◎秋田さんが医師の資格をとった経緯を教えてください。
小さい頃から、医学、人体、生物に興味がありました。
また、大学進学を考える当時の僕にとって、誰にでも出来る仕事ではなく専門性が高く、社会に貢献できる仕事は何かと考えた際、医師が分かり易かったんですよね。
身内に医療職がいた訳ではないんですが、医師になってから小学校の卒業文集を見返したとき、将来の夢は「天才外科医」と書いてあったので(笑)
もしかしたら子供の時からテレビや何かしらの影響を受けていたのかもしれません。
◎学生の頃に苦労した経験はありますか。
大学生の頃はひたすら水泳をしていたため、学力は6年生の卒試前まではずっと学年ビリでしたね。笑
テストの点数は1000点満点中、確か300点くらいでした。留年が濃厚だと先生に言われていましたが、まあイケるだろうと言う謎の自信があったんですよね。最終的に800点くらいまでアップして、無事卒業して、国家試験も合格しました記憶があります。
勉強すること目的とすると、狭い視野に囚われてしまうので、そのさきの目的を考えることが、その先の目的を考えることですかね。軸があれば、勉強に特段苦労せず、乗り切ることができます。
◎医師として働き初めて、描いてたイメージと現実とのギャップはありましたか。
想像していた通り、お硬く、縦割り組織で…何だか働くにあたって生産性が悪いとは感じていました。
研修医時代は、付属病院で2年間務めました。
付属病院だったこともあり、当時の部活仲間や先輩が職場にいて、学生時代の延長のような感覚だったかもしれませんねね。仕事という感覚よりも楽しく色々やらせてもらっていたと思います。
◎研修医時代に整形を選んだ理由を教えてください。
複雑な経緯があるんですよね。笑
最初は循環器内科を志望していたんです。頭で考えて処置方法を導き出せる事が、医師として面白いと思っていましたが、現場に入ったとき、検査オーダーをパソコンで指示出しすると言う業務が結構多くて。なんとなく自分に合わないな。と思いました。笑
その後、心臓外科を考えましたが、なんとなく決断できず…
その頃、内科開業医の息子である同期が整形外科を絶賛していたんですよね。家をつがなきゃいけないんだけど、整形外科にいきたいと。
そこで整形外科に回ることにしました。
整形外科は首からつま先まで全身を診ますし、年齢や性別、生活スタイルや運動習慣などで、同じ疾患でも治療法や関わり方が異なることが面白いと思いました。疾患や治療法も多岐に渡るので、毎日やることも違い、そこも面白かったです。またスポーツをやってた人が多く、雰囲気も好きで整形外科を専攻することに決めました。
◎研修医を終えてからは、どのような働き方をされたのですか。
研修医を2年終えた後、附属病院で7年間勤務しました。
その間に専門医を取得し、医局を辞める3年前の夏休みには、医療ボランティアとしてミャンマーに7日間行き活動をしました。
世の中がグローバルになり、日本単独で完結できる事が今後無くなっていくと考えたときに、日本以外の現場を見たいと思って参加しました。その結果、海外でもっといろんなことやりたいなと思うようになりました。
大学院に行って学位(医学博士)を取得し、卒業後1年働いてから3月に大学を辞め、4月から海外に行きました。
最初に海外ボランティアへ行ったきっかけの一つとして、どこでも生きていけるようになりたい。と思ったことがあったんですよね。
発展途上国のの現状にアプローチしたいと思い、ラオスとカンボジアへ合わせて1年半ほど、医師として行きました。
途上国では専門の区切りなどはごく一部でしかなく、地方部ではシャーマンのような伝統治療をする人がいることも多く、医学的な発展は先進国と比べるとかなり遅れている現状であり、衝撃を受けました。
救急システムもなければ病院に行く習慣もない人も多い。ラオスは国にMRIが一台あるんですが、使える人がいない。社会保障がない…など、かなりの制約がありました。
このような国々には将来的にも貢献していきたいと考えています。
◎ボランティア活動を通して感じたことはなんでしょうか。
中途半端なボランティアは双方が崩れるんですよね。
ボランティアに参加して思ったことは、仕組みとしてしっかりと利益を生み出す事が大事という事でした。
日本人はWin-loseを受け入れがちな民族なんですよね。奉仕の精神が強い。でもこれは長くは続きません。今風に言えばサステナブルなシステムではありません。
例えば、貧しい人へお金をただ渡すのではなく、お金を生み出す仕組みを教えてあげる。仕組みを構築し、広く展開することでみんなに価値が配分される仕組みを作っていきたいなと思いました。
◎秋田さんが現在取り組んでいる事を教えてください!
いろんなことをやっているんですが、主に3つの活動を行っています。
1つ目は美容クリニックの経営をしています。
美容クリニックは疾患を治療しているわけではありません。しかし、通常の保険診療ではアプローチしにくい・メンタル面や社会的な面にも大きく関与しています。
海外に渡った時に、日本の方が幸福度が低い印象を強く受けました。これは、海外で長く生活していた方の多くが感じられていることだと思います。難しい話はここでは割愛しますが、そこに対してアプローチできる可能性が美容医療にはあると感じました。
2つ目は整形外科医としての勤務も継続しながら、整形外科に関わる協会に理事として参画しています。
これは元々仲の良かった柔道整復師の友人が立ち上げた協会なのですが、ここに整形外科医としての知識を提供しています。ゴルファーやスポーツにまつわることに関して、指導を行っている形です。
3つ目は、僕の想いが一番つまっている【バー経営】です。
お酒が好きなので、いつかバーを開きたいとタイミングを見計らっていて、ちょうど良いテナントが空いた瞬間に始めました。
お店の名前が「Loveーoratory(ラボラトリー)」というのですが、Love(愛情)+loboratiory(実験)を組み合わせた造語です。才能に溢れる個性豊かな店長たちがいて、お店に立つ人は毎回違います。
今後はお店としてYouTubeなども展開しようと考えていて、今までのバーには無いような面白いことを、実験的に行いながら、愛のある人の輪を広げていきたいと考えています。
◎多くの活動の中で一番大切にしていることはなんでしょうか
人のつながりが一番ですね。
バーには全ての思いが詰まっています。
人との繋がりがあるからこそ、新しい価値が生み出されると思うんです。今の世界にないことをどんどんやっていく。どんどん創り出していきたいと考えています。
◎最後に、これからの一歩を踏み出す人へのメッセージをお願いします。
行動せずに考えるだけでは、意味がありませんよ!
ただ、思い悩むのではなく、動くために何かを考えていること。そして行動すること。
計画を立てることは大事です。ですがそこに時間をかけ過ぎずに行動に移していきましょう!
コメントを残す