋って人がいたなと思ってもらえるような、印象に残る人になれればいいなと思います。

hospassを通して伝えたいことはなんですか?

医療職の人には安心して働いてほしいんです。

僕が医療の道に進路変更してまず思ったことが、医療職を目指す人はまじめな人や優しい人が多いということでした。学生時代には医療従事者として人の役に立つ仕事に就きたいって思った人がほとんどだと思うんですね。

でも実際社会人になって働いてみると、人のためじゃなくて、自身の生活のためで手一杯になってしまうと思います。

僕はhospass通して伝えたいことは、医療者の人が無理なく安心して業務ができるような情報の提案であったり、息抜きの場を作っていければいいのかなと思います。

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