日本の薬局から予防医学を世界へ。【溝呂木俊介 / 薬剤師】

溝呂木俊介(薬剤師)

薬剤師の資格を活かしながら、
外部で他業種とのイベントやセミナーを行い地域のサポートを経て独立。
今後日本の薬局から予防医学を世界へ広げいくために挑戦し続けている。
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薬剤師の資格を持ちつつ、予防医学の普及に取り組まれている溝呂木俊介さんを取材させて頂きました!

この記事の見どころ
  • 調剤薬局で経験した他社とのソリューションについて
  • 薬剤師として予防医学に着目したきっかけとは
  • 溝呂木さんが望む未来について

それではどうぞご覧くださいー!

薬剤師になろうと思ったきっかけはなんですか?

男として生まれたからには「身近な人を守りたい。」というのがありました。

仕事を考えた時に、最初は医師になろうと思ったんです。医師は患者さんを診察できますよね。ですが、実際に医療現場を考えた時、患者さんは薬を飲むことが多くて、「患者さんの身近な存在になるには薬に関わった方が良いのではないか。」と感じました。

薬学部に行こうと決めたのは、高校3年の夏くらいで、医学部志望から薬学部志望に急にシフトチェンジしたんです。仲間内みんなで「医学部目指す」と言っていたのに、僕だけ薬学部になっていたので、みんなに驚かれましたね。(笑)

学生時代に乗り越えたコツを教えてください!

学生時代は、男10人で連んでいて、各教科を担当制にしていたんです

仲間内で各教科を分担して授業をまとめていました。

テスト前には各担当がまとめのノートと講義をするという合宿みたいなことを行なって、担当していない教科は、仲間の力を借りてなんとか乗り切るということをしていましたね。

担当している教科をみんなに教え合うことでさらに得意科目になるんです。自分が担当した教科は、今でもすごく覚えていますし、理解していますね。

薬物動態学や製剤学をたまたま担当していたので、それが今の仕事にすごく役立っています。

最初にドラッグストアへ就職した理由を教えてください!

【地域に貢献】というところで選びました。

地域というと調剤薬局の選択肢もありましたが、狭いところに篭っていることにあまりイメージが湧かなくて、それならドラッグストアなどで身近な人に何か貢献できればいいな。と考えていました。

日用品を扱っているドラッグストアや買い物に来る一般の方に向けて、どんなことが出来るかを考えて仕事していましたね。

実際に働いてみてどうでしたか?

良い点としては【色々な商品や日用品のことをよく知れたことですかね。

身近な日用品について詳しく触れることができたことは、病院や薬局では経験できないことかなと思います。

ギャップとしては、責任が違いますよね。学生の働き方と社会人の働き方、時給月給でも全然違うというのはありました。特に悪い印象はなかったです。

そのあとドラッグストアから調剤薬局へ4年目で転職しました。

ドラッグストアと違って、日用品を扱わず、処方箋だけを受付けているところだったので、薬局の収入源が処方箋しかなく経営面でかなり勉強になりました。

ドラッグストア時代に、部長から売り上げについて聞かれる部分が多かったです。なので転職してからも数字面は大切に考えていて、予算管理なども行なっていたので、これがまたすごくいい経験でした

独立されたきっかけはなんですか?

転職してから3年目くらいで他の会社とタッグを組むようになってから経営について考えることが多かったんです。

薬局の隣が不動産のモデルルームだったので、そこに声かけて共同開催のセミナーを行いました。その時「不動産と薬局は似てるところがあるな。」と感じて

薬局は処方箋がないとお店にすら入らないですし、不動産もモデルルームには「なんか売りつけられるんじゃないか」と思って入りづらさを感じる人もいて、「両方とも何か目的がないと入れない場所だな。」と思ったんです。

それで不動産会社の方に相談したら意気投合して、モデルルームという綺麗な場所で薬のセミナーをさせていただきました。

モデルルームでやってるので、セミナーが終わった後はきて頂いた方が、部屋の設備を内覧するんですよね。(笑)そこから美容室とタッグを組んで、「髪と健康」というテーマでコラボしたり、地域のNPOとか、クチコミや繋がりで広がっていって、薬局の外の活動を広げていきました。

最初は、薬局として行なっていたので、予算を多少使わせてもらっていたんですけど、徐々にやれる範囲が少なくなってくるんですよね。そう言った活動を良しとする上司と、良しとしない上司がいたので、頃合いをみて、次のステップという意味で職場を卒業して独立の道を選びました。

予防医学に着目したきっかけを教えてください。

たまたま、予防医学の師匠の坂田武士さんと出会ったことがきっかけです!

