かけがえのない日常を守りたい。【日色幸生 / 救急救命士】

日色 幸生(ひいろ ゆきお)

19歳で消防士、4年後に特別救助隊に任命。その後救急救命士の資格を取得。
子育ての経験を通して救命法の啓発にも注力。活動に集中するため消防署を退職し独立。
子育て世代の方へ「子供の応急手当・救命法」を普及することを目標に活動されている。
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救急救命士の資格を持ちつつ、現在はフリーランス救命士として「子ども向け救命法」の啓発活動をされている日色幸生さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 救急救命士の資格を取ろうと思ったきっかけ
  • 救命法の啓発活動に込められた想い
  • 活動を通して社会に与えていきたい影響

救急救命士を目指したきっかけは何ですか?

救急外来の看護師さんからお話を聞いたことがきっかけでした!

19歳で消防士になりました。当初は救急隊より、特別救助隊(レスキュー隊)になりたいと思っていて。4年かけて特別救助隊に任命され、7年間救助隊として勤務していたんです。

救急救命士を目指したのは、救急外来の看護師さんのお話がきっかけでした!仕事の話を聞いて「救急」に興味を持ち始め、救助隊は身体がガンガン動くうちはできるけど、その後のことを考えたときに「救急救命士としてやっていくのも良いな」と思い、目指し始めましたね。

救助隊の現場は年間を通して件数が少ないので、学んだことをなかなか現場で活かすことはできなくて。災害が少ない事はもちろん良い事で僕らもそれを願っていますが、「経験を積む」という観点からは、力を発揮できる場所が少ないのは寂しいなと感じていました。

救急の現場は毎日あるので、現場で学んだことを活かせたり、改善点を考えられる。自分の成長を感じられる点が魅力的でした!

現在の活動を始めたエピソードをお聞かせください!

子育てをするお母さんのために、救命士として何かサポートできないかと考えたことがきっかけです!

一般の方向けの救命法の啓発も救急救命士(以下「救命士」と称する)の仕事の1つなんです。

実際救命講習を受けるのは、ある程度モチベーションが高い方。 僕は、救命法がさらに普及するよう「救命法に興味がない方向け」の講習もやりたいと思っていました!でも消防署では少しでもクレームが出るとまずいので、なかなかアイディアとして通らなくて。

その頃自分が結婚して、子供ができて、子育ての大変さを改めて実感したんです。普段の子育てだけでも大変なのに、「もしも子供に何かあったら」という不安がさらに負担を大きくさせる。

救命士として自分の知識をお伝えすることで、少しでもお母さんの不安が軽減され、子供との時間に余裕が持てて、もっと家庭に笑顔が増えたら良いなと思ったんです!

そういう経緯で、消防署の仕事とは別に、「子どもの救命法」をお母さんたちに伝えていく活動をしようと思い立ちました。

事業内容について詳しく教えてください!

消防署を退職し、「ママのための救命幸習」という子供の救命法を広げる活動を行っています!

2014年から「ママのための救命幸習」という、子供の救命法を広める活動を行っています。

最初は職場に許可を取り、ボランティアとして始め。次第に口コミで広まり、こども園、ママさんサークル、カフェのイベントなどで開催することが増えていきました。

公務員という立場上、個人としての情報発信や、企業とのコラボ企画などの活動が難しく。歯痒い思いをしながら活動していました。

けれど自分の想いを無視できなくなり、「公務員の枠を出て、思い切り活動したい」と決意し、2020年8月に23年間勤めた消防署を退職し、独立しました!

初めは活動が仕事になるのか未知数でしたが、満足するコンテンツを提供すれば、納得して皆さんがお金を出すことに気付きました。

消防士公務員としてできなかったコンテンツを提供することで、仕事になるイメージがついてきて。今まで届けられなかった人にも救命法を届けられる。仕事と自分の想いがリンクしてきたのを感じました!

啓発活動の今後の目標は何でしょうか?

オンラインとリアルの両方で救命法の「やり方・在り方」を伝えていきたいです!

今後はInstagramやYoutubeを活用したり、得た知識を忘れないようLINE@などで日々発信していきたいと考えています。緊急時~日常起こりうることの救命法・応急処置などを、オンラインとリアルの両方で伝えていけたらなと。

やり方だけでなく、在り方も伝えていきたいです。非日常を沢山経験してきた自分にとって、何気ない日常は宝物に思える。でも日常を当たり前と思っていると、ありがたみがなくなってしまう。子供と過ごす時間をどのように捉えるかで、子供への接し方、家族との過ごし方が変わってくると思っています。

「日常は当たり前でない」と思える親御さんが増えることで、もっと家庭に笑顔が増えるし、もっと世の中が良くなると信じています。

今後社会にどのような影響を与えていきたいですか?

一般の医療リテラシーを高め、医療従事者の負担を減らしていきたいです!

医療従事者は、周りのために自分の身を削って頑張る人が多い。今の医療現場はこれ以上頑張れないくらい頑張っています。

現状を良くするには「もっと頑張る」のではなく一般の医療リテラシーを高める必要があると感じています。医療者側の負担が減ると、心の余裕が生まれ、より正しい判断ができるようになっていくのではと。

医療リテラシーを高めるには、楽しく学ぶこと。そのために僕は救命講習をエンターテイメントにしたいと思っています!「面白そうだから受けに行く」というものを作りたい。賛否両論あるかもしれませんが、リスクを承知の上で、僕にしか伝えられない人に伝えていきたいです。

あとは、フリーランス救命士を増やしていきたいです。まだまだ消防署の外で救命士として食べていくには厳しい社会だと感じていて。

僕がフリーランス救命士の1つのモデルとして、そこに風穴あけていきたいなという野望もあります!(笑)

hospassを通して伝えたいこと

自分の想いや知識を伝えていくことは、使命だと思っています!

医療に携わる人は、自分の想いや知識を当たり前に思いがちですが、実はすごい価値のあることなんです!自分の想いや知識を伝えていくことは、大袈裟かもしれないですが、私は使命だと思っています。

人生で最も大切なことは、最も大切なことを、最も大切にすること。沢山の現場を経験し、沢山のことを感じてきた私には、少しだけそれを伝える力があるんじゃないかと思うんです。

私には出来ない事もあります。 でも私にしか出来ないこともあるのかもしれない。少しでも世の中に「幸せ」が増える事を願い、これからもこの志事をしていきます。

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