ー 看護師を目指したキッカケは?
高校時、担任の先生に勧められた事がキッカケです。
実は、医療についてまつわるエピソードが特にないんですよね。看護師になった人は、自身の実体験から決めることが多いと思うんですが、僕は大きな怪我や病気をしたことないんです。
高校の時、担任に進路相談したら看護師を勧められて、当時は全く医療に対するイメージが沸かなかったですが、担任のお子さんが【看護師】だったので話を聞いた所、興味が出てきました。
そこから看護師を目指して猛勉強しましたね!勉強は好きではなく、頭が良い方ではなかったので、とても苦労したことを覚えています。
そんな中どうにか看護専門学校に進学することが出来たという流れです!
ー 学生生活はいかがでしたか?
看護の学校は本当に女性だらけで驚きました(笑)
全校生徒100人中10人しか男性がいなくて、完全に女性社会に放り出された感覚でした。笑
あと、夢の大学生活を想像していたんですが高校と変わらず、毎日勉強に追われてどこも夢なんてなかったです。テストや実習も多く、毎日忙しかった記憶があります。
実習は辛い中でも、楽しく出来たかなと思います!
やっぱり看護師として、机に向かうだけではなく、患者とのコミュニケーションがメインだと思うので、自分のやりたい看護が出来てとても充実した時間を過ごすことが出来ました。
国試勉強は本当に身が入らなくて、授業ではほとんど寝てしまっていたし、模試でも学年最下位を叩き出すなど、先生に呆れられてたと思います。笑
結果的に国家試験は受かったので、最後は先生に思いっきりドヤ顔しましたね。笑
色々と辛い経験もしましたが、学生生活の3年間は『誰よりも一番楽しんだ』自信があります!
ー 病院で働いてみて、いかがでしたか?
最初に配属になったのは手術室でした。
病院に就職してから最初に希望の診療科を出します。脳神経外科志望で出したのに、通らず手術室へ配属になってしまって。
学生の段階では、病棟業務の実習がメインなんです。なので当時は『手術室看護師ってどういう仕事をするんだ?』と全くイメージできなくて、とても不安な気持ちでいっぱいでした。
ですが、他の看護師があまり勉強しない分野だからこそ、自分の武器になるんじゃないか?と考えるようになり、自分にとっては大きなモチベーションに繋がってました。
手術道具を覚えることはもちろんでしたが、特に解剖生理を徹底的に覚えましたね。
解剖生理ってすごく難しい印象がありましたが、実際に手術中目の前で人体を見ることが出来るので、理解するスピードは早かったです。
看護師1年目は、なんとしても仕事に慣れてやる!という一心で仕事していました。遅くまで勉強して、1日3時間睡眠で仕事へ行っていたこともありましたね。
仕事に慣れるまでは、本当に大変でした。
当時は同じ部署に憧れの先輩看護師がいて、この人の右腕になろう!と思って、憧れの先輩の考え方・価値観・仕事への取り組み方など、やっていることを全て真似してましたね。
仕事だけでなく、プライベートでも一緒にキャンプや遊びに行く程の徹底ぶりでした(笑)
ー 転職したキッカケはなんだしたか?
自分の中で、達成すべき目標に達した時に退職しようと決意しました。
病院では、徐々にリーダー業務やプリセプターとして動くことも多くなって、仕事が一通りこなせるようになったら仕事を辞めようと思ってたんです。
憧れの先輩の存在もあり、とても恵まれた環境でしたが、自分の将来について考えると、ここにずっといるべきでは無いな。と感じることが多く出て来たんです。
そして元から関心のあった訪問看護の道へ転職しました。
ー なぜ、訪問看護への転職を決めたんですか?
柔軟な働き方が出来るのは、訪問看護だなとわかったからです。
今まで病院で働いていて、働き方や仕組みに疑問を持つことが多くありました。
病院では年功序列が強く、仕事量を多くこなしても給料が上がらなかったり、看護において業務感が強く出てしまったりしたんです。
訪問看護では、仕事量に応じたインセンティブ制度や、在宅の利用者に合わせた柔軟な看護を提供出来ます。そういった点に魅力を感じて、訪問看護の道を選びました。
ー 転職エージェントとしての活動も行っていると聞きましたが、きっかけはどのようでしたか?
「訪問看護師として頑張るぞ!」と思った矢先に思わぬ展開があったんです。
転職の時に関わっていたエージェントさんのミスで、「看護師専門の転職エージェントとして働く」という形で伝わっていたらしく、その会社の代表さんも紹介されたんです。笑
その時は「ちょっと違うんです。僕は訪問看護師として働こうと思っていて」と、その会社の代表と話しながらも、徐々に転職支援に興味を持ちました。ちょうど友達などに転職の相談をしてくる人が多いこともあり、この会社の力になれるのでは?と思って
訪問看護師もしつつ、看護師転職エージェントとしても働くことにしたんです。
ー 栗下さんの今後の夢は、なんでしょうか?
訪問看護ステーションを30歳の誕生日までには作ります!
地元の宮崎に訪問看護ステーションを展開したいと考えています。そのため、まずは今活動拠点である東京都内に最初の訪問看護ステーションを建てたいです。
地元の看護師の給料がびっくりするほど低くて、それなら訪問看護ステーションの仕組みを持って帰って展開すれば、看護師の全体給料も上がるし、地域の高齢化に対しての対策もできます。
なので転職支援も行いながら、看護師の転職ニーズや病院の市場も把握しつつ、今後自分のビジネスにも取り組んでいきたいです。
コロナの影響で思うように動けない状況ではありますが、目標を胸に邁進していきます!
ー hospassを通して伝えたいことはありますか?
医療リテラシーが上がるような情報発信をしていきたいです。
基本的に医療職は他職種との交流機会が少ないため、横の繋がりが広がるような架け橋になっていきたいです。
hospassを通して、健康情報も人脈も提供できればとても素敵だと思うので、今後も活動に関わっていきたいと思っています。
栗下さんはお忘れかと思いますが、某病院の手術室でガウン着せ等をさせていただいていた者です。調べものをしていたらここへ辿り着きました。
お仕事をご一緒していた頃、栗下さんの堂々とした働きぶりを尊敬しておりました。勝手にですが、「わたしも頑張ろう」という気持ちにさせてもらっていました。
わたしが退職する際はそういった気持ちを言葉にしたかったのですが出来ず、5年経った今でも思い出すたび後悔しています。
まだまだ暑い日が続きますが、お互いに頑張り過ぎず自分のペースを守りながら乗り越えていきましょう。
長々と大変失礼いたしました。
ご本人に届きますように。そして、医療に携わる皆様の未来が実り多きものとなりますように。あらゆる病に苦しむ患者様の心に刺さった串が少しでも抜けていきますように。祈っております。