取材日:2022/12/23
こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。
看護師の資格を持ち、現在は貧血相談カウンセラーとして独立開業しながら、ブログやコミュニティー運営など様々な活動をしている渡辺さんを取材させて頂きました!
- 医療の道へ進んだきっかけ
- 現在の活動を行うきっかけ
- 貧血相談カウンセラーになってみてどうか
- 社会に与えたい影響
医療の道に進んだきっかけについて教えてください。
体やメンタル面の不調を治せる看護師になりたかったからです。
中学校2年生のときに、原因不明の体の不調と鬱に襲われました。体の不調を両親へを相談してもなかなか理解してもらえず、病院を受診して治療を開始してもよくならなかったんです。治療は一方通行で体調は改善せず、担当の医師にも自分の体の不調について理解してもらえず、大変辛い思いをしました。
自分が悩んでいる不調に対して、症状を十分に理解した上で治療方法を提案できる人になりたいと考え、それがそのまま将来の夢になりました。
「子どもの頃の自分を元気にできる大人になる」という夢を叶えるために、看護師になることが一番の近道だと思ったので、看護師を目指しました。
また病棟看護師として働くことが、自分と同じような悩みを抱いている人へ手助けできる最善の手段だと思ったのもきっかけの1つです。
実際に憧れの看護師として働いてみてどうでしたか?
私の理想とかけ離れていました。
資格取得後、看護師として小児総合医療センターの児童精神科へ勤務しました。最初に児童精神科へ勤務した理由は、自分の病気を治す方法を見つけたかったからです。
実際に勤務してみると、治療をしても病気は治らないということを前提に入院している方ばかりでした。退院しても、何ヶ月後かに再度入院してくるような方が多くいらっしゃったんです。私は現場の状況を目の当たりにして、病院へ通っても病気が治らないことや、繰り返すことへ疑問を抱きながら勤務をしていました。自分の治療方法を見つけるために働いていたんですが、逆に謎が深まるばかりでした。
当時は夜勤もしていたんですが、持病が影響して体調を崩すことも多くなり、病院を退職してしまったんです。当時を振り返ると、かなり無理をしながら看護業務を続けていたと思います。病院を退職後、一時期はほとんど寝たきりのような療養生活を半年ほど送りました。
現在の活動を始めようと思ったきっかけについて教えてください。
長年原因不明だった体の不調が、実は貧血によるものだったと気づいたからです。
貧血に特化した活動を始めたきっかけは、長年私を苦しめた体の不調の原因が貧血にあったことにあります。
中学生のときに初めて貧血と診断を受けましたが、何度治療をしても良くはならなかったんです。そのため、当時から原因不明の体の不調や理解してもらえない辛さを感じながら大人になりました。
最終的に症状が重なって起き上がれない、または外出すればどこかで気絶して倒れてしまうという状況になったのですが、なぜか当時の私の健康診断は毎年オールAだったんです。
健康診断の数値では異常がなかったことから、病名はつかずに原因不明という診断となったことにすごく疑問を持ち、ベッドの上で海外論文を読み漁っていました。そのおかげで、私の体調不良の原因が隠れ貧血かもしれないということに気づいたんです。
それから論文を持って27件も病院やクリニックを渡り歩き、 やっとその論文を知っている医師に出会い、「隠れ貧血による鬱症状」と いう診断名をつけていただきました。 その主治医とともに隠れ貧血について学びながら治療を進め、1年ほどかけて貧血による体調不良を改善することができたんです。
その学びの中で日本は貧血大国であることを知りました。英語で隠れ貧血について調べるとたくさんの情報があるにもかかわらず、日本のGoogleには情報がありませんでした。そこで私の知識が、価値の高い情報になるのではないかと思い、貧血特化のブログをスタートしました。
活動内容や想いについて教えてください。
原因不明の体の不調や悩みを改善できます!
現在、貧血特化のブログ以外に、情報交換のための貧血コミュニティ運営、貧血セミナー講師、貧血相談カウンセリングを行っています。特にカウンセリングは1対1で病院探しや栄養指導、コーチングメンタルケアなど、徹底した貧血改善サポートを行ってます。
私自身鉄分不足で精神疾患様の症状が出ていましたが、精神薬ではなく貧血が改善したことで体調が良くなりました。体の不調がなくなってからは、逆に落ち込めないことに悩むようになったくらいです。試しに遺伝子検査した結果、本来はすごくポジティブな人だということがわかりました。つまり遺伝子レベルでポジティブな方でも、貧血の影響で落ち込んでしまう可能性があるということです。
1度でも貧血と診断されたことがあり体の不調がある場合、ほぼ確実に貧血が関係しているといえるでしょう。たとえ貧血と診断されたことがない方も、隠れ貧血の可能性があります。 日本女性の2人に1人は鉄分不足だからこそ、貧血への知識をつけることができたら、自分だけでなくご家族の方の健康も守ることができます。
体の不調を抱えている方の相談や悩みを解決していきたい、貧血について知ってほしいという私の想いが、現在の活動の原動力になっています。
社会にどんな影響を与えたいですか?
貧血の正しい知識や理解を広めて、女性や子ども達を健康でポジティブになれるようにしたいです。
日本は貧血大国と言われるほど、鉄分不足の方が多くいらっしゃいます。
特に女性の方は、妊娠や出産後に貧血による鬱などの精神症状はじめ貧血症状が大きく出る方が多いです。
貧血は精神症状だけでなく、早産や発達障害、低出生体重児など、妊娠・出産に関わる病気にも関係していると報告されています。さらに成長期の子どもにも貧血を発症するリスクが隠れているんです。
また貧血はヘモグロビンの値だけでは分からないんです。鉄の貯蔵量の指標であるフェリチンという項目も重要なんです。ですので今後、フェリチンが健康診断の項目になるように働きかけていきたいと考えています。また、貧血の症状だけでなく、検査方法や解決方法も伝えていきたいです。
貧血に関する正しい知識を老若男女へ伝えていくことで、食事や栄養の摂り方が変わってくると思います。最近ではサプリメントなどの栄養食品もあるので、手軽に鉄分補給を行えます。
当時の私のように貧血で悩んでいる方が、少しでも健康でポジティブになれることを願っています。また、貧血への知識をより深めながら、貧血は予防できること、身近な不調は貧血改善で治せることを伝えていきます。
渡辺 綾(わたなべ あや)
看護大学を卒業後に総合病院へ勤務。幼少期から原因不明の体調不良になり、なかなか改善しなかったが、ある海外論文をきっかけに、体調不良の原因が貧血であることが発覚。
現在は持病を克服し、貧血相談カウンセラーとして活動をされている。