気軽に学べる医療英語の場を。【海仲由美 / 看護師】


海仲由美(うみなか ゆみ)

社会人を経て看護師を取得。退職後留学したフィリピンで語学学校HLCAを起業。
日本人の語学力の向上と海外との架け橋になるよう、
気軽に学べる医療英語の場を提供している。
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看護師の資格を持ちつつ、現在はフィリピンで語学学校HLCAを経営されている海仲由美さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 看護師を目指した理由
  • 海外で起業する事になったきっかけ
  • 事業に詰まった想いと今後の展望

まず初めに、看護師を目指したきっかけを教えてください!

年の近い叔母が看護師だったのと、母が47歳で看護師になった姿を見て安心感があると思ったからです。

叔母が看護師だったんですよね。美人で白衣姿がキラキラしていてすごく憧れを持ちました。

その後の母が47歳で看護師になった姿を見て、仕事だけじゃなくて家庭に看護師がいる事で頼りにもなるし、周りを安心させる力があるなと思い、やっぱり看護師っていいなと思ったのがきっかけです。

社会人になってから看護になった理由はなんですか?

医療秘書から石垣島のリゾートバイトへ行ったんですが、その時のエピソードが決めてですね。

高校卒業後に短大に行き、医療秘書の資格を取って病院で勤めたのですが、長く続かなかったんです。

その後一度退職して、石垣島のリゾートバイトでダイビングショップに住み込みでアルバイトへ行っていました。その時も身体に障がいを持っている方のサポートをしながら、海にもぐる経験もして、やっぱり「人の役に立つことをしたい。医療に携わりたい。」と思いました。

地元へ帰ってから看護助手として現場で働き始めましたが、その仕事がとても楽しかったので、そこから看護師を本気で目指し、その後無事に資格をとって臨床現場で働きはじめました。

そこから留学に行ったきっかけや経緯はなんですか?

自分のキャリアを考えた時に、昔から興味があった海外に出てみようと思いました。

看護師として4年半働いた時自分自身のキャリアを考え直したんです

中学生くらいから海外に興味があり、なかなか行く機会がなかったんですよね。ずっとチャンスを伺っていて、4年半働いたタイミングで一区切りと思い、自分自身の価値や視野を広げる為に留学することを決めました。

留学先での出来事を教えてください!

授業を受けて「医療の英語の授業があったらいいのにな」と思っていたんです。

フィリピンに行った初日に、日本では感じられない雰囲気活き活きと生活している様子に衝撃を受け、一気にこの国が好きになりました。

そして授業を受けた時、先生が看護師の資格を持っていると言うことを知って、医療英語のコースがあってもいいのにな。』と思ったんです。

留学が終わってからもフィリピンに滞在して、語学学校で働きながら生活していました。

その中で「いつか自分で医療英語の学校を作りたいなー」とぼんやりと考えながら、事業計画も立てて、上司に伝えることもしていたんですよね。ですが、うまく受け入れてくれる会社はなく、半ば諦めていました。

悶々とした中生活していたんですが、たまたま周りに起業している人が多くいたんですよね。

みんなで集まっている時、友達から「なんで会社で働いてるの?自分でやり方が分かるなら、自分で会社を立てたらいいのに。やりたいのなら協力するよ」と言われたんです。その瞬間ハッとして…。その言葉のおかげで、自分で会社を建てるという発想が生まれ起業しました。

起業して大変だった事は何ですか?

異国の地の価値観に合わせる事が必要で、日本人とフィリピン人の価値観の擦り合わせが難しいと感じました。

日本で起業した事もないし、もともとルールというものが苦手だったこともあって、フィリピン人の価値観を大切にしてきました。

フィリピンは役割分担制なので、担当した仕事しかしない文化なんです。日本のような雑用も含めた一連の仕事をすること日本の文化を理解してもらうことを、スタッフに示して行くことが大変でしたね。

生徒は日本人なので、フィリピン人の価値観や文化に違和感を感じて、クレームに繋がる事もあり、理解してもらう事がとても難しいとも感じました。

現在はオリエンテーションなどに力を入れて、理解を深めていただけるようにしています。クレームに対しても、それぞれが違う価値観があるという認識をしていただき、双方で視点を広げられる場にして行くように対応しています。

現在の事業に詰まっている想いや展望を教えてください!

日本の医療者の英語力向上や視野を広げるきっかけと、フィリピン人の雇用を守りたいんです。

日本の医療者が英語ができるようになれば、日本にいる外国人が安心して医療を受けられると考えています。

またフィリピン人は自分の国で稼ぐ事が難しいのが現実なんですよね。

海外での出稼ぎをしないと、生活していくことが難しくなります。大切な家族と離れ離れで働かなきゃいけない環境を変えるには、フィリピン人の雇用を守る事が重要です。

今後日本人は文化や価値観などグローバルな視点をもつことが大切ですし、医療と言う側面から外国人雇用も受け入れやすくなる事が必要です。

外国人労働者を受け入れやすくするためには、日本語だけでは不十分なんですよね。なのでぜひ英語を学んでほしいなと思っています。

日本で働いている看護師さんは『看護師』という資格に縛られたり病院や病棟など限られた場所で働くことが辛くなっている人が多くいると思うんです。

ちょっと外に出ると色んな選択肢はあるし、多様な働き方がある事に気づけると思うので、その選択肢を広げていきたいです。

将来的にはASEAN諸国でも、EUのように医療免許が行き来できるようになれば、用いられる言語は英語になると思います。

他国ではインターンシップなどで医療英語で学んでいるのに、日本人は日本語しかできない。それでは世界から遅れをとるので、日本の医療者も英語力の向上をしていければと思います

最後に読者のみなさんへメッセージをお願いします!

不安は行動でしか解決できない。不安な時は行動が足りない証拠。

病院から飛び出す時、不安になることは多いと思います。ですが不安は行動でしか解決できません。

不安などネガティブな感情があるときは、行動力が足りないと自分に言い聞かせて活動しています。

目の前の事を一生懸命やる事ができるし、視野も広がる。行動しないと分からないので、とりあえずやってみる事が大切だと思います。

海外にいると日本はかなり恵まれている奇跡的は国です。フィリピンは保障がないのに対し、日本では生活保護制度など、最低限の生活を保てるようになっています。

日本の国籍を持っていて、国家資格など一生使える資格があるのはとてもアドバンテージを持っているんです。

自分が起業する時も考えたのは、もし失敗しても日本に帰ればまたやり直せるという事でした。今の恵まれている現状が分かれば、それなら一歩踏み出してもいいんじゃないかって思えます。

ぜひ挑戦してみてください!

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