自分のやるべきことのために生きる 【吉川 響/ 医師】

取材日:2022/6/23

吉川 響(よしかわ ひびき)

大学を卒業後、初期臨床研修コースを経て脳外科医になることを決意。医局に入局後、脳外科として活躍中に医療現場の非効率さに社会問題を感じる。株式会社ContreaのCEOである川端さんとの出会いが起源となり、現在は業務効率化のための動画制作に関わる業務全般を担い活動している。
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こんにちは、hospass運営局です!医療系情報メディア【hospass media】では「病院はパスする時代」というスローガンを掲げ、日常お役立ち情報や病院の外でも活躍している医療職の方々を取材記事を発信させていただいております!

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医師の資格を持ちつつ、現在は株式会社Contraで医療現場の業務効率化を図っている吉川さんを取材させて頂きました!

記事見どころ
  • 事業を始めようと思ったきっかけ
  • 事業内容や想い
  • hospassを通して伝えたいこと

医師として実際に働いてみてどうでしたか?

座学と現場の違いにギャップを感じたことで、脳外科の面白さに一気に惹かれました。

進路を考えたときに周りに合わせてなんとなく医学部に入って、研修医の時は、あんまり医者って面白くないと思っていました。座学(医学)と現場(医療)は全然違っていて、ギャップを感じる日々。私は現場より勉強の方が楽しく、学んだことを体現し、医療として届けていくことにやりがいを感じなかったんです。

このまま20年30年、医師として働くのはどうなんだろうという漠然とした疑問を抱きました。働き方への疑問はなく、医師以外の道を考えるなら、初期研修が終わる前が最後のチャンスだと考えていました。

しかし、たまたま脳外科を回ったときに、脳外科のすべてが楽しいと思え、一気に医師に惹かれました。私にとって、初めて医療を面白いと思える科が現れたんです。脳外科なら医師を続けられそうだと思いました。

人の多い関東のほうがよりチャンスを掴みやすく、自分の選択肢を増やせると考えて、上京して入局しました。

現在の事業を始めようと思ったきっかけについて教えてください。

医療現場が非効率的であることは社会問題だと感じ、私がやらないと!と思ったからです。

脳外科医は好きで就きましたが、目に止まったのは医療現場の非効率さでした。脳外科医として能力を高めるためには、限られた時間の中で手術の計画書を書いたり、論文を読む必要があります。にも関わらず、効率化できる雑務に日々圧迫されている。息苦しさを感じているのは私だけじゃなかったんです!

現場の非効率性について、医師同士でご飯に行ったときに話すことはありましたし、ネット上で愚痴を見たこともあります。でも、声をあげて行動に移す人は見当たらない。他の人も感じているなら、医療現場の社会問題だ!私がやらないと!と思いました。

もともとビジネスには興味があったので、ビジネスコンテストに出てみたりと行動する中、株式会社ContreaのCEOである川端さんとZoomで話す機会があったんです。

川端さんは医師を探していて、私は同じようなことをやろうとしている人を探していて。川端さんとの話は本当にあっという間で。

2024年に医師の働き方改革で医師の残業を減らそうとしている最中、会社も成長しているタイミングだったので、いま波に乗らないと乗り遅れるかもしれないと感じたんです。むしろ、やりたいなら今かもしれないと思いました。

上司にも私の熱意が伝わり、未来の医療に必要なことだと、温かく送り出してくれました。一度も話したことのない同僚も声をかけてくれて応援してくれました。医局には今も感謝が尽きません。

事業内容や事業への想いについて教えてください。

株式会社Contreaのミッションは「医療にかかわる全ての人に安心を」です。

株式会社Contreaは、インフォームドコンセントを動画で代替する事業を行っています。医師は業務の効率化をはかることができ、患者さんはわかりやすい動画を何度も見ることで理解度や満足度が向上する効果を狙っています。

私は動画制作のマネジメントや医学的な監修、協力してくれる医師を探したり、新企画など全般的に担っています。動画制作を通して、業務の効率化を図りたいと思っています。

株式会社Contreaのミッションは「医療にかかわる全ての人に安心を」です。医師や患者、医療に関わるすべての人が安心できるような未来を創りたいと考えています。

私は医療現場の効率化、医師の働き方改革など、医師の安心を担いたい。医師の安心とは、労働環境への安心、キャリアへの安心、日本の医療のサステナビリティに対する安心のことです。

私自身、最初は医師にしか目を向けていませんでした。川端さんはもっと広い視野を持っていて、医療にかかわる全ての人に目を向けていたんです。私にはない視点でした。

今は株式会社Contreaのミッションと、私個人のミッションを重ねあわせた目標を立てています。それぞれのミッションを叶えていくことが理想です。

hospassを通して伝えたいことは何ですか?

今の仕事を辞めて自分のやりたいこと、やるべきことのために活動する生き方もあることを知ってほしいです。

2024年から医師の働き方改革が始まることは社会でもよく言われていますが、実は2035年までロードマップがひかれています。10年以上先のことまで考えた医師の働き方改革。テクノロジーを用いた業務効率化への興味関心を高めていきます。

型に捉われずに古い慣習と決別して、「こんなことをしてもいいんだ」「どんなサービスができるのだろう」と自分で探してみたいと考えて私のように現場を飛び出す方や、現場の意識が加速度的に変わってくための手助けをしたいです。

加速度を高めて進み始めたら、私が大きく関わることは少なくなってくると思います。

私は医師をやめて、自分のやりたいこととやるべきことの為に活動しています。今の私は、株式会社Contreaのフロントに立ち続けて、「医療にかかわる全ての人に安心を」届けるために、やれることは全てやりたいと考えています。

自分のやりたいこと、やるべきことのために活動する生き方を選ぶ方が増えてほしいと思います。

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