コラボでイノベーションを作っていきたい。【西井香織 / 薬剤師】

西井 香織(にしい かおり)

薬学生時代に起業し、薬剤師免許を取得後も自身の事業を成長させ、現在では様々な事業を展開している。薬剤師のワークシェアリング事業「旅する薬剤師」はビジネスコンテストで優勝も受賞されており、サービス普及に向けて精力的に活動中。
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今回は薬剤師の資格を持ち、学生時代に起業。現在では薬剤師のワークシェアリング事業や健康食品開発など様々な事業を展開している西井さんを取材をさせて頂きました!

記事の見どころ
  • 薬剤師になろうと思ったきっかけ
  • 在学中にした貴重な経験について
  • 現在の事業、今後の展開について
  • 西井さんが大切にしている想い

薬剤師になろうと思った経緯を教えてください!

医療従事者にあこがれていたことと、化学が好きだったので薬剤師を選びました!

私自身小さい頃からアトピーや花粉症で病院にお世話になっていました。

当時、病院で薬について優しく教えてくれた薬剤師さんが記憶に残っていて、幼いながらも『その人に助けられた』という気持ちがありました。そこで医療の仕事はカッコいいなと思ったのが最初のきっかけですね。

もうひとつの理由は、化学の勉強が好きだったんです。厳しい家庭だったのもあり、大学を選ぶ時に頭の良いところに入りたいと自然に思っていました。好きな教科が化学だったので、国公立の理系か薬学部で悩んだのですが、何か形に残る資格がほしいと思い、薬学部を選択しました。

学生起業したとのことですが、学生時代の経歴を教えてください!

学生団体を立ち上げたり、休学して起業したり…学生の時から新しいものをつくるのが好きでした!

2年生のときに、音楽イベントをする学生団体を立ち上げました。0からスタートして、最終的に1000人を超える団体になったんです!そのことがきっかけで、0から人を集めて組織を作って、新しいものを生み出すのは楽しいなと思いました。

3年生で音楽イベントの団体は引退して、別のファッション団体を立ち上げました。ファッション団体の方は、音楽イベント団体のようにはいかず赤字になってしまい…。赤字になった途端仲間も離れていって…。そこでお金は大事なんだと実感し、ビジネスに興味を持ったんです。ビジネスを学ぶため、6年生の時に2年間休学することを決意しました。

休学1年目は10社くらいインターンに行ってたんです。マーケティングや新規事業の立ち上げ、スタートアップ等の自分で0から作るスキルを学びました。起業家シェアハウスに住んだり、ビジネスコンテストに出たりして、起業するためのマインドを培っていきましたね。

休学2年目で自分の会社を建てました!その後は事業を伸ばすために奔走しつつ、復学して国家試験の勉強。1日10時間勉強しながら、放課後に会社の仕事をするという1年でした。

起業を意識したタイミングは?

就活とヒッチハイクの経験から起業をしようと思うようになりました!

実習を通して「自分は薬局や病院勤務に向いていない」と感じたので、一般企業で働こうと就活を始めたんです!でも第一志望のインターンに参加してみたら、全然イメージと違いました。言われたことをいかに正確にこなせるか…。窮屈に感じがして、苦痛で仕方がなかったですね。(笑)

他にも人材派遣会社を受けてみましたが、やっぱり枠にはめられた人材を求められているような気がして。改めて私は、組織に入るのが苦手ということを実感し、それなら自分で起業しようと思うようになりました。 

もう1つ、人生の転機になったのはヒッチハイクの経験です。行って帰って来られる保証もなく、目的地も自分で決めるのがヒッチハイク。それまでは親が提案したように生きてきたけれど、ヒッチハイクを通して「もっと自由に自分の人生を自分で作っていいんだ」と感じたのも、きっかけの1つです。

現在の事業、旅する薬剤師と週末薬剤師の事業内容をお聞かせください!

都心で働いている薬剤師を地方薬局へ派遣する、薬剤師のワークシェアサービスです!

地方薬局はなかなか人材が集まらないという話を聞いて、「薬剤師として何かできないかな」と思い、作ったのが『旅する薬剤師』というワークシェアサービスです。 

サービス内容としては地方薬局に都心の薬剤師を短期間派遣するという形です。地方観光ついでに行けるという【旅】を前面に押し出しています!

地方薬局には薬剤師不足と、地方自治体の人口減少という課題があると感じていて。人口問題に関して、現代は人材を奪い合っているイメージがありますが、そうではなくて人が循環することで経済効果を生みたいと考えています。ウェルビーイング向上を掲げ、薬剤師にとっても、地方薬局にとっても良い環境を創っていくことがミッションですね。

とはいえ登録していてもすぐには地方薬局に行けない、という人が多いんです。登録した人たちが稼働しない状態を打開するために始めたのが週末薬剤師で、週末に別の薬局で働くことができるサービス展開しています。

週1回違う薬局で働くことで、スキルアップや気分転換できたり、お金が稼げたりする。いきなり地方で働くのはハードル高いですが、週1回なら挑戦できる。フットワークを軽くすることで、違うところでもやってけるんだということを実感してもらえたらと思っています。

もうひとつの事業、ヘルシーラボについても教えてください!

健康的で美味しい食品を生み出す研究所です!

ヘルシーラボは在学中に立ち上げました。

もともと健康と食に関する事業に興味があったんです。大学で糖尿病を研究していたこともあり、糖尿病にならない人を増やすためにどうしたらいいのかをずっと考えていました。

世の中の食品はだいたい糖質高いじゃないですか。

ヘルシーラボは、健康的で美味しい食品を増やす取り組みをする研究所です。自分たちでも商品を作るし、ヘルシーな商品を作りたいというメーカーがいたら、一緒に作るということをコンセプトにしています

例をあげると低糖質パンのグルテンフリーのお菓子を作っています。なかなか好評で、需要の高さを感じています。

活動を通してどんな社会にしていきたいですか?

新しいわくわくを作っていきたいです!

ミッションとして【コラボでイノベーションを作る】を掲げています。旅する薬剤師も、自治体や薬局と組んで活動しています。メーカーや自治体と医療職がコラボレーションすることで新しい価値ができるんじゃないかなと思うんです。

よく「アイディアは何かと何かの掛け合わせ」と言うじゃないですか。その言葉がすごく好きなんです。どんどん新しいものを作っていって、新しいことでわくわくする社会を創造していきたいなと思いながら活動しています。

西井さんが大切にしていることは何ですか?

座右の銘は「マイナスをプラスに」!

嫌なこと・悪いことがあった時こそ、それをバネにしたいんです!これがあって良かったと思えるように日々行動しています。後悔や嫌なことをマイナスに捉えたくないんです。

その出来事がなかったら、やらなかっただろうなということをやっています。私の話でいうと、学生時代のヒッチハイクで死にかけた経験がなければ起業していなかったかもしれません。

今までの全ての経験のおかげで今があるんだと思っています。

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