予防医学に着目したのは調剤薬局に勤めていた時に、「理想の役職を考える会」という研修に6ヶ月間参加したことがきっかけです。

理想の薬局の理念やミッションなどについて考える会に、ゲストとして坂田さんが出演されていて、予防の考え方をお伝えいただきました。

その時坂田さんは「病院とか薬局に勤めないで、カウンセリングだけで生計を立てています。」と話されていて、僕にはとても新鮮だったんですよね。その2、3日後にアポイントメントを取ってオフィスへ伺い、坂田さんがやっている予防医学プログラムに即受講しました。

現在溝呂木さんが行なっている事業について教えてください!

現在は予防医学の普及をメインに活動しております。

僕ら予防医学チームの強みは、カウンセリングが徹底しているところですね。

カウンセリングを徹底して行なって、「その人に合わせたモノを提案」しています。基本60分のカウンセリングを行なっているんですが

「痩せたい」「身体の疲れがひどい」「肌荒れが気になる」といった不定愁訴や日頃の悩みを聞いて、原因をを見極めます。

そのあとに本人飲みのオーダーメイドで「どのように栄養をとっていけばいいのか。」「こういう食事をしていくといいですよ。」とアドバイスを行う運びです。

食事だけでは限界があるので、サプリメントやファスティングなども提案しています。企業向けには、イベントやセミナーを薬剤師監修という形で入らせていただいてます。

予防医学でもっとも大事なことは何になりますか?

やはり一番重要なのは「体質改善」ですね。

僕自身調剤薬局に勤めていた時に、眠気や疲れが抜けず、便秘もひどいなど、体調は絶不調でした。

予防医学を学んでから「食事や飲み物などの栄養が原因だよ。」と言われ、口にするものを少しずつ変えていったら、体調が劇的に変わっていきました。

同じように体質について悩んでいる人や考えている人はかなり多いと思っていて「これこそ薬剤師がやるべきだな。」と考えたんです。薬剤師として説明できれば説得力もあり、栄養などからの話もできます。

よく栄養に関して話すと「それは栄養士の仕事じゃないの?」と言われることもあるんですけど、僕の中で割と線がはっきりしていて、口に入れる前は管理栄養士の仕事で、口に入れた後は薬剤師の仕事だと思っています。

薬もサプリメントも口に入れる物で、量が多すぎると太ることや、少な過ぎると不定愁訴が起きるなど。薬剤師は薬を飲んでいても包括的にフォローできることが強みですね。

活動を通して社会をどのように変えていきたいですか?

活動を通して、日本の薬局から予防医療を世界に発信していきたいです。

本来なら、花粉症やインフルエンザシーズンで薬局は繁忙期に差し掛かっているんですよね。ですが今年は緊急事態宣言で患者さんも少ないですし、インフルエンザもかなり少ないです。感染症対策のすごい効果ですよね。そう考えると、コロナの感染力は強いんだなと改めて気づきます。

薬局の経営が徐々に難しくなってくることは、前から騒がれていたんですが、こんなにも早く悪い状況が起こるなんて誰も思っていなかったはずです。

この先薬局でも予防医学をやらないといけないとなった時僕たちの土台ができているからこそ提供できるものがあると思っています。

全国の薬局に予防医学のメソッドがあって「日本の薬局で予防医学の活動を行なっています。」というように世界へ発信していきたいですね。

薬局経営者さん然り、派遣薬剤師さんやパートさんが結構増えているけれど、軒並み仕事がない状況です。直近では「Youtubeを通して予防医学を広めていこうか。」とも検討しています。

エステサロンさんやパーソナルトレーナーさんなど、知識に不安がある方々に働きかけ、薬剤師監修で一緒に事業を進めていくことや、予防医学のプログラムを受講して頂いて活動を広めている最中です。

読書の皆さんへ伝えたいことはありますか?

まずは一人でも多くの方に、予防医学に興味をもっていただけると嬉しいなと思っています。

薬剤師は真面目で勉強熱心な方がたくさんいるので、予防医学について気になったら是非連絡欲しいです

僕らのプログラムは、知識だけはなくて、実践も合わせて行なっているので、「自分にもできた」→「近い人にもできる」→「もっと広めたい」と実感が湧いてくるんじゃないかと思います。

この先社会としても必要になることなので、活動を続けていれば広がっていくと信じ、これからも活動していきます。

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