生き生きと自分らしく働く歯科衛生士を増やしたい【福本 眞衣 / 歯科衛生士】

生き生きと自分らしく働く歯科衛生士を増やしたい【福本 眞衣 / 歯科衛生士】

取材日:2024/1/18

福本 眞衣(ふくもと まい)

歯科衛生士として働きつつ、新卒歯科衛生士やパパママ世代のために
SNS発信やオンライン相談といったサポートを行なっている。

hospass運営局

こんにちは、hospass運営局です。“病院はパスする時代”を創造するべく、医療職限定でチームを組み活動を進めています。

歯科衛生士の資格を持ちつつ、現在は新卒歯科衛生士のサポートのために活動されている福本さんを取材させて頂きました!

記事の見どころ
  • 歯科衛生士になろうと思ったきっかけ
  • 現在の活動内容
  • 社会へ与えたい影響

歯科衛生士になろうと思ったきっかけを教えてください。

福本 眞衣

歯医者の印象を変えてくれたクリニックに出会ったことがきっかけです。

小さい頃は歯科医院に縁がなくて、漠然と怖いイメージがありました。

中学生のときに初めて訪れた愛知県江南市どんぐり歯科に、良い意味で衝撃を受けたんです。スタッフの皆さんが優しく声を掛けてくれたり、世間話をしたりしてくれて、リラックスして過ごすことができました。

虫歯がなくても「また行きたい!」と思いましたし、楽しみでした。そして歯科衛生士に興味を持ち、目指したんです。

同時に、この歯科医院で働きたいという夢もできました。高校1年生から歯科助手としてアルバイトで働き始め、資格を取得してからは歯科衛生士として働いています。 

座学は得意だったのですが、実技が苦手だったので大変なこともたくさんありました。ただ、学校に入ってからの勉強は楽しかったです。

ですが、実習先にも恵まれて充実した学生生活を送ることができたと思います。

現在の活動を始めたきっかけを教えてください。

福本 眞衣

知識不足や人間関係で悩んだ経験から、新卒歯科衛生士の助け舟になる場所をつくりたいと思い始めました。

正社員として新卒で就職して、知識不足や人間関係に苦しみました。常に涙が止まらなくなり、食事も摂れず体重も減り、今思えばうつ病直前だったんだと思います。

もともと私は実技が苦手だったので、そこを突かれてよく怒られていました。毎日辞めたいと言っていましたが、いつか楽しくなるだろうと信じて踏ん張りました。

気持ちが落ち着いてきたのは、就職してから5年くらい経ってからで、それまでは苦しい時期が続いていたんです。

実技が苦手なことを引きずっていて、慣れるのに時間がかかりました。

しかし外部のセミナーに参加したり、ほかの歯科医院に研修させていただいたりすることで、こうやったらいいんだと分かってきて、徐々に仕事が楽しくなりました。

私はなんとか踏ん張れましたが、辞めてしまう新人は多かったです。新卒の一番大事なときに研修制度や教育フローが整っていないのが問題だと感じました。

せっかく夢が叶ったのに、そこから離れてしまう方をフォローしたいと思い、現在の発信やオンライン相談の活動を始めました。

妊娠出産により現場は一度離れましたが、オンラインの活動は細々と続けており、復帰した今は歯科医院とSNS発信の二足の草鞋で活動しています。

現在の活動内容を教えてください。

福本 眞衣

新卒者やママパパに向けて、お口から健康になる情報を発信しています。

新卒歯科衛生士のサポートとして、『明日から実践できる』をモットーに教育環境が整っていない方向けに、SNSでの情報発信やオープンチャットを用いての個別相談・勉強会を開催しています。

また、パパママ向けにセミナーや個別相談といったお口育てサポートを開始しました。歯並びや食事内容のアドバイスがけっこう好評なんです。

個人活動を始めたのは、2020年です。Instagram(@___dh.mai)で新卒者向けに情報を発信し始めました。もともとやると決めたらすぐに行動するタイプなので、決めてからは早かったです。

それから徐々にフォロワー数も増え、現在は1万人を超えるまでになりました。同時にオープンチャットのグループをつくり、そこで個別相談やセミナーを開催しました。

今は歯科衛生士として現場にも復帰していますが、個人活動も軸にしたいと思っています。

子育てと仕事を両立するために、オンライン中心で行なっていきたいんです。ちょっと知りたいことがすぐ知れるようなアプリもつくりたいなと思っており、やりたいことがたくさん浮かんでワクワクしています。

原動力になっている想いを教えてください。

福本 眞衣

悩んでいる歯科衛生士の方が少しでも楽になるような、自分らしく生きられるような場をつくりたいという想いです。

同じフィールドにいる歯科衛生士たちが楽しく生き生きと働けたら嬉しいと思っています。自分自身がつらい思いをしたので、歯科衛生士たちの居場所をつくってあげたいんです。

実は歯科衛生士は離職率が高いんですよ。幸せな歯科衛生士が増えることで、長く働いてくれてたらいいなと思います。

学生さんや歯科衛生士を辞めたいと思っている方に、歯科衛生士の魅力を伝えられるようになりたいです。

せっかくなりたくてなった職業なので、皆さんが希望を持って楽しく働けたらいいなと思います。

最終的には、歯科衛生士のお仕事やSNS発信を通して笑顔になる方を増やしたい!と思うようになりました。

歯のことだけじゃなく、患者さまとの関わりのなかで皆さんを笑顔にしていきたいですね。

活動を通して伝えたいことを教えてください。

福本 眞衣

歯科衛生士という職業を一般の方に知ってほしいです!

歯科衛生士の認知度はまだまだ低いと感じています。歯科助手や看護師と間違えられることも多いんです。

私の活動を通して歯科衛生士を知ってもらい、素敵な仕事だなと思ってもらえたら嬉しいですし、歯科衛生士の皆さんには自分の仕事に誇りを持って胸を張ってほしいです。

私自身、私でいいのかな・・・という疑問を持ちながら仕事をしていた時期もありました。

ですが、産休に入るときに「また戻ってきてね」と声をかけてくださる患者さまがたくさんいらっしゃったんです。

1対1だからこそコミュニケーションをしっかり取れて、信頼関係が築けます。良い関係性が築けると、お話しすることでお互いの気持ちが和らぎ笑顔になる。

これも診療のなかで、歯科衛生士ができることなんです。こうした患者さまとの関わりにやりがいを感じました。

職場に復帰したときは、歯のことだけではなく、子どもの悩みを聞いてくれたり、私自身が患者さまから助けられたりすることも多かったです。改めて歯科衛生士をやっていて良かったなと思いましたね。

口の健康を整えるとは、身体全体の健康を整えること。健康になるためのお手伝いができるこのお仕事はとても魅力的だなと思っています。

「口の中のお掃除だけじゃないぞ!」ということを伝えたいですね。

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