― 浅野さんが管理栄養士を目指したきっかけは?
はじめは管理栄養士なんて全く考えてなかったんです。
高校3年生の最初までは進路もやりたいことも決まっていなくて、
はじめは語学系に行こうと考えていました。
そんな時期に、3つのきっかけが重なったことにより、栄養というものに興味を持ちました。
1つ目は、元々食べることが大好きだったけどダイエット願望もあったということです。
「食べながら綺麗になるにはどうしたら良いんだろう?」
という疑問を持ったことから、食への興味が湧いてきました。
2つ目は、高校3年生のときに叔父が若くして病気で亡くなったことです。
親戚が悲しんでいる姿を見て、
もし自分の家族にも同じことが起こったらと考えて、
身近な人の健康を守れるようになりたいと思うようになりました。
3つ目は、テレビでスポーツ寮の栄養士のドキュメンタリーを見たことです。
偶然番組を見かけただけだったのですが、
栄養士の方が選手にすごく感謝されていて、お互いに楽しそうな様子を見て、
「栄養士って人に喜ばれる仕事なんだ!」という印象が強く残りました。
とにかく、人を喜ばせる仕事がしたかったんです。
こうして栄養に興味を持ち、知識を得るために大学に行こうと決意しました。
― 実際に現場に出てみて、よかったことや大変だったことを教えてください。
私は、当時管理栄養士としてではなく
栄養士として入職していたので仕事内容に違いはあるかもしれませんが、
最初は辛くてしんどいという印象が大きかったです。
大量の調理をするので、大きな鍋を持ったり、肉体的に大変なんですよね。
また、人間関係の部分でも悩みが多くて、現場の調理師さん同士で言い争いが起きたり、栄養士と調理師の間でもぶつかることがあるんです。
私自身が真っ向から衝突するようなことはありませんでしたが、現場で摩擦が生じて揉め事が起こるのが大変でしたね。
そういう中でも、提供したお食事に対して「美味しかったよ」と感想を言ってもらったり、利用者の方に喜んでもらえた瞬間にやりがいや嬉しさを感じていました。
― 外の世界に飛び出そうと思ったきっかけはありましたか?
当時は給食会社に勤めて、そこから病院へ配属されるような形態だったので、基本は給食会社の指示に従うことになるんですね。
民間企業だったので売上を作るための予算削減(食材費など)がメインで、
健康ではなく予算を抑えることが一番になってしまっていることが許せなくて。
後になってそれも大事なことだと理解できましたが、当時の私にはどうしても許せませんでした。
私はなんのために勉強してきたんだろうって情けなくて。それが最初のきっかけですね。
あと、私は卒業時に栄養士の資格は取りましたが、
管理栄養士の資格は卒業してから独学で取ったんです。
私の卒業した学科だと国家試験を受けるために1年の実務が必要だったので、
まず1年やってみようという気持ちで入職した経緯がありまして。
1年経ってみて考えた時に、「やっぱり私は美容や予防医療に関わりたい。」という想いがありました。
そういう意味でも人生設計を考え直す時期だったので、
1回リセットしようと思って退職することになりました。
― 現在はどのような活動をされていますか?
食の側面から健康を守るという軸を中心として、活動を広げている最中です。
料理やスイーツ作りの勉強をしながら、グルテンフリーなどのヘルシーに食べられるお菓子を研究中です。
また、ライターとして栄養素や食材についてのコラムを書いたり、
栄養士のオンラインサロンのお手伝いをしたりもしています。
興味が幅広いので、食や栄養だけでなくデザインやマーケティングなど色々なことを吸収しています。
― これだけは残したい!という野望はありますか?
より多くの方に、若いうちから健康に興味を持ってもらいたいという気持ちが強いです。
「~するだけダイエット」のような、
メディアの情報に振り回されてしまう方がすごく多いと感じていて。
栄養や食事の知識を持って自分で管理できるようになれば、
自分の体と向き合って食事を選ぶということができるようになると思っています。
特に、10~20代の女性で極端な食事制限をしてしまう人を減らしたいですね。
また、今の現状として、自分の身体に不調をきたしてから
「健康」というものと向き合う人が多いように見受けられますが
「健康に良いことをする(健康に良いものを選ぶ)のは当然だよね!」
という価値観の人をもっともっと増やせればなと。
どんな形でというのは模索中ですが、若い層へアプローチしていきたいと思っていて、
米粉を使ったスイーツの研究などもしているので、
そういった何か商品やサービスを通して人のためになることが出来ればと思っています。
「パッケージが可愛いし、おいしそう!」
と何気なく手に取っていたスイーツで、知らず知らずのうちに
実は健康に良いことをしていた!
なんて嬉しい状況を作れたら面白いんじゃないかなと。
― 商品開発、すごくおもしろそうですね!最後に、hospassを通して実現したいことや望むことを教えてください。
私が元々そうであったように、栄養士に限らず、
もし自分のやりたいことが職場で実現できないとなったときに、
自分の力で外に踏み出して、1人1人の望む方向に進む人が増えたら良いなと思っています。
そんな病院の外で活躍する医療職の姿を一緒に広めていきたいです。
また、今後自分の商品を企画したりカフェを開いたりするために、
現在所属しているhospass編集部での活動に貢献しながら
マーケティングの部分を深めていきたいと思っています。
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