こんにちは、hospass運営局です!医療系情報メディア【hospass】では病院はパスする時代というスローガンを掲げ、日常お役立ち情報や病院の外でも活躍している医療職の取材記事を発信しております!どうぞご覧ください!
今回は、助産師の資格を持ちつつ、現在は音声配信でも活動されている さと さんを取材させて頂きました!
- 音声配信を始めようと思ったきっかけ
- 音声配信を選んだ理由
- 配信に込めた想い
助産師になろうと思ったきっかけを教えてください!
高校時代、性の健康教育を受けたことがきっかけです。
高校生の頃、産婦人科医の種部恭子先生による性の健康教育を受けました。性の後ろめたいイメージを払拭し、医学的な知識をストレートに語る先生の姿がキラキラと輝いて見えて、「あんな女性になりたい!」と強く思ったんです。
女性のライフスタイルに寄り添える職業に就いて、すべての女性の味方になることが目標になりました。
もともと、女性にしかなれない助産師という職業に魅力を感じていたこともあり、助産師の資格まで取得できる大学に進学することにしました。
資格取得後はどのような働き方をされていましたか?
現在は、育児をしながら助産師・看護師として働いています。
大学卒業後、地域の総合病院に助産師として就職しました。混合病棟のため、産婦さんだけではなく、急性期の患者さんの看護も行っています。頭の切り替えは大変ですが、職場環境もよく、お産にも携われているので、やりがいを感じています。
途中、約1年の育児休業もはさみましたが、現在は職場復帰しています。
音声配信を始めようと思ったきっかけを教えてください!
「頑張らなくていいよ」と優しく寄り添ってくれる存在がもっと身近にいてくれたら、と思ったことがきっかけです。
妊娠・出産を経験して、気分の落ち込みを自覚しました。キャリアを積んできた中で子育てだけをしていると、自分だけが取り残されているような気持ちになり、 自分自身を保てなくなりそうでした。 子育ては楽しくて幸せなはずなのに、答えも成果も見えない毎日に焦燥感や不安を感じたんです。
コロナ禍における感染予防の観点から、産前教室や育児教室なども中止になってしまったことで、社会とのつながりが薄く、孤独感や疎外感もありました。教科書ではマタニティーブルーズの発症率は30~50%と言われていますが「実は全員がマタニティーブルーズになっているんじゃないか」と思うくらいでした。
私自身、インターネットの「検索魔」になり、根拠不明の情報に踊らされ、かえって不安になったこともありました。効果の怪しい商品PRを見て、思わず購入してしまう方もいるでしょう。
国が展開する産前産後サポートもありますが、利用者が限定されており、使えたとしてもサービスを利用するまでの手続きが大変です。
もっと手軽に根拠のある有益な情報を知れたり、寄り添ってくれたりする存在がいたら、と思ったんです。
ご自身の経験がきっかけだったんですね!助産師の視点から感じていたことはありますか?
助産師は、妊婦さんや褥婦さんに保健指導を行うことも多いのですが、どうしても時間に制限があります。伝えたい内容がまだあるにもかかわらず、すべて伝えきれないことも多いのが現状でした。
助産師として時間を気にせずに伝えられる場所があればいいな、と感じていたこともきっかけのひとつです。
動画など様々な配信媒体がある中、音声を選んだのはなぜですか?
私自身が音声配信を聴いて、行動変容につながる経験があったからです。
マタニティーブルーズのときに、友人がかけてくれた温かい言葉や、テレビから聞こえる笑い声で心が軽くなった経験もあり、もともと音声のすばらしさを実感していました。育休から復帰後、stand.fmという音声配信アプリでmyデンティスト・トークというチャンネル名でご活躍されている歯科の先生の配信に出会ったんです。
ある時「デンタルフロスの大切さ」について配信されている回があって。産後子育てに追われ、自分の身の回りのケアを後回しにせざるを得なかった私でしたが、配信を聴いて何気なく始めてみたところ、丁寧にデンタルフロスを行う習慣がついたんです。それも、作業をしながらトークを聴いていただけで!
保健師の授業で、「行動変容を促すのは大変」と学んでいたので、 「音声の力ってすごい!」と改めて思いました。
音声は手軽に生活の中に取り入れやすいとも考えていました。「家事をしながら」「授乳中やミルクをあげながら」など片手間に聴くことができますし。配信を聴いている時間が「1日頑張った方がほっと一息つける時間になったらいいな」という私の想いにも合っていたんです。
stand.fm配信に込めている想いを教えてください!
子育て中の方々が少しでも肩の力を抜いて、明るく笑顔で毎日を過ごすことができるといいな、という想いで配信しています。
私と同じように、子育て中の孤独感や疎外感を感じている方、産後に気分が落ち込んでしまっている方、肩に力が入りっぱなしの方はたくさんいると思います。「今日も1日本当にお疲れ様です」と配信を通してお伝えすることで、毎日子育てを頑張っている方に寄り添えたらと思っています。
子育てに正解はないと思うんです。聴いてくださった方が不安な気持ちにならないためにも、できるだけ科学的根拠に基づいた子育て情報を、引用先と合わせて発信するように心がけています。
「動物も子育てするように、子育ては本来、本能でするもの。でもちょっと賢くならないと親より良い子には育たないよ。ちょっと賢くなるというのは、目の前の子を想えば想うほど、まずはパートナーへ心を配るということ。夫婦がお互いにありがとうと感謝し合う温かい家庭の中で子どもがのびのびと育つのよ。」という言葉を尊敬している方からお聞きしました。子どもに関心を寄せることが子育てだと思っていた私にとって、この言葉が心にぐっと響いて残っています。
家族は社会の最小単位だから、夫婦仲は少なからず子どもに影響すると思うんです。私の配信では、円満な家庭を築くことの大切さや私自身の育児体験について、失敗談も交えながらお話ししています。家族みんなが明るく円満に過ごせるヒントをお届けできたらいいな、と。
子育て中の皆様に、お好きな飲み物片手にほっと一息ついてほしい、という願いも込めて「助産師さとのほっと一息tea break」というチャンネル名を付けました。ぜひ検索してみてください!そして、お茶でも飲みながらほっと一息ついて、気軽な気持ちで聴いてください!
最後にhospassを通して伝えたいことをどうぞ!
子育てを頑張るすべての方々に「お疲れ様です。ありがとうございます。」と伝えたいです!
子育ての悩みを抱えて「検索魔」になり、効果の怪しいPR商品をポチッと購入しそうになっている方。産後に社会からの疎外感や孤独感を感じ、孤立した状態になっている方。こういった方々へ私の想いを寄せた音声をお届けすることで、子育ての大変さを少しでも軽減できたらと思います。
「ソーシャルディスタンスを保ちましょう」と物理的な距離だけでなく、人と人との心の距離も離れているコロナ禍の昨今。心が通う助け合いの中で、子どもだけでなく親もみんな笑顔で、すくすくのびのびと成長できる。そんな社会になったら素晴らしいですよね